(最終回)その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル〜 2015.05.15


(チャイム)
(ため息)
(チャイム)
(平松純平)放っとけ。
キリがない。
(チャイム)
(上田聡)いい加減にしてください。
(記者たちのどよめき)
(島英明)お父さんですか?娘さんが誘拐されてすでに1週間が過ぎました。
今のお気持ちをお聞かせ願えませんか?警察だ。
いい加減にしろ!
(記者)なんだよ…。
(記者)警察かよ。
(チャイム)
(ため息)
(チャイム)
(チャイム)
(ため息)
(チャイム)
(ガラスの割れる音)
(悲鳴)犯人から一切連絡がない!?すでに1週間ですよ!?ホントに誘拐なんですか!?
(記者)そうですよ!
(池永清美)ですから!先日の会見でも申し上げたとおり白井穂奈美さんは1週間前に自分の携帯電話から…。
(記者)でもその電話ほんの数秒だったとか!?そうです。
ですから手掛かりらしいものは何も得る事が出来ませんでした。
その後穂奈美さんから連絡は!?いやありません。
彼女の携帯の電源も切られたままです。
よって警察は彼女が何らかの事件に巻き込まれたものと見て現在も慎重に捜査中です。
以上です。
(記者たちの文句)男手一つで育てた娘か…。
で捜査に進展は?いやぁ…。
捜査線上には確か被疑者が1人上がってたろ?1週間前穂奈美さんと一緒に目撃された男ですか?彼女と々大学の学生だったよな?
(上田の声)えぇ藁谷努22歳。
(上田の声)6日前コンビニから出たとこを聴取したんですが顔見知りの穂奈美さんと道で会ったから挨拶しただけだと言われ…。
(野沢健作)その〜藁谷努には任意同行を断わられました。
(藤原あきら)令状は取れないの?被害者と道で話していたという目撃証言だけでは…。
藁谷努に見張りをつけて。
なんだはるか。
お前しらす食わねぇのか?
(池永はるか)だって…目気持ち悪いじゃん。
食べなさい体にいいんだから。
じゃ全部目取ってくれる?お前ねぇケンカ売ってる?バカバカしい…。
(池永佳子)お兄ちゃん!何ぃ!?お兄ちゃんお兄ちゃん!朝っぱらからうるさいお前は。
夜勤明けなのにテンション高いね。
今朝発売されたばかりの…コンビニで買ったんだけど!藁谷努じゃねぇか…!なんでだ?まだ発表もしてないのに…。
やっぱり…警察が目をつけてた被疑者だったのね。
あぁ…。
ねぇこれ見て。
あの記者の記事だからガセじゃないと思って。
『週間タイムズ』の島です。
島のスクープだったのか…。
(はるか)ごちそうさま。
あしらす!ウザいウザいウザい…。
しらすを食えって言ってんだろ!ウザいって…!お兄ちゃん!「以上の取材はこの学生がコンビニから出てきたところで行った」「取材をしている間この学生が持っていたコンビニのレジ袋は『カラメルたっぷりプリン』という商品がいくつも入っていた」「このプリンは誘拐された女子大生の白井穂奈美さんの好物である事が関係者の取材でわかっている」「この事実がこの学生への疑惑を深める…」
(女性の悲鳴)
(梶原勇)クソッ!
(花村一彦)クソッ!バカ野郎!何やってんだお前らは!?お前ら向こう行け!回れ回れ!…行くぞ!
(女性の悲鳴)
(犬の吠える声)
(平松)どうしました!?あ…あれ…!
