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【プロ野球】

大田が決勝今季1号 阿部、坂本復帰を祝砲

2015年5月14日 紙面から

巨人−広島 3回裏1死、左越えに先制ソロを放つ大田=東京ドームで(七森祐也撮影)

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◇巨人1−0広島

 巨人が3回に大田の今季初本塁打で挙げた1点を守り抜いた。大竹がテンポの良い投球で三塁を踏ませず7イニング3安打無失点で今季初勝利。その後はマシソン、沢村とつないだ。広島は大瀬良が7イニング1失点と好投したが今季7度目の零敗。

     ◇

 待ちに待った今季初アーチに、走りだした大田の口元が思わず緩む。試合後に報道陣から指摘されると、「ホームランはバッティングの中で一番気持ちが良いので、気持ちが出てしまった。今度から顔を引き締めて回ります」と頭をかいた。

 3回1死で迎えた第2打席だ。大瀬良の投じた2球目、内寄りに入った甘いスライダーを一振りで仕留めた。「打った瞬間いくと思った。会心の当たり」。左翼席に飛び込んだ先制のソロ本塁打は、そのまま試合を決める一打となった。

 込み上げるうれしさを隠しきれない理由があった。4月30日に今季1軍初昇格。以来4番を務めたが、「チームに貢献するバッティングがあまりできていなかった」。10試合で打率3割9分5厘ながら本塁打ゼロ、打点はわずか1。内心、じくじたる思いを抱えていた。

 この日、故障で戦列を離れていた阿部と坂本の1軍復帰に伴い、押し出される形で働き場は切り込み隊長の1番に。「しっかり良いスイングで、後の打者が『よし、やっていけるんだ』と思えるバッティングをしなきゃいけない」。好球必打のスタイルはそのままに、トップバッターとして攻撃の先陣を切り、最高の結果を生んだ。

 「チームが勝ててうれしい」と喜ぶ一方、4番を外された悔しさを忘れてはいない。「まだまだ4番にドシッと座る選手じゃない。もっともっと打って4番で使ってもらえるようにアピールすると同