|
最後の③は、諸天善神が国を捨て去るということです。
これは「立正安国論」で示された『神天上の法門』の
「世皆正に背き人悉く悪に帰す、故に善神は国を捨てて相去り、
聖人は所を辞して還りたまわず。是れを以て魔来り鬼来り災起り難起る」(一七頁)のところです。
諸天善神がいないために、法華経の行者を守護し、
罰する働きがなくなるので、迫害者に現罰が出ないということです。
以上、三点を見てきましたが、
法華経の行者に襲いかかる受難は、すべて「謗法」という根源悪に関係しています。
なぜかというと、
法華経の行者は「正法」を行じる人で「謗法」を責めるからです。
謗法を責めない人に難は起こりません。
真正の法華経の行者の戦いは、悪を滅していくための「宗教革命」の戦いです。
だから必然的に競い起こってくる迫害によって、苦難を受けざるを得ないのです。
三類の強敵との戦いは、
個人の宿命転換や一生成仏のための戦いだけにとどまるものではなく、
諸天善神の働きを蘇生させ、国土の安穏を図る「立正安国」の戦いとなって現れてくるのです。
この「戦う心」を支える根本ともいうべき原動力が「大誓願」なのです。
大聖人はこのあと、胸奥から脈打つ「広宣流布の大誓願」の師子吼を宣言しました。
これを最後に見ていきたいと思います。
|
|