安保法案閣議決定:反対市民、列島各地でデモ、集会
毎日新聞 2015年05月14日 23時08分(最終更新 05月14日 23時44分)
戦後70年を経て、日本の安全保障が大きな転換点を迎えた。安全保障関連法制が閣議決定された14日、全国各地でさまざまな声を取材した。
◆官邸前
東京・永田町の首相官邸前では、市民団体などでつくる「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の抗議集会があり、参加した市民ら500人が「憲法9条を壊すな」と訴えた。銀座では法案に抗議する女性たちのデモ行進もあった。
官邸前で声を上げた千葉県柏市の教員、田宮高信さん(45)は「未来の子供たちのためにおかしな法律を残すわけにいかない」。横浜市港北区から駆けつけた主婦の小野洋子さん(66)と三毛ふみのさん(62)は、「無関心な人が多い。一人一人が集まって世論になる。自分たちのことだと想像力を働かせて」と口をそろえた。
札幌市内でも夕方、抗議集会とデモ行進があり、市民ら約300人が「安保法制撤回」のシュプレヒコールを上げた。アルバイト先の同僚らと参加した同市豊平区の専門学校生の女性(19)は「戦争が現実味を帯びてくるようで、怖くなり参加した。身近な人が死ぬ未来にしたくない」。 山形市の市役所前では昼ごろ、市民や市議ら約40人が青空の下、額に汗を浮かべながら約50分、抗議の座り込みをした。参加した山形県平和センターの佐藤克(まさる)副議長は「日本が戦争する国になるかどうかの瀬戸際だ」と声を張り上げた。
昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定を巡り、違憲だとして無効確認などを求める集団訴訟を準備する三重県松阪市の山中光茂(みつしげ)市長(39)は「国民が戦後守ってきた国の方向性を無視している。暴走を止めないと、取り返しがつかなくなる」と危機感を募らせた。【山下俊輔、山中宏之、橋本明】
◆基地周辺
陸上自衛隊大久保駐屯地のある京都府宇治市。30代の元自衛官の男性は、中東のゴラン高原に国連平和維持活動(PKO)で派遣された経験がある。「国民的議論を十分尽くすべきだ」とした上で、「他国軍が攻撃される可能性があるのに助けに行けないのはジレンマだった」と安保関連法案に理解を示す。