(レポーター)女子大生誘拐事件の容疑者として事件発生直後警察の事情聴取を受けていた男子学生22歳が昨夜中立売橋の橋脚で首を吊った状態で発見されました。
(レポーター)「穂奈美さんと同じ大学に通っていたこの男子学生に河原町署の捜査員が事情聴取の際行き過ぎた点や不手際があったのではないかという声もあり…」これでうちの署はマスコミの餌食ね。
目隠しされてるけどどう見ても藁谷努ね。
なぜ被疑者がマスコミにバレたの?わかりません。
ただその記者は妙に鼻の利く奴なんですよ。
いずれにせよマスコミ担当であるあなたの責任です。
申し訳ありません。
藁谷の自殺はこのせいかもしれませんね。
この記事を今朝見て追い詰められた…。
問題は被疑者の自殺で被害者が今どこにいるのか生きているのかわからなくなってしまった事です。
藁谷の行動範囲を割り出して被害者を捜索しましょう。
とっくにやってますよそんな事。
捜査に口を出す前に自分の足元の心配をしなさい。
はい?あなたの処分を京都府警本部に申し入れました。
(近藤時男)どちらへおでかけですか?白井さんのお父さんに会ってきます。
白井さん誘拐された女学生ですね?被疑者が死んで娘さん捜す手掛かりがなくなったんです。
不安に押しつぶされそうになってると思うんですよ。
そんな時に会って何をされるつもりですか!?説明する必要があるでしょう。
今被害者家族が喜ぶような話は出来ないはずです。
だからこそなおさら説明する必要があるんじゃないですか!?どうしてこうなったのか!それは被害者家族を無闇に傷つけるだけです。
娘さんは必ず助ける。
そう約束してきます。
そのような事を軽々しく言ってはいけません!軽々しく言うつもりはありません!少なくとも副署長という立場で言うべきではありません。
あなたは今窮地に立たされています。
自覚してください。
島の記事の件ですか?だったら自分の責任です。
被害者家族にもそう説明なさるおつもりですか?もちろんです。
え〜その件で…府警本部が査問委員会を開く事になるかもしれません。
査問委員会…?そうなれば副署長の職を解かれる可能性もあります。
やっと事の重大さがおわかりいただけましたか?だったら副署長でいられる内に説明と謝罪に行ってきます。
副署長!何か一言コメントを!捜査に何か進展はありましたか!?まだ今んとこ何もありません。
(島)じゃあ被害者家族へ謝罪しに来たんですか?なんせ容疑者を自殺させちゃいましたからね。
お前なぁ…。
警察が容疑者にした事情聴取は適正でしたか?その容疑者に事情聴取をした刑事は誰なんですか?俺だよ。
(記者たちの声)申し訳ありませんでした。
(白井恭一)頭を上げてください。
警察には感謝してるんです。
お2人がいなかったら私はどうなっていたか…。
穂奈美がいなくなってから毎日のように「ただ今のお気持ちは?」って昼夜構わずマスコミの連中が来て…。
平松さんと上田さんが守ってくれました。
そうおっしゃっていただけると…。
それに…容疑者が自殺したのはこの記事のせいです。
すいません…。
マスコミ担当の私がこの記事が書かれる事に気付いてさえいれば…。
あの…これで穂奈美を見つける手掛かりはなくなってしまったんでしょうか?お父さん…穂奈美さんは我々警察が何があっても見つけ出します。
お願いします!お願いします…!1つ気になってる事があるんだ。
藁谷はコンビニでプリンを買ってたらしいんだよな。
(平松)穂奈美さんの好物だったようで。
お前が聴取した時も確かコンビニから出てきたとこだったんだよな?えぇ。
レジ袋持ってたか?え〜…あぁ持ってました!その中に「カラメルたっぷりプリン」っちゅうの入ってたか?あ〜すいませんそこまでは…。
聴取した日時は覚えてんな?もちろんです。
よし。
じゃ店がその時間藁谷に何を売ったのか調べてみてくれ。
コンビニだったらその手の記録は残ってるはずだ。
来た…!容疑者を事情聴取した刑事だ!容疑者を聴取した時の事詳しく教えてください!
(記者)事情聴取は適正だったとお考えですか!?
