先月都内の文房具店を訪れた番組ディレクター。
鉛筆売り場で目を疑った。
なぜか子どもの頃に使っていたHBの鉛筆が見当たらない。
一体なぜ?
(取材者)何ですか?これ。
取材で浮かび上がったのは鉛筆に加えられていた謎の黒いダイヤ。
そしてたどりついた多くの子どもたちの体に起きていた不可解な現象。
えっ?話が鉛筆なのに随分深刻ですよ。
白衣着た人が「30年後には」なんて言ってましたよ。
あとHBがないとかあのお店だけでしょ?いやいやいや所さん所さん。
今日も驚いて頂きましょう。
今日の話題こちら。
ジャン!いやいやこれ実は先ほど映った番組ディレクターがふと気付いた話なんです。
親戚の子どもに鉛筆を買ってあげようと小学生向けの鉛筆の売り場に行ってみました。
(久保田)近い。
何回見ても自分が子どもの頃なじみのあった…そう。
HBの鉛筆が見当たらないんです。
所さん子どもの頃って鉛筆といえば?HBだよ。
HBですよね。
HB。
いろんな事をこのディレクターは妄想し始めました。
何よ?これあのパターンじゃない?これだ。
世界中の外国人観光客の方がHBが欲しいと…。
何かさこの間さチョークの時にこんなんじゃなかった?同じパターンじゃないの?つまりHB専用の工場がいろんな理由で廃業して品薄かなとか…。
だからチョークもそうだったじゃない。
同じじゃんこれ。
発想はいろいろしたんですが鉛筆売り場のちょっとした異変から今が見えてきました。
びっくりです。
所さん!大変ですよ。
この日ディレクターが向かったのは都内にある大手文房具店。
小学生用の鉛筆売り場へ。
(取材者)あっこれだ。
並んでいた鉛筆は全部で321種類。
合わせて3万本以上に上る。
しかし…。
ほとんどがBか2B。
濃い鉛筆ばかりが目立ちやはりHBは見当たらない。
…とその時。
ようやくHBを発見。
しかし僅か100本余り。
全体の300分の1にすぎない。
いくら何でも少なすぎやしないか?店によれば去年一番売れた子ども用鉛筆は2Bで全体の60%を占めた。
一方HBの売り上げは僅か8%だったという。
小学生の鉛筆はHBというのは勝手な思い込みだったのか?町行く人に聞いてみる事に。
ディレクターと同じ35歳以上の世代は9割が小学生の時にHBを使っていたと回答。
一方…。
2Bです。
なぜか25歳より下の世代になるとHBより濃い鉛筆を使っていたと答える人が一気に増加した。
その世代が小学校に入学したのは90年代半ば以降。
そのころ一体何が起きたというのか?取材を進めると鉛筆を作る現場でも大きな変化が起きている事を突き止めた。
向かったのは大手鉛筆メーカーの工場。
(取材者)あっ初めまして。
こちらの男性長年鉛筆の芯の開発責任者を務めているという。
芯の材料を説明し始めた男性に最近の自信作を聞いてみると…。
(取材者)うわっ太っ。
何ですか?これ。
なんと10B!試しに書いてみると。
違いはやわらかさだけではなかった。
更にこの男性Bや2Bにある素材を加える事でより滑らかに書ける鉛筆を作り出したという。
しかしダイヤというよりは…。
芯に混ぜた小さなダイヤが黒鉛をスムーズに押し出すローラーの役割を果たし滑らかに書けるのだという。
ぜいたくな鉛筆だ。
男性によると90年代半ばから濃くて滑らかに書ける鉛筆ばかりが求められるようになったという。
その結果90年代までメーカーの売り上げ全体の半分を占めていたHBが今や20%にまで減ってしまった。
一体どういう事だ?そこで調べてみると小学校の鉛筆指定に対する戸惑いの声をネット上で数多く見つけた。
「HBは駄目と知人の子どもに言われた」。
なぜ小学校でHBを使っちゃいけないんだ!?数日後子どもたちに2Bを使うよう指導している小学校で理由を聞かせてもらう事に。
そう言って校長が取り出したのはこの春新入生に渡した入学のしおり。
そこには確かに鉛筆はBか2Bを持ってくるよう明記されていた。
筆圧?字が薄い子がいるという事か。
本当によく分からないんですけど…校長によれば90年代に入ると筆圧の弱い子どもが目立つようになり全国で新入生に濃い鉛筆を指定する小学校が増加したという。
でも6年生ともなれば鉛筆は自由。
