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次に大聖人は、三類の強敵の大要を勧持品から引用し、
迫害者の具体的な様相や、迫害内容を明らかにしていきます。
後に妙楽大師は、この「二十行の偈」を三つに分類して、
第一に「俗衆増上慢」、第二に「道門増上慢」、第三に「僣聖増上慢」としました。
「記の八に云く、文に三初に一行は通じて邪人を明す即ち俗衆なり。
次に一行は道門増上慢の者を明す、三に七行は僣聖増上慢の者を明す」(二二四頁)というものです。
勧持品の経文には、
俗衆増上慢は「無智」
道門増上慢は「邪智」
僣聖増上慢は「悪心」
ゆえに迫害を起こすとあります。
これは元品の無明の発動に「無智」「邪智」「悪心」
の三つの段階があることを示していると見ることも可能です。
仏法に「無智」の者は、「邪智」「悪心」の者たちの扇動に乗りやすい。
だから無智の敵対者は、法華経の行者に対して直接、悪口罵詈をします。
また、無明を「邪智」として現す敵対者は、ひとたびは出家して仏道を求めますが、
自身の理解した教えを絶対化し、それのみが正しいという邪智を起こすのです。
特に、万人が成仏できるという法華経は、
自分が信じる仏の絶対性を落すように見えて認めることができない。
そのため、さまざまな形で法華経の意義を低めていこうとします。
そうした出家者たちが、万人成仏の法を正しく弘める法華経の行者に、
強い憎しみを抱くようになるのです。
最後は、無明を「悪心」として発動させる敵対者です。
この悪心は「権力の魔性」に近く、自分の欲望を満たすために
宗教的権威を利用しようとする「大慢心」とも言えます。
経文に、僣聖増上慢は自分の権威を誇って「人間を軽賤する」とありますが、
この心こそ、生命尊厳を説く法華経と対極にある生命です。
ゆえに法華経の行者に対する憎しみは強く、ありもしない過失を捏造し中傷するのです。
そして、無明が深いがゆえに、悪心の者は手段を選ばない魔性の権化と化します。
ゆえに僣聖増上慢は、迫害の元凶になるのです。
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