映像監督や俳優として活躍し、「仕込みiPhone」で文化庁メディア芸術祭の受賞歴も持つ森翔太が、読者の夫婦のお宅へおじゃまして、夫婦の普段通りの食事をご馳走になります。リアルに将来や結婚のことを考え始めた32歳に、夫婦の在り方を教えてください……!
今回は、記念すべき第1回ということで特別篇をお届け! 「デイリーポータルZ」でおなじみ、林雄司さん&べつやくれいさん夫婦のお宅におじゃまします!
森翔太の「お宅の夫婦茶碗、お借りします。」
第1回:林雄司&べつやくれい夫婦の、見渡す限り草原ランチ
こんにちは。わたくし、森翔太と申します。
アラーキーと化していく見た目
僕も今年32歳。芸人でいえば、ひな壇に座るような年齢です。
要は、生活とか結婚とか、いろいろ考える時期にインしてきたということです。
そこで今回の連載では、色んなご夫婦生活、ひいては家庭料理を食べさせてもらおう!と!
そして……
なんと第1回目のゲストは、「林雄司さん&べつやくれいさん」ご夫婦!!!!
(夫)林雄司さん
nifty「デイリーポータルZ」の創始者でもあり、「webやぎの目」、「東京トイレマップ」などのweb運営。数々の伝説的なネタ、「死ぬかと思った」や「世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書」など書籍も出版されている。Webマスター。枚挙にいとまがない!
(妻)べつやくれいさん
イラストレーター。「ばかスイーツ」「ばかごはん」「ばか手芸」、他にも書籍多数。デイリーポータルZにもライターとして参加。色んな媒体で見かけるべつやくさんのイラストは多くの人が知っている。枚挙にいとまがない!
訪問
某月某日、曇り空の経堂駅。
ついにこの日がやってきました。
慣れないライター的活動と、これから会う人との緊張で、胃が痛くなる
森「よしいきましょう」
メシ通スタッフ「時間、早すぎましたね」
森「予定時間まで30分くらいありますね」
近所のローソンで時間を潰す大人たち。奥で中学生のように座っておでんを食べるのは、急遽カメラマンをお願いした、デイリーポータルZ兼友達の大北栄人さん
雨も降り出し、特に会話もなく、漠然とした不安から自撮りする
時間になり、イヤホンを押す森
そして玄関の扉を開ける……
森「こんにちは……」
ぬっ
林「いらっしゃい……」
森「うわーーーー!林さんだーーー!!!!!!!!!(どきどき)」
林さん、べつやくさんのご夫婦のリビングへ!
不思議な空間。リビングがオフィスみたいだ。林さんと、べつやくさんのデスクが対面している
べつやく「早速、料理をつくりますね」
森「ありがとうございます! あの、料理中、何か手伝えることありますか? なんでもしますので! ご飯だけ食べにくるなんて厚かましいですからね!」
林「あ、じゃあ、あれやってもらおうかな……」
森「OKです!」
林「まだ何も言ってないですよ。えと、ベランダを掃除してもらおうかなと。だいぶ散らかっかちゃって」
森「え」
掃除しがいのあるベランダがそこにはあった
森「もちろんです! やりますよ! この連載、ご飯を作ってもらっている間は何かご奉仕する、というのがテーマなんです!」
手馴れた手付きに、呆然とする林さん
林「プロだ」
そんな中、ちゃくちゃくと調理が進む。どんな料理が出てくるのか
完全に清掃業者と化していた僕。そうこうしているうちに清掃終了
林「ありがとうございます! 見違えた!」
早速机を置いてみる。目の前は桜の木だ。夏場はよく、ここで作業しているという
お話をしているうちに、なんだか酸素がうすくなってきた。一体なにが……
林「ここ、森さんの後ろがガスの排気口になってるんです。なので……部屋に入りましょう!」
森「どうりで!(笑)」
料理
いよいよ、このときがやってきた!料理を食す時間!
ミスター味っ子の味皇の気分で待つ私。
まだ料理を見ないよう、目をつむる森
森「せーのっ」
森「きゃああああ!」
僕の目の前に広がる草原!
