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【上杉 隆】

【再掲載】富士山噴火の可能性とその報道(上杉隆)

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今年6月、富士山は世界遺産の暫定リスト入りを果たした。山麓に点在する富士五湖を含めた一帯の登録も検討されている。富士北麓の樹海はすべて溶岩の跡で、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖なども、噴火によって流れ出た溶岩が作り出した火山湖である。

その最東端に位置する山中湖は、風光明媚で、観光客の途絶える冬の美しさは息を呑むほどだ。1980年代末からの約5年間、その自然美に魅せられた筆者は、山中湖村民として湖畔に居を構えていた。

80年代前半まで、富士山は〈死火山〉と呼ばれていた。ところが、筆者が山中湖に住み始めた頃には、こっそりと〈休火山〉に変わっていた。理由は、日本列島にはそもそも〈死火山〉はない、という学術的な見解の変更に伴うものであった。

当時、四輪駆動車を走らせて富士の林道などで遊んでいた筆者は、行政によるそのさりげない変更に疑問を抱いた。

これまで言われていた〈死火山〉であるならば確かに心配はない。だが〈休火山〉となると話は違う。そうなると、いつ噴火するか分からくなる。仮に噴火したとしたら、この一帯はどうなるのだろうか? いまの生活は? 近所の人々は? なにより生命は……?

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