(記者たちの声)
(悲鳴)被疑者の父親…!?藁谷哲夫55歳。
今警務課が取り調べてます。
(藁谷哲夫)何もしてない努をあの刑事が厳しく取り調べたから…!取り調べではなく任意の事情聴取です。
ごまかさないでください!警察の厳しい取り調べのせいで努は…自殺なんてしたんでしょう!?お気持ちはわかります。
…があの事情聴取は捜査上認められる範囲内…。
あの刑事が…!うちの息子を殺したんだ。
藁谷さんお話は我々が伺いましょう。
ちょっと待て。
誘拐の聴取は後にしてくれ。
この人は今息子さんを失って気が動転してんだ。
署長の指示です。
よく書類送検で済みましたね!殺人未遂じゃなくて暴行未遂と公務執行妨害にさせたからな。
そうですか…。
じゃあ明日の夜には家に帰れますね。
まぁな。
けど送検される事には変わりねぇよ。
俺のせいだ…。
俺が藁谷に下手な聴取さえしなきゃ…。
バカな事言ってんじゃないよ。
被疑者に事情聴取をするこれは当然の捜査活動だ。
お前1つも悪くねぇぞ。
それより調べてきたか?はい!藁谷が購入した時の記録です。
「カラメルたっぷりプリン」4つか…。
そのコンビニのオリジナルです。
つまり奴はこいつを買うためにコンビニに行ってたってわけだな。
藁谷が穂奈美さんを監禁してたのは間違いないっすね。
…無事だといいんだけどな。
俺今夜も白井さんの家に詰めます。
あぁいいよ。
すみません!ごちそうさまです。
(島)刑事さんちょっといいですか?ちょっと聞かしてくださいよ。
8日前あの容疑者に事情聴取した時の事。
1杯ごちそうしますから。
なんかずいぶん嫌われたみたいで。
いつもの。
(鈴木豊)何でしたっけ?…アイランド。
ごちそうさん。
気付かなかったでしょう警察は。
容疑者が被害者の好きなプリンを買ってた事を。
なんであんなスクープしたんだ?なんで…?フン奴が犯人だと思ったからだよ。
間違ってるぞ今回のスクープ。
間違ってる?そのせいで被疑者が自殺したんだぞ!容疑者を逃がしたのはそっちだろ。
そうだその失態についてインタビューさせてくださいよ副署長さん。
(椅子を倒す音)お兄ちゃん!?残念。
熱っ!いいところだったのになぁ…。
えっ?「河原町署の副署長本誌記者に暴行びっくりマーク」…。
いいネタだったんだけどなぁ。
やっぱり何か知ってんだあの記者の事。
お前10年前のビルのオーナー連続殺人事件って覚えてるか?10年前の連続殺人事件…?俺と近藤さんが京都府警で刑事やってた頃だ。
あぁ…!市内で3人殺された?そうそうそれ。
その事件3人目で犯人が逮捕されたろ?それって確かどっかの新聞記者が逮捕の決め手になったのよね?犯人がスクープされて。
そのスクープをしたのが…島英明だ。
俺たち警察の捜査が難航する中当時京都府警の記者クラブにいたあいつが独自の取材で犯人をあぶり出したんだ。
大した取材能力だ。
そんなすごい記者がなんで今あんな雑誌に…?記者クラブの記者は警察からの発表を流すのが慣例でスクープなどはすべきではない。
え?多分そんな理由で圧力かけたんだよ。
警察が新聞社に!?面子を潰されたとでも思ったんじゃねぇのか。
警察が掴めなかった犯人を彼がスクープしたから!?そういう事だ。
新聞社は警察からのオフレコ情報をもらえなくなるのを恐れて島を記者の仕事から外したんだよ。
そんな!で島は新聞社を辞めて現在にいたると。
まぁこんなところだ。
失望しただろうね…警察にもマスコミにも。
おそらく思いっきりな。
それ以来奴は大切な思いを忘れちまってる。
大切な思い?そいつは俺たち警察にとっても大切なものなんだけどなぁ…。
もうすぐ府警本部であなたの査問会議が開かれるとか?警務課長も災難だ。
あなたのせいで府警本部に呼び出されるんだから。
悪いけど俺は忙しいんだよ。
用事がないんだったら…。
決済お願いします。
ハァ〜。
車両使用許可証?あれここ…。
被疑者んとこ家宅捜索でもすんのか?詮索は結構ですから早く頼みますよ。
こっちは…鑑識資料送付リスト?被疑者の所持品か。
財布に携帯電話に家の鍵に三文判の…おい!この三文判の印鑑シート詳細不明って何だ?これ。
それは府警本部に物証として送らなきゃならんのですよ!そんな事より早く車の使用許可!清美ちゃんで〜す。
ちょっと頼みがあんだけどね…。
それ何だかわかるか?あ〜自殺した藁谷努の所持品のコピーじゃないっすか!?ヤバイじゃないっすかこんな…!四隅にテープの跡があんだろ?
(平松)多分どこかに貼られてたんだ。
一体何の意味があるんでしょうね?もしこの日付が…おいお前カレンダー持ってるか?はい。
やっぱり今年の第2第4水曜日だよ。
それがどうしたんです?定期的に何かをチェックしてたって事ですね。
て言う事はつまり…!どういう事ですか?ひらさんこのバカと例のコンビニの近くの不動産屋当たってみてくれ。
はい。
いや〜知らないですね。
心当たりはありませんね。
いや〜わからないですね。
ありがとうございました。
これは…うちが管理してる古い倉庫のですね。
倉庫…?面影寺の近くにある4階建ての倉庫です。
あ!俺が藁谷を聴取したハルマートの近くです!もうすぐ取り壊す予定ですけど。
これはその倉庫の点検表?えぇ。
毎月第2第4水曜にうちの社員が…。
でもこれ入り口の壁に貼ってあったはずですけど…。
どうもありがとうございました!ありがとうございます。
池さんの思ってたとおりだったな。
えぇ。
穂奈美さんはその倉庫に監禁されてますね。
そこに来る日を忘れないために藁谷はこれを。
あ!俺が藁谷を聴取したハルマートです!
