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また、去る五月には、ゴルバチョフ大統領の招きで訪ソし、モスクワ国際関係大学で講演されている。
会場となった講堂は、学生、講師、教授など千人近くの聴衆でいっぱい。
入退場のさいは、参加者が総立ちになっての万雷の拍手をあび、約二十分のスピーチの間、
拍手で十二回もスピーチが中断したという。たいへんな反響であった。
彼女は、これからもゴルバチョフ大統領とともにすすんでいってほしいと訴えた。
「あなた方が、道徳的にも正しい壮大な試みに着手したのなら、
大事なことは、そのすべての成果が得られるまで努力を続けることです」
「病気の時には、たいへん苦い薬を飲まなくてはなりません。それはとても不快なことです。
しかし、新しい健全な社会を取り戻すまで、その努力を続けなければなりません」と。
会場の学生からは次のような発言も飛びだした。
「もし、あなた(=サッチャー女史)が、この国(=ソ連)の総選挙に立候補したなら、十回続けて勝つでしょう」
「私たちの国の首相になってくれと頼まれたら、あなたは引き受けてくれますか?」と。
記事によれば、彼女は、ソ連の若者たちにとって、「自由市場と西側民主主義のチャンピオン」であるという。
また、深刻化する国内問題に苦しむ大統領に対して、
彼女は、「言論の自由」「信教の自由」「旅行の自由」など、大統領が勝ち取った成果をたたえている。
「どうかソビエト連邦が政治的に勝ち取った偉大な前進を過小評価しないでください。
われわれが獲得したものは、六、七年前に考えることすらできなかったものです」
「改革はふたたび前進を始めているように思えます。私が楽観的なのはそのためです」――。
一時の困難によって、全体の評価までゆがめてはならない。
偉大な仕事にはトラブルがつきものである。
大事なのは、《進歩》の側を団結して応援することである。
そうした前首相の信念に私は共感をおぼえる。
次元は異なるが、学会の外護による宗門の大発展も、三十年前には「考えることすらできなかった」ものである。
絶対にだれ人も「過小評価」すべきではないし、正しく評価することが、次の正しき前進への前提となっていくと私どもは信ずる。
【第四十四回本部幹部会 平成三年七月五日(全集七十七巻)】
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