筆圧も強くなりHBを使っているんじゃないのか?2Bという方。
はい。
高学年になってもやはり濃い鉛筆が人気のようだ。
しかし話を聞いてみると…。
どうやら字が薄い事を心配する親が我が子に濃い鉛筆を買い与えているようだ。
実はこの結果担任にも驚きだったという。
日頃子どもたちが書いているものからは濃い鉛筆を使っているとは思えなかったというのだ。
子どもたちの筆圧が弱くなっているという現象。
調べてみると各地の教育機関が相次いで報告している事が判明した。
子どもたちの筆圧が弱くなるとともにHBの影も薄くなっていった。
それが事の真相のようだ。
それにしても…よくいわれる体力不足が原因なのか?取材を更に進めるとその答えを知る人物が宮崎県にいる事が分かった。
(取材者)失礼します。
よろしくお願いします。
宮崎大学医学部教授のこの男性。
骨や筋肉が正常に機能しているかこれまで4万6,000人の子どもたちを調査してきたという。
手を使っていない?一体どういう事だ?教授によれば字を書くには肩から指先まで腕全体を微妙にコントロールする事が必要だという。
しかし多くの子どもたちはゲーム機やスマホなどで指先だけの単調な動きを繰り返しているため腕全体をうまく使えない。
その結果筆圧が弱くなったというのだ。
しかも…。
一体どういう事なのか?このあと子どもたちの体に起きているという深刻な問題が明らかに。
あら〜大問題じゃないですか。
ねえ筆圧の話までいっちゃいましたよ。
あとHB使うなって言っちゃうんでしょう?HBで濃く書けって指導でしょう!HBを使って濃く書きなさいと。
伝わらなかったら何にもならないんだからって指導ですよね。
やってみます?所さん。
えっ?ちょっとちょうど用意したの。
10B。
あっ言ってましたね10B。
スタジオに10BとHB2本ご用意しましたので先に比較…分かりやすいんでHBから書いて頂きます。
「エンピツ」と。
はい。
これ10Bです。
10B。
あっこれ書きやすい。
(笑い声)え〜?これ10Bね。
すごい。
(久保田)この角度で書いてもこんなに濃いんですね。
我々はほらHBから入ってるから10Bのよさに分かる訳だよ。
これ楽でいいねになるじゃない。
楽から入っちゃった子どもたちは…あっでもずっとこれでいいんだもんね。
筆圧とかそういうところは違うところで補えば?どう?スタジオには今日も3人の専門家の方にお越し頂いています。
この鉛筆についてお話ある方。
(3人)はい!
(久保田)澤口さんお願いします。
これはもう何て言うか…。
いやもう大問題ですわ。
大問題?脳科学の観点から言いますけども…思考力だとか自分の感情をコントロールする能力とつながってるんですよ。
これが発達しているとほかも発達するっていう関係がある。
こんな事やっていたら思考力が育たない。
じゃあ遠い将来にも駄目なんですね。
駄目ですよ。
力が出なきゃ駄目なんですよ。
いや〜ちょっとびっくりしました。
例えば缶なんですけども皆さんこの缶の蓋の部分ってこの指の掛かり具合とかあとこのへこみくぼみの部分とかこれもういろんなメーカーさんが人間工学とか感性工学に基づいて…。
初めはもう固かったですもんね。
そう大人もですけども子どもさんなんかそれが当たり前になって育っていくのでやっぱり先生がおっしゃったようにいろんな力が育たないという事が考えられますよね。
(モーリー)そのとおりですよ。
だけど…例えばシャープペンシルなんですけれども普通だと親指でキャップの所を押しているじゃないですか。
最近は書いてる時に芯が勝手に自動で出てくるやつがあるんですよ。
芯が勝手に自動で出てくる!?チュルチュルって書いてチュルチュルって出てくるの。
あっそう。
所さん所さん。
先ほど映像にも出てきたこの方。
整形外科のこの先生。
これまで4万6,000人近い子どもを検査してきたんですが今重大な問題が発生しているようだとおっしゃっている。
見てみましょう。
所さん!本当に大変ですよ。
重大な問題とは一体何なのか?向かったのは教授から紹介された一軒のお宅。
失礼します。
現れたのは中学1年生の稔くん。
小さい頃からボーイスカウトを続ける活発な少年だ。