これはサウンドミュージック!
「緑! 緑!」と経堂の中心で僕は叫んでいました。
料理を見たときのイメージ図。僕は草原をかけまわっている

しゃきしゃき水菜。数分間水に浸けることで、食べやすくなっています。かつおぶしを載せてシンプルに
栄養のかたまり。ほうれん草のサラダ。かけるのにおすすめは、シーザーサラダ的なチーズドレッシング
茹でたアスパラガス。季節物。マヨネーズと最高のタッグを組むことで有名
ゴーヤチャンプル。ごま油のいいにおいが食欲を出す。栄養たっぷりゴーヤの登場!
これが本日の林さん、べつやくさんの普段通りの昼食
これ。
これなんです。
みなさん、最近、森に行きましたか? 山に行きましたか? 緑、見てますか?
ネズミ色のアスファルトとビルしか見てないんじゃないですか?
こんな身近なところに緑はあったんですよ。
子供時代にセミとか採った、あの日々を思い出してください!
溢れて出る水分。ブシュッツ! ジュワ~~!!
林「アスパラとかあまり食べないでしょ?」
森「この一週間、コンビニの蕎麦しか食べてないですよ。地面から生えているもの食べないですね」
べつやく「蕎麦も生えているじゃないですか、一応(笑)」
林「アスパラは茹でるだけですからね~」
水菜を食べる。最高にみずみずしい。例えるならば、滝に打たれる髪の長い和服美人だ!
ほうれん草サラダには、林さんおすすめシーザー系ドレッシングを
そしてゴーヤチャンプル! 厚揚げを使うと豆腐が崩れにくい
森「ごま油と豚肉と豆腐を、いい感じに苦いゴーヤが中和している! 個性の強い彼らは喧嘩するわけでもなく、見事に手をとりあっている! よくこの組み合わせに至りましたね!」
林「その組み合わせを考えたのは、沖縄の人ですね」
お酒を飲まないご夫婦
自家製の麦茶で乾杯する一同
森「林さん、お酒を飲まれないんですか? 失礼ながら酒豪のイメージが・・」
林「実はもうほとんど飲まないんですよ。健康診断、コレステロール高いし肝臓は良くないって10年くらい言われてて」
森「そういえばご飯もないですね。食べないんですか?」
べつやく「炭水化物って際限なく食べちゃうじゃないですか。だから家では食べないんです。ご飯を食べるのは外食だけにわりきってますね」
遅刻の極意
森「林さん、遅刻を結構されるとお聞きして。僕も最近多いので悩んでます」
林「遅刻してると、そういう人って思われるから。そういうことにしちゃったらいいんじゃないですかね。『時間通りきた!』って喜んでもらえる。あと、最初の一言大事ですよね。面白いこと言って場を和ますとか。謝りつつ面白いこと言うみたいな」
森「ちなみに、逆に遅刻してきた人っているじゃないですか。そういう人ってどう思われます?」
林「どんどん遅刻してほしいです。皆だらしなくなるといいのになって」
森「ええええ! 僕、クズなところがあって。遅刻してきた人、許せないんです」
べつやく「そこは許しましょうよ(笑)」
森「走って駅行くとか嫌じゃないですか」
べつやく「でも一応見せかけとしては、それまで歩いてても、『あ、そこ曲がったらいるな』っていうところぐらいからは、急いでるふうの体(てい)で行ったり」
林「急いでタクシー乗ったら逆効果で、逆に混んでて遅れるときありますよね。『環七を知らないタクシーに乗りました』っていうときはウケましたね」
森「ぼく、一番ひどいときは、自分の眼鏡を折って、『すみません、転んでメガネの弦が折れちゃって前が見えませんでした』みたいなのやったことあります」
パワースポット
森「僕、最近パワースポットに凝ってるんですよ」
メシ通スタッフ「森さん、遅刻のくだりもそうでしたけど、話題が企画の趣旨と関係ないじゃないですか!」
森「(無視して)パワースポットというのは行けばいいというものではありません!自分の属性と相性のいいところに行かないといけないのです。よかったら調べてあげますよ!」
突然、パワースポットを調べる森
見守るお二人
森「出ました! 林さんは……属性が「地」です! パワースポットは『皇居』『ららぽーと横浜』など!」
