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随筆 新・人間革命《抜粋》
「今再びの師弟の陣列」 2003年(平成15年)10月7日(火)
大関西に“常勝”と“団結”の大金字塔
「新しき50年」の扉を大きく開け! 創価と広布の未来を頼む
今もって、私の忘れることの出来ない光景がある。
あの異常な宗門事件の嵐のなか、私が第三代会長を退いて迎えた、昭和五十四年の五月三日のことである。
この日は、新世紀へ希望の出発となるべき本部総会であった。
ところが、私の“会長辞任式”となり、学会らしい勢いも歓喜もなく、重い空気に包まれていた。
総会の終了後、退場した私のもとへ、各方面の幹部が駆け寄って来た。
そして、私の来訪を求めて、口々に声をあげた。
私は、それは新しい執行部に言うべきだと、皆を制止した。落胆した顔が辛かった。
しかし今、名誉会長の私が表立って動けば、
学会を壊滅させようと狂奔する坊主どもが、新たな攻撃材料にすることは明白だ。
私の胸には、苦悩と憤怒が渦巻いていた。
“今こそ弟子が立ち上がる時ではないか! 会員を苦しめる邪悪を倒すために、猛然と戦う時ではないか!”
その時だった。関西の最高幹部が言い放った。
「関西は、断じて勝ちます! 永遠に先生は私たちの師匠です。広宣流布の師匠です」
彼の気迫の声に、私は瞬時に反応した。
「そうだ、その心だ! 会長を辞めようが、いかなる立場になろうが、
私は断固として、創価学会即広宣流布のために戦うよ。
だからこそ、今、真剣に戦っている人は、私と直結の創価の英雄だ。
何があろうが、どうなろうが、師弟はどこまでも師弟だ。
関西だけは、断じて、この一点を忘れてはいけない」
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