ケレンベルガー社が機械を供給しているカテゴリーにおいて、CNC制御の円筒研削盤はその加工形状の自由度によって非常に浸透しています。その動きは右のように0.1μmの階段を発進⇒停止⇒発進⇒停止しながら、お客様の望む形状通り、正確に駆け登って(あるいは下って)いかなければなりません。しかし、現実の機械が、各スライド(軸)の動きを組み合わせてこのように正確に階段を登る(下る)ことは、非常にむずかしいことです。
「くっつく」「すべる」。まるで嫌がる坊やを引きずるがごとく、高精度加工にとって必須となる安定した軸運動にとっての最大の問題がこれです。すべては停止状態と運動状態において摩擦係数が異なることが原因。0.1μmのステップ送りで形状を創成することが基本となるCNC研削盤において、一般的なすべり摺動面では、いくら材質の変更や強制的にスライド間に潤滑油を与圧しても本質的な改善とはなりません。円筒研削盤の特徴的な運動であるテーブル軸(Z)の往復運動において、油膜の断続的な与圧は、スライドの加速時には、クルマの急発進時のようにフロントが浮き、減速時にはつんのめることになります。それは非常に不安定な動きであり、また偏磨耗を引き起こすこととなります。また、切込(X)においては、停止状態から数μmを動かすことは(この坊やのイメージからもわかるように)現実的ではありません。
ケレンベルガー社のCNC万能円筒研削盤の最高峰であるKEL-VARIAシリーズ他には、上記のスティックスリップの本質的解決のため、「油静圧スライド」をX-Z軸に採用しています。さらに、これが旋回B軸にも採用されたことで、いわゆる全静圧の機械となりました。油膜を常時強制的に与えられ(強制潤滑とは違うコンセプトです)多面的に油圧で拘束されたガイドです。例えれば、水中で悠々と直進している物体のようです。浮いているという語幹イメージから不安定ではないかという懸念をもたれやすいのですが、位置決めの安定性は電気的なゲイン調整等が関連しており、静圧スライドの構造には関連はありません。また、その信頼性への自信は、この部位の無償保証期間が5年であること(一般的には1年)から、うかがい知ることができます。
ケレンベルガー社の油圧静圧技術は、上記の精度的優位性に加え、効率的な優位性も両立しています。外径研削から内径研削への変更の際、砥石旋回B軸は180°旋回いたしますが、それはたったの1(いち)秒で完結します。また、一般的に砥石が次の加工のため旋回する場合、一旦原点に戻った後、次の旋回位置まで旋回し、再度加工位置に戻ってくるという、遠回りをする必要がありますが、ケレンベルガー社の場合は、加工位置で次の旋回角度に旋回できる(最短距離を行くことができる)という特殊な技術があります。
ケレンベルガー社のKEL-VARIA他では、右図のようなスリット、放射上に位置する4つの丸孔などの内径研削が可能です。従来こういった加工は、縦型の3次元加工機が行うものでした。縦方向のY軸を持たない円筒研削盤において、これを実現したのは砥石の位置と各軸(含む主軸割出)の位置を完全に把握して、制御したことです。このように、中核的な精度向上技術とともに、円筒研削盤の応用を拡張させているのが、今日のケレンベルガー社です。
ケレンベルガー社の円筒研削盤は、最新の技術開発の恩恵を受けておりますが、その一方、従来の(伝統的な)やり方を継続しているという側面があります。
たとえば、機械材質は鋳物です。今日、代替素材へのシフトが進んでいますが、ケレンベルガー社は、この「オールド・スクール」な材料へ固執しています。
堅持することが必要と判断したものについては、頑なにそれを引き継いでいるのがケレンベルガー社です。
ケレンベルガー社は企業格付けで権威のある「D&B」の調査で、継続的に最高評価[1]を獲得しています。「老舗企業としての暖簾に頼ることなく、精度の追求と研削応用の拡張に挑戦し、一方、伝統的な機械づくりを堅持していることが競争力の源泉となり、それが財務的な強さに繋がっている企業である」との評価に結びついているのです。
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近年、ジグ研削盤は時代とともにワイヤーEDMやマシニングセンターにその地位を奪われ、中途半端なポジショニングを強いられていました。その位置から決定的に抜け出すことを目標に、新型CNCジグ研削盤”H”シリーズの開発が始まりました。2年の間にプロトタイプが数種類製造され、後の4年で候補の詰めが行われ、Hシリーズは2011年に市場投入されました。
剛性の向上と言っても、熱・振動・曲げ・捩れ・引っ張り等の要因に分解され、それぞれがより重要な箇所はどこかという検証が必要であり、場合によっては材質を使い分ける必要があります。新型Hシリーズは、異なる材質の鋳物をその特性に合わせて使い分けを行っています。例えば、長時間の加工サイクルにおいて時間とともに熱変位による倒れを生じやすいコラム部には熱剛性に勝る材質を、振動の影響を伝えやすいベッドには振動剛性をといったようにジグ研削盤のオペレーションを含めた深い理解が設計開発段階から求めれました。
Hシリーズの最たる変更点は、砥石ヘッド。ジグ研削盤独自のモーションであるZ軸のオシレーションはリニアモーターによる駆動です。これにより従来の60%増しのオシレーションストローク数を得ることが可能となり、面粗さの向上に寄与することとなりました。加えて、Z&C軸の軸受は油圧静圧式となり、回転精度の向上は保証真円度の数値をより向上させることが可能となりました。
加えて、C軸モーターを中心にレイアウトすることで、より理想的なシンメトリー構造に近づけることができます。
Hシリーズは定評ある湿式研削"HI-CUT"を引き続き採用しています。独自開発のオイルによる加工冷却と潤滑による加工効率向上、砥粒の維持による精度確保
は生産性と加工精度のストレッチというHシリーズの要となる技術です。
HI-CUTがもたらす生産性の秘密、それは研削比が群を抜いているということです。砥粒の磨耗量に対し、ワークの除去が何倍か、それが研削比です。グラフは他の水溶性研削液や化学系研削液とHI-CUTとの比較です。他が300から400であるのに対し、HI-CUTは1100と3倍前後の数値です。現に、他の方式と比較したHI-CUTのサイクルタイムは、標準的に30%から25%との報告は多く、この数値と近似していることは偶然ではありません。なお、精密研削の極意は、砥粒をいかに維持できるかに尽きると言われており、この研削比は精度達成への大きな役割を果たしています。
ジグ研削盤の運用で煩わしいのが、回転数毎のモーターの段取変更でした。ハウザーはこの課題を高回転域を持つ高周波モーターの開発でクリアしています。モーターの管理を最小限にし、かつ幅広い回転数を活かしたATCによる自動運転が可能となり、さらにミリングカッターの運用が可能となります。むろん筐体側での剛性が加味されてのミリングの実用化であり、なおかつMSSアコースティックセンサーによる工具交換時の測定技術が絡んでこその成功です。
精密工作機械あれこれ(クマー)
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