音響設備の補修工事を発注したように装い、NHKから約280万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課と代々木署は25日、NHK放送技術研究所(東京・世田谷)の元主任研究員、浜崎公男容疑者(56)=懲戒免職=と元音響設備会社(同)社長、佐藤博康容疑者(46)を詐欺の疑いで逮捕した。同課によると、いずれも容疑を認めている。
同課によると、浜崎容疑者は数年前から佐藤容疑者の会社に架空の工事を発注したり、工事費を水増しして支払ったりして資金をプールしていた。佐藤容疑者はこうした資金でノートパソコンやカメラなど数百万円相当の物品を購入し、浜崎容疑者に渡していた。
逮捕容疑は2012年2~4月、放送技術研究所の設備工事を佐藤容疑者が経営していた音響設備会社に架空発注し、NHKから約280万円を詐取した疑い。
NHKの内部調査で不正が発覚し、NHKは昨年10月、浜崎容疑者を懲戒免職して警視庁に告訴。警視庁は同月、放送技術研究所などを詐欺容疑で家宅捜索した。
放送技術研究所はNHKの一部門として1930年に設立され、放送技術などの調査や研究を担当。運営には受信料が充てられている。浜崎容疑者は音響の専門家として勤務していた。
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