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シュリスペイロフ×前田司郎対談 現実とフィクションの交差点
インタビュー・テキスト:黒田隆憲 撮影:相良博昭(2015/05/14)
何気ない日常や心象風景を描く文学性の高い歌詞と、Dinosaur Jr.やSonic Youthあたりを彷彿させるオルタナティブなサウンドで、着実に支持を集めてきた札幌出身の3人組、シュリスペイロフ。彼らの4年ぶりのフルアルバム『その周辺』が、the pillows・山中さわおの主宰するDELICIOUS LABELからリリースされる。本作に収録された“地球を歩く”の胸の奥がざわざわするようなギターオーケストレーションは、アルバムのハイライトのひとつだが、これは映画『生きてるものはいないのか』(2012年)に感銘を受けたギターボーカルの宮本英一のアイデアで生まれたものだという。その映画の原作である同名戯曲を手がけたのは、劇団「五反田団」の主宰者、前田司郎。俳優や演出家としても活動し、小説『夏の水の半魚人』では『三島由紀夫賞』を受賞するなど、幅広く才能を発揮している。彼もまた、何気ない日常を鮮やかに切り取りながら、人間の普遍的なテーマである「生と死」を見据えた作品を作り続けている作家だ。
今回は、かねてから前田のファンだったという宮本からのラブコールによって、二人の対談が実現。お互いの作品が、どんなところから生まれてくるのか、どのように世界観を構築していくのか、音楽・小説・芝居を通して何を伝えたいのか。共通点や相違点など、大いに語り合ってもらった。
シュリスペイロフ
1999年札幌にて結成。以降5年間「ライブハウスが怖い」という理由でスタジオでの曲作りのみの活動を続ける。2004年に勇気を出しての初ライブ。2005年10月タワーレコード札幌ピヴォ店限定で3曲入りEP『ダイバー』発売。その後、札幌を中心としながら東名阪などへも積極的にイベント参加。2008年3月に1stアルバム『シュリスペイロフ』、2009年5月に2ndアルバム『もぐる。』、2011年5月に自身初となるライブアルバム『シュリスペイロフ LIVE十一』、2011年8月に3rdアルバム『0.7』をリリース!2013年より山中さわお(the pillows)が主宰する「DELICIOUS LABEL」へ移籍。東京に拠点を移し活動を始める。そして2014年5月20日には約4年振りのフルアルバム『その周辺』をリリース、7月にはリリースツアーを開催。
シュリスペイロフ OFFICIAL WEBSITE
前田司郎(まえだ しろう)
1977年東京生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。劇団「五反田団」主宰。1997年、劇団「五反田団」を旗揚げ。2004年『家が遠い』で京都芸術センター舞台芸術賞受賞。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』で小説家デビュー。2007年、小説『グレート生活アドベンチャー』が芥川賞候補となる。2008年、戯曲『生きてるものはいないのか』で岸田國士戯曲賞受賞。2009年、小説『夏の水の半魚人』が三島由紀夫賞受賞。近年はテレビ・映画のシナリオや演出も手がけ、2015年『徒歩7分』が向田邦子賞受賞。
五反田団
人は、何かを積み上げながら生きていると感じてるような気がするけど、実際は生まれてからずっと、死に近づいていってますよね。積み上げているんじゃなくて、削れていってると思うんです。(前田)
―宮本さんが前田さんの作品に出会ったのは、どんなきっかけだったのですか?
宮本:今から10年くらい前、深夜にやっていたテレビドラマ『家が遠い』を見たのがきっかけです。そのときはまだ前田さんのことをよく知らなかったんですけど、「今までのドラマとは違う」と思って、クレジットを控えておいたんですよね。
―『家が遠い』はどんな話だったのでしょう?
前田:中学生が家に帰らずずっとダラダラしてて。そのうちの1人はずっと喋らないっていう。それだけの話が延々1時間半続くんです(笑)。
宮本:あのドラマは、僕が中学生だったときの、なんかダルーい感じがよく出てて。特に印象に残っているのは、パンの袋を使って墓を作るシーンなんですよ。
―パンの袋で、墓?
宮本:はい。それを見たときに、そういえば子どもの頃ってやたら墓を作ってたなと思い出して。蟻が死んだら埋めて棒で墓標を作ったりしましたよね。
前田:そう。あれって何なんでしょうね。
宮本:そういう子どもの頃の日常を思い出させてくれるエピソードを、物語の中にスッと入れているところに惹かれたんです。全体的にはユルい会話が続くんですけど、そういう部分がかっこよく見えたんですよね。
―映画『生きてるものはいないのか』は、前田さんが原作・脚本を手がけられていますよね。何気ない日常から人がいきなりバタバタ死に始めるという、あの不条理なエピソードはどうやって思いついたのですか?
前田:あれは単純に人生を早送りしたんです。今ここにいる僕らも、あと60年もしたらみんな死んでますよね? それをただ1時間半に縮めただけで、不条理なことでもなんでもないんです。人は、何かを積み上げながら生きていると感じてるような気がするけど、実際は生まれてからずっと、死に近づいていってますよね。積み上げているんじゃなくて、削れていってると思うんです。でも、もし人間がそれを実感してしまったら、おそらく生きる気がしなくなるから、「積み上げている」と思っている。
―時間を早送りすることで、それ可視化させたわけですね。
前田:そう。これって実は、普通のドラマでもおこなわれていることなんです。例えば、別れ話のシーンが、1分とか30秒とかで終わることもあるでしょう? でも実際の別れ話は、そんなすぐには終わらない。
―確かに。
前田:同じように、『生きてるものはいないのか』では、7~80年を1時間半に縮めてみたんです。
―宮本さんは、今回のアルバム『その周辺』で、この映画にインスパイアされた曲を書いたんですよね?
宮本:そうなんです。映画のラストシーンを見たときに、心が異様にざわざわしたんですよね。それを“地球を歩く”という曲のエンディングで表現したいなと思って。ミックスダウンに何時間もかけて音を作り上げました。
前田:『生きてるものはいないのか』を撮った石井岳龍監督って、自分でもバンドをやっている人だから、きっと音楽を作るように映像を作っているところがあるのかもしれないですね。宮本さんは、そうやって音楽以外の表現から影響を受けることって多いんですか?
宮本:多いですね。むしろ、音楽以外のものから影響を受ける方が面白いと思ってます。
前田:僕も同じ考えなんですよ。映画とか芝居をたくさん見てシナリオを作るのではなくて、音楽とかダンス、漫画、絵画、写真。本にしても人文書とか、違うジャンルのものから影響を受けることが多いです。
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