(上田)もうすぐですよその倉庫。

(上田)ひらさん!上田…いるぞ!彼女が近くにいる。
(機械音)ひらさん…。
(平松)失礼します。
穂奈美さんは?倉庫の中もその近辺も50人体制で捜したんですが…。
(野沢)失礼します。
白井穂奈美さんの血液型と一致しました。
覚悟しなきゃいけないわね…最悪の結果も。
(白井)間違いありません…。
娘の…穂奈美の携帯電話です。
穂奈美は…穂奈美はこの電話から私に助けを求めたんですね。
(白川)お父さん助けてって…。
(白川の嗚咽)『心の旅』
(上田)あれ…焼酎空いちゃいましたよ。
「千癒」…ったく。
1000回癒されても足んねえよ。
(上田)はい…。
あっ!?
(上田・平松)「万癒」!シケたツラして飲んでんじゃねえよ。
目が死んでんぞ目が。
ホントに…目も死にますよ。
飲まなきゃやってられないっすよ。
俺たち警察が諦めらめてどうすんだよ。
まだ殺されたって決まったわけじゃないんだぞ。
でも今夜は飲みたいんです!ヤケ酒を飲むなっつってんだよ。
飲むんだったら希望の酒を飲め。
名言だねぇ〜。
あっちょっと待った。
島来てた?えっ!?よくわかるねぇ。
ていうかアイラってピート臭強いからね。
昔のあいつだったら酒残したりしなかったんだけどなぁ。
携帯で呼び出されたみたいよ。
呼び出された?スクープだって飛び出していった。
スクープ!?喜んでたよ〜。
被害者の父親に独占インタビューだって。
被害者の父親に…?何だ?それ…。
やべぇ…やべえぞこりゃ!池さん!
(上田)はい?
(平松)…池さん!しかし…どうして私に連絡してくれたんです?いや…感謝してるんですよ。
じゃあ回しますね。
(スイッチを押す音)
(白井)この記事…書いたのあなたですよね?ああそれで…。
ええこの記事はかなり注目されたんです。
じゃあインタビューの方始めさせていただきます。
どうぞおかけになってください。
(刺す音)あっ…!?痛…。
(白井)あ…ああ…!お前のせいで穂奈美は殺されたんだ!この野郎…!!ああ…!この人殺し…!!
(揉み合う声)やめろ!!…やめろ!やめてください!こいつを殺したところでどうにもなりませんよ!わかってます…一番に恨むべきは犯人です。
でも…今はそれ以上にこの記者が憎いんです!
(白川)犯人捜しの報道をして犯人を自殺させ穂奈美を助ける芽を摘んでしまった…!この記者が…この記者が憎いんです!
(床を叩く音)
(救急車のサイレン)
(ドアの開く音)怖かったか…?初めて被害者の苦しみを突きつけられて怖かったか?どうかしてるよ…あの父親。
俺が容疑者を自殺させたなんて。
そして…被害者の父親を犯罪者にした。
俺の責任じゃない!「犯人捜しの報道」…。
…え?そう言ったそうだよ…お前を刺した白井さん。
「犯人捜しの報道」…。
なぜマスコミのお前が犯人捜しなんかするんだ?なぜって…それが俺の仕事だから。
違うね!それは俺たち警察の仕事だ。
その警察が頼りないから…。
だったらそれを報道すりゃいいだろ!警察の怠慢暴走を正すのがお前たちの仕事じゃないのか?そのお前が犯人捜しなんていう暴走してどうするんだよ?でもあの時だって…。
あの時…?10年前だって俺があの連続殺人犯をスクープしなきゃ警察はヤツを逮捕できなかっただろ!?そのスクープをした時…俺はお前に言ったよな?スクープをする必要のない記者クラブの人間がどうして犯人をスクープしたりしたんだって。
その時何て言ったかお前覚えてるか?被害者の事を考えたらこれ以上犯人に人を殺させるわけにはいかない…そう言ったんだよ。
だから何だよ…。
その大切な思いを忘れちまったのか?お前が被害者の事を真っ先に考えてたら今回のスクープはしなかったはずだ。
被害者の事を考えていたらその父親に向かって「今のお気持ちは?」なんて絶対に言えなかったはずだ!
