籾井・NHK会長:ハイヤー問題注意に抵抗 議事録公表
毎日新聞 2015年05月15日 11時16分(最終更新 05月15日 12時21分)
NHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長が私用ハイヤー代の立て替え問題で、NHK経営委員会から注意を受けた4月28日の委員会議事録が15日公表された。籾井会長は「納得できない」「何が問題なのか」と抵抗し続けた様子が記されている。
議事録によると、浜田健一郎委員長(ANA総合研究所会長)が「自身の支払いが終了していないことについて、適宜、注意を喚起し、必要に応じ適切な指示を怠った」と厳重注意を宣告すると、籾井会長は意外そうに「それは私に対する注意か」と発言。3月19日の経営委で、監査委員会の調査報告を了解したことを挙げて「われわれの中では終わっているはず」と述べた。
さらに「(監査報告の)どこに私に責任があると書いてあるのか」と抗弁。浜田委員長は会長の責任を指摘する監査報告の一文を読み上げた上で「NHKは高い公金意識が求められる特殊法人なので(民間会社とは)大きな違いがある」。別の委員も「会長としては結果責任をとらないわけにはいかない」とたしなめたが納得せず、最後は浜田委員長が「厳重注意は委員会の総意。これ以上は議論しない」と打ち切った。
この日の経営委では、2月の民主党総務・内閣部門会議で籾井会長が、怒号が飛び交う議論を展開したことも問題視したが、籾井会長は「NHKを傷つけたとは思っていない」と主張した。【丸山進】