しかし手首を使うある簡単な動作がなぜか苦手だという。
それは瓶の蓋を開ける事。
力を入れても開けられない。
試行錯誤を繰り返す事1分。
(取材者)ちょっと時間かかったね。
ちなみに同じ瓶を5歳の少女に渡してみると…。
僅か2秒で開けられた。
教授によればこの少年手首の機能がうまく働いておらずひねる動作がうまくできないのだという。
しかも!同じような問題を抱える子どもが最近増えているらしい。
どういう事なのか?教授が宮崎市内の小学校で行う調査に同行した。
この日行われたのは4年生と6年生の運動機能を調べる検査。
まずは膝や腰などの動きを見る立ち上がり。
体育座りから手を使わずに立ち上がる動作で昔の小学生なら比較的楽にできたというのだが。
はいそのまますっと立ちます。
4年生は半分が立ち上がれない。
せ〜の!6年生では8割が立てなかった。
続いて行ったのはかかとを着けたまま座るしゃがみ込み。
かかとを着けたまましゃがむ。
この動き足首や股関節などが硬いと難しい。
検査を始めた8年前と比べ年々できない子どもが増えているという。
しゃがもうとするとかかとが浮いてしまう子が続出。
7%の子どもができなかった。
その後厳密に検査した結果子どもたちの10人に1人が関節や筋肉の働きに何らかの問題がある事が判明した。
子どもたちの動きを解析したCGを見てみると…。
これはかかとを着けたまま座ろうとすると転んでしまう子ども。
できる子どもと比べてみると足首膝股関節が十分に曲がらないためバランスをとれていない事が分かる。
教授によればこうした状態を放置しておくとある深刻な事態につながるおそれがあるという。
それは…。
ロコモティブ・シンドロームは関節や筋肉神経など運動器が正しく動かなくなり手すりを使わないと階段を上れない15分歩いただけで足腰が痛くなるなどの症状が出る。
予備軍も含めて全国で4,700万人いるといわれており65歳以上の高齢者を中心に拡大しているという。
教授は問題のある子どもたちを放置しておくと40代でロコモティブ・シンドロームに陥るおそれもあると危惧しているのだ。
これまで宮崎をはじめ全国10県で整形外科医たちが子どもの運動器の検査を実施。
どの県でも少なくとも1割の子どもに何らかの異常が見つかったという。
鉛筆でしたね最初は。
大変な事になっちゃったじゃないですか。
大変な事になっちゃったじゃないですか。
大変ですよね。
当然事態を重く見ているのはこちらの文部科学省でしてちょうど来年度から全ての学校で先ほど映像で出てきたような運動器のチェックというのが健康診断に加わるんだそうです。
今日は蓋を開けてみましょうとか。
これはこうやって開けるんだよとかここでてこを使いなさいとか。
そういうような事も含めて…あれは相当よくて掃除もいいですしこういうやつの運動があって。
あとご褒美もらえるので。
…で一生懸命やるし。
これいい方法ですよ。
だって将来大変な事になっちゃうもんねみんな。
ねえ。
本当HBの鉛筆からこんなところまで…。
すごいよね。
本当に。
でもあえて本当薄いの使ってみた方がいいかもしれないですね。
でも一回10B書いちゃうと…。
(笑い声)2015/05/14(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
所さん!大変ですよ「世にも不思議な“えんぴつ物語”」[字]
子どもたちが最近、“ある種類の鉛筆”をほとんど使わないといううわさを追う。それはHBの鉛筆。取材で浮き彫りになったのは、多くの子どもたちに起きていたある事情。
詳細情報
番組内容
子どもたちが最近、“ある種類の鉛筆”をほとんど使わなくなったといううわさを追う。それはHBの鉛筆。ディレクターが取材すると、多くの子どもたちの指先に起きていた、ある事情が浮き彫りになった。
出演者
【司会】所ジョージ,久保田祐佳,徳永圭一,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【語り】吉田鋼太郎
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:3143(0x0C47)