(ため息)あの日…コンビニの駐車場で藁谷に話を訊いて…その時ヤツが被害者の好きだったプリンをたくさん買ってるのを見てこいつが犯人だって思った…。
そう思ったら…書かずにはいられなかった。
ちょっと待て…。
自然に体が動いてスクープにしちまってたんだ。
ちょっと待てよ。
あのコンビニに駐車場なんかねえぞ。
は…?お前が藁谷を取材したのってハルマートだよな?ああ三条通の。
三条通…!?四条通店じゃないのか?俺が藁谷に話を訊いたのは三条通だ。
それがどうかしたのか?9日前お前が藁谷を事情聴取したのはここ。
(上田)ハルマート四条通店。
ところが5日前に島が藁谷に取材をしたのがここなんだよ。
ハルマート三条通店。
変だろう?別に不思議じゃないでしょ?ハルマートならどこでもあのプリン売ってるはずよ。
何でだよ藁谷は穂奈美さんに食わせるためにプリンを買ってたんだぜ。
そうとしか思えないんですよね。
何でわざわざプリンを買うコンビニを変える必要があるんだよ!?普通監禁場所に近い所で買うと思うんですよ。
そうよ!藁谷の家から監禁場所へ向かう途中か藁谷が通ってた大学から監禁場所に向かう途中だろ。
うんうんうん…その2つのコースだとやっぱり四条通店ですかね?あ…わかった!いつも行ってる四条通店でプリンが売り切れだったから三条通店に行ったんじゃない!?おお〜…!そうじゃねえよバカ!いいか…。
静かにしてよ!!うるさくて眠れないんだけど。
…すいません。
いいか…四条通店と三条通店の間には河原町通店っちゅうのがあんだよ…。
売り切れなら河原町通店に行くはずですよね?ああそうか…。
もし…監禁場所の近くのハルマートで買っていたと考えるならば…。
(平松)あっ!?
(池永・上田)シーッ!!明日三条通店近くの不動産屋当たってみます。
それだよ!よーし明日は俺も一緒に行くぜ!ダメ!!
(平松・上田)我慢我慢!
(そうめんをすする音)
(不動産屋)ありませんねぇこの辺りに空きビルや空家は。
そうですか…どうも。
行こう。
ただ…倒産した町工場なら。
町工場…?ええ。
今は廃墟同然です。
三条通の杉原町です。

(水滴の落ちる音)おい…!
(水滴の落ちる音)
(上田)白井さん!?
(平松)白井さん…白井穂奈美さん!白井さん!!
(平松)白井さん!!白井さん…白井さん!
(平松)救急車!捜査本部に連絡!本当ですか?今病院で検査してますが命に別条はないそうです。
ありがとうございました…。
ありがとう…ありがとうございました…。

(穂奈美)交際を…申し込まれたんです。
(平松)藁谷努から?断ったら付きまとわれるようになって…。
それで…それであの日…。
今はとにかく気持ちを休める事だけを考えて。
一度は逃げたんです。
ガラスを割って…縛られたロープを切って…その時にケガして。
でもその後すぐ見つかっちゃって…。
(穂奈美)あっ…!?
(藁谷努)おい…お前何やってんだよ?
(努)おとなしくしてろ…!
(穂奈美)あっ…!!おい…誰かに連絡したのか?誰かに連絡したかって訊いてんだよ!!それで監禁場所を変えたのか…。
その後はもう逃げる気力も…。
もういいわかった。
よく話してくれたね。
私がいけないんでしょうか?…え?私が…藁谷君を追い詰めたんでしょうか…?藁谷君が自殺したのは私が彼を…。
1つだけはっきりしている事がある。
それは君は少しも悪くないっていう事だ。
(平松)君は悪くない。
わかったね?今まで本当によく頑張ったよ。
ね?
(嗚咽)
(テレビ)「祇園女子大生誘拐事件で12日もの間監禁されていた白井穂奈美さん21歳が今朝無事に救出されました。
河原町署は先日自殺した容疑者藁谷努22歳による犯行であると特定した模様です」「捜査の過程で容疑者を自殺させてしまった捜査員の不祥事において…」
(林哲夫)しばらくはこのバッシングが続くなぁ…。
我が京都河原町署。
(署員たちのため息)おい!仕事しろ仕事!
