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これに対して
「答えて云く、汝が疑い大に吉しついでに不審を晴さん」(同頁)
――答えて言う。あなたの疑いは実にもっともである。この機会にその疑いを晴らそう――と。
この疑問に対して大聖人は、これも経文と道理を通して述べられます。
それをまとめると、
①悪口罵詈される。
②杖や木やかわらと石で打たれる。
③もしは殺され、もしは迫害される。
④如来在世でも怨嫉が多い。ましてや滅後においては、なおさら大きな怨嫉をこうむる。
というものです。さらに現証を示して、
①釈尊も提婆達多の投げた石で小指から血を流し、九横の大難に遭われた。
②不軽菩薩は、二十四文字の法華経を弘通して迫害を受けた。
③目連尊者は、成仏の授記を受けた後、外道に殺されている。
④提婆菩薩や師子尊者は法のために人に殺された。
⑤竺の道生は蘇山に流され、法道三蔵は顔に火印を押されて江南に流されている。
⑥外典の者ではあるが、白楽天や道真は遠く流罪されているが、誰もが認める賢人ではないか。
(同頁)というものです。
これらの経文や現証から見て「この人たちは法華経の行者ではないと言うのか」と提示します。
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