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【大相撲】

白鵬 横綱で625勝 千代の富士に並ぶ歴代2位

2015年5月15日 紙面から

白鵬(奥)が突き落としで安美錦を下す=両国国技館で(武藤健一撮影)

写真

◇夏場所<5日目>

(14日・両国国技館)

 横綱白鵬(30)=宮城野=は安美錦の攻めに苦しみながら、逆転の突き落としで1敗を守った。横綱在位中の勝利数を625勝とし史上2位の千代の富士に並んだ。横綱日馬富士は大砂嵐を寄り切って連敗を免れ、1敗を堅持。大関陣は琴奨菊と豪栄道が3勝目を挙げたが、稀勢の里は関脇妙義龍に寄り切られ2連敗となった。関脇照ノ富士は栃ノ心を寄り切って4勝目。40歳の旭天鵬は単独史上1位の幕内1445回出場を記録した。全勝は平幕の高安と魁聖。1敗で白鵬ら11人が追う。

 負けない強さとでも言うのだろうか。立ち合いから安美錦と激しく突き合った白鵬。土俵際で右を差して組み止めたかに見えた。そこから、安美錦の左からの出し投げを左に一回転して残し、さらに右からの出し投げを右に一回転して残す。それでも脚にしがみいてきた安美錦を、振り払うように土俵にはわせた。

 全身に汗を光らせ苦笑いを浮かべた横綱。決まり手は突き落としだったが、それでは片付けられない内容に、支度部屋に戻ると「まあ、何だか分からん。そんな感じ。思ったより(安美錦が)粘ったんじゃない」。さすがの横綱も記憶の整理がつかなかった。北の湖理事長(元横綱)も「落とさないのが強み。白鵬だから勝った。冷やっとしたと思うよ」と心中を察した。

 3年ぶりに初日黒星発進した今場所。まだリズムをつかみ切れていないようだ。「15日間、何があるか分からない。苦しいながらも残せて勝つということは心がけている」と油断はないが、元横綱千代の富士の九重親方は辛口エールを送る。

 「余裕がない相撲が多い。いつもの場所とは違う。苦労しての白星。今場所は首をかしげる相撲が多いね」と内容を厳しく評価。ただし、625勝で並んだ横綱勝利数については「あした、あさってに辞める力士じゃないから。通過点じゃないのかな。どんどん伸ばしていく感じ」と今後に期待を込めた。

 31日に国技館で行われる九重親方の還暦土俵入りで太刀持ちを務める白鵬は、「巡り合わせというのがありますね。苦しみながらの白星。またひとつ、偉大な人の記録に並んだわけですから。そう簡単ではなかった」という。九重親方の期待に応え、その日を迎えるつもりだ。 (岸本隆)

 

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