(署員たち)はい。
ねえ警務課長は?俺のせいで今日も府警本部だ。
そう…じゃあ副署長代わりにお願いします。
おう。
(テレビの音)大丈夫かしら…?穂奈美さんか…?検査の結果体は大丈夫らしいんだけど問題は心のケアだな。
穂奈美さんもだけど気になるのは藁谷努の両親。
…え?息子さんが犯人だなんて報道されて…。
(テレビ)「…不穏な独り言などを言ういわゆるオタクだったようです。
大学では友人も少なく…」
(電話をかける音)
(呼び出し音)出ねえな藁谷さん…。
こんなニュースが流れてる時にどこ行ってるんだろ…?お兄ちゃんどこ行くの?藁谷さんのマンション行ってくる。
ダメ!我慢我慢。
俺の我慢もここまでだ。

(近藤)あ…!?副署長…今回だけはダメ…。
絶対にダメ!!
(チャイム)
(チャイム)
(ノック)
(シャワーの音)お邪魔します!
(シャワーの音)
(シャワーの音)お兄ちゃん!佳子救急車だ!早く!!受け止められないんです…。
息子がした事も…自殺した事も。
(藁谷市子)こうするしかなかったんです…。
努が監禁したお嬢さんやご家族にお詫びするには…。
そうでしょうか?お2人が自殺したら被害者の家族を二重に苦しめる事になるんじゃないですか?
(市子)じゃあどうすればいいんですか?私たちどうしたらいいんですか!?
(島)同じ罪だなんて思いませんよ。
加害者とその親が同罪だなんて…私はそう思いません。
それでもあなたたちが被害者に言いたい事があるんだったら…私を使ってくれませんか?私も謝罪したい事があるんです。
被害者とその家族に…。

(島の声)「客観的な立場で事件を追い真実を世に示すのが本来の記者の仕事だ」「しかし真実に急ぐと本来忘れてはならない人道的な配慮を忘れがちになる」「あのスクープも真の報道の役目からは逸脱したものだった」「過去に私の追及した連続殺人事件の真相が組織的な権力によってねじ伏せられた事があった」「その悔しさと恨みがいつの間にか報道記者としての正義感を間違えた方向に暴走させたのもしれない」「私は記者としての『大切な思い』を忘れてしまっていた」「そしてその事が結果的に私の記事を刺々しい凶器に変貌させてしまったのだ」「警察発表前に犯人をスクープした反省点はそこに集約されるだろう」「被害者やその家族にはもちろん警察の捜査関係者にも深く謝罪したい」「また加害者である藁谷努のご両親から要望があり次号からはその手記を掲載したいと考えている」「今回の事件で筆者は考える。
加害者の家族もまた被害者なのかもしれないと…。
島英明」この記事のおかげで警察への批判もきっと弱まるわ。
はっ。
あなたが書かせたの?いいえ。
自分は記者が書く記事を警察が左右すべきではないと考えています。
いずれにせよ結構なマスコミ対応でした。
以上です。
失礼します。
あ…それから警務課長に感謝するのね。
…はい?お疲れ様です。
え〜副署長にご報告が1つ…。
なくなったそうですね俺の査問委員会。
署長からお聞きになりましたか。
はいでは本日も1200件の…。
ありがとうございました。
はい?近藤さんが府警本部に掛け合ってくれたんでしょ?私は本部に訊かれた事に答えただけです。
え〜しかし残念ながらこれであなたの捜査一課長への道はさらに険しくなったと言わざるをえません。
近藤さん前に言ってましたよね。
はい…?人の痛みがわかる警察が作りたいって。
はい。
そのためにもあなたには上に行っていただかないと。
最近俺思うんですよ。
もしそうだとしたらあらゆる人の窓口になる副署長って仕事も悪くねえんじゃないかなって。
仕事に戻ります!諦めません!!はい!この私。
あなたこそ組織を動かす力を…はい持つべきです。
2015/05/15(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル〜[再][字]

「誘拐犯が消えた…副署長、追放の危機!!」

詳細情報
◇番組内容
船越英一郎、連続ドラマ“初”主演作品。捜査を禁じられた所轄署の“副署長”が難事件を解決するミステリー。制服を脱ぎ捨てたとき、事件は解決のときを迎える!
◇出演者
池永清美(副署長):船越英一郎
池永佳子(交通課):田中美里
平松純平(刑事課):宇梶剛士
上田 聡(刑事課):鈴木一真
野沢健作(刑事課長):石丸謙二郎
近藤時男(警務課長):本田博太郎
藤原あきら(署長):萬田久子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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