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英語教師との面談で教えられた「単語を覚えるより大切なこと」

投稿日: 更新:

こんにちは。TRiPORTライターのSeinaです。
私は現在、シンガポールに住みながら9歳の息子をインターナショナルスクールに通わせています。先日、インターナショナルスクールで、英語の先生と面談を行いました。その面談は日本のやり方とはまるで違い、非常に印象的なものだったのです。

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Photo credit: Seina Morisako「Singapore Esplanade

インターナショナルスクールでの面談


学校での面談というと、日本の小学校ではおそらく「担任」とのみ行うのが一般的だと思います。しかし、息子の通うインターナショナルスクールの場合は、英語の先生との面談も設けられていました。私は「英語補助クラスに通いながら学校に通う息子の英語はどのくらい進歩しているのか」「何か足りていない部分があるかもしれない」などの不安が頭を過り、面談前は恐ろしく緊張していました。

面談には両親が参加するのが基本。今回の面談も英語の先生、補助の先生、生徒の両親(旦那と私)というメンバーで始まりました。もちろん、面談は英語で行われます。英語を聞くことはできても話すことに自信のない私は緊張してしまい、冷房ガンガンの部屋で不自然なくらい脂汗をかいていました。

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通常、日本の小学校での面談だと、先生と保護者の間にある机の上には資料が置かれ、その資料を見ながら話が展開されていくでしょう。「息子さんの成績は...」「息子さんの強化すべきポイントは...」「今後はこのような宿題を出しましょう」 など、「冷静な状況報告」「弱点の明確化」「具体的な改善案」について話すことが多いのではないかと思います。

日本でに住んでいたときに行われていた学校の面談後、私は息子の成績や学校での現状を考えさせられ、いつも落ち込んで帰っていました。今回もきっと終わった後は同じような気分になるのだろうと思いながら、先生が何を言うのかドキドキしていました。しかし、面談は私の予想とは全く違うものになりました。

褒めちぎる先生


先生は目の前にある成績表について話すことはなく、息子を褒め始めたのです。今まで、他人にここまで息子を褒められたことはありませんでした。先生は何度も息子のことを「lovely」と褒めちぎり、あまりに褒めっぷりに私たちは硬直していました。しかし先生たちは、ただ褒めるだけではなかったのです。

先生は私たちと話す中で、息子が興味のあることを熱心にメモしていました。「サッカーはプレミアリーグよりブンデスリーガが好きであること」、「『マジックツリーハウス』などのファンタジーより『グレッグのダメ日記』のような男の子向けの児童小説が好きなこと」など、先生たちの手は止まらず、ものすごいスピードでメモが増えていきました。

そしてさらに、日本で「国語」をどのように勉強していたかを私たちに何度も聞いてきました。そのときに注意されていたことを話すと「英語でも日本語でも一緒ね!」と笑っていました。

英語で楽しみながら学ぶ


2015-05-13-1431492806-1518357-cP1110425640x480.jpeg Photo credit: Seina Morisako「Singapore Esplanade

息子はまだ英語が完璧ではないので、私たちは「英語」の具体的な勉強方法や成績について話すつもりで来たのですが、幼年時期の語学教育はテストの点数と単語を覚えることだけではないということを、その面談を通して先生は私たちに教えてくれました。

「言語というのは単なるツール。まずは使うことを楽しんで! 楽しんで話すことがベースになるの。そのベースを私たちで構築しましょう」

面談の中で何気なく言った先生の言葉が私の胸に刺さりました。

「英語を学ぶ」のではなく「英語で楽しみながら学ぶ」

インターナショナルスクールでは語学の取得スタイルが日本とは全く違っているのです。特にシンガポールという土地は公用語が4ヶ国語(英語・中国語・マレー語・タミル語)なので、語学は発音や文法も大切ですが、まずはコミュニケーションから学ぶということが重視されています。 特に幼年期は「楽しみながら使って覚える」という語学習得スタイルは、とても有効だと実感しています。そして「楽しんで使う機会をどれだけ作れるか」が、周りの大人たちに委ねられているのだと思います。

「みんなと同じである必要はない」 バベルの学校から考えよう

(ライター:Seina Morisako) Photo by: Seina Morisako「Singapore Esplanade

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