リアクションに困る林さん
森「あ! べつやくさんも『地』ですよ! 素晴らしい! ご夫婦で一緒!」
べつやく「私も『ららぽーと横浜』!?」
林「二人でららぽーと行かないと!」
べつやく「じゃあ今度ららぽーと行こっか(笑)」
べつやくさん、ららぽーと横浜にウケる
夫婦生活の秘訣
林「休日はね、散歩がてら下北沢に行ったりとかしますよ。何かを見かけて写真を撮ったりとか。街に沢山あるんですよね、なんか妙なものが。最近すごい割れたパイロンの写真を集めてるんですけど」
割れたパイロン。冷静に考えると、どんな経緯で割れたんだろうと想像してしまう
森「一人より二人の方がいろいろ見つけたりとかしませんか?」
林「俺はあまりないかもけど、ただ、一つのものを二人の視点でみれるのは良いことですよね」
べつやく「私は、取材だなって思って歩いてると凄い周り見るんだけど、そうじゃないときって、うっかりなんか考えちゃうと見てないことが多いですね」
森「あと一人で何かやろうとすると、手間もかかるしモチベーションが結構要るんですよ。でも関わる人がいると、モチベーションをゆだねられるところがあったりしますね」
林「そういう意味では、二人だと余裕は生まれますよね」
御礼
食事をご馳走いただいた御礼に、僕が夫婦の思い出のビデオを撮る、というところまでがこの連載の企画。
話を進めるうちに、林さんが「じゃあ平和的な遊びをしてるところを撮ってください」とのことで、「ルマンド当てゲーム」をすることになった。
※「ルマンド当てゲーム」とは、離れた位置にお互い立って、手に持ってるのがルマンドか木の枝かを当てるゲームだ。林さんがその場で10秒で考案。
文化庁メディア芸術祭で賞を撮った腕をみせるときがきた……!
とかいいながら、久しぶりにカメラを持つ自分。完全にカメラの設定を忘れている
林さんが手に持っているのが、ルマンドか木の枝か、べつやくさんが当てる
ルマンド当てゲームの結果は、こちらの動画で!
林さん、べつやくさん、ありがとうございました……!!!!(混ざらせてもらっちゃった)
ご夫婦がお気に入りのお店
洋食バル ウルトラ
住所:東京都世田谷区経堂1-19-2 松菱ビル 1F
電話番号:03-6413-9326
営業時間:11:00~15:00、18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜日
デリス
住所:東京都世田谷区経堂2-15-15
電話番号:03-3428-5300
営業時間:11:30 ~ 22:00(日・祝日は12:00~22:00)
森翔太に食事を作っていただけるご夫婦を大募集!
森翔太の「お宅の夫婦茶碗、お借りします。」では、読者のみなさまから、森翔太をご自宅に招き、食事を作ってご馳走していただけるご夫婦を大募集しております! メシ通Twitterアカウント(@mesitsu)をフォロー後に、メシ通アカウント宛に「森翔太の企画へ応募したい」とツイートしてください。その後は、メシ通スタッフがDMを送らせていただきます!
自慢の手料理やご自宅がある、森翔太に頼みたい家事や面倒事がある、森翔太に記念ムービーを作ってほしい、などなど、素敵なご夫婦のみなさまからの応募をお待ちしております!
書いた人:森 翔太
映像監督/俳優。1983年生まれ。映画「タクシードライバー」にインスパイアされて制作したガジェット「仕込みiPhone」の動画が、YouTubeにて通算約400万再生、国内外のテレビメディアで取り上げられた。第17回 文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品、Ars Electronica2014入賞。「映像作家100人」(BNN社)などの書籍掲載。サントリー"C.C.Lemon"「仕込み筋肉 3号機」、NISSAN"リーフ"「充電ラブストーリー(エレキングバンド&篠崎愛)」などの監督する。なんにせよ、将来は見えない。公式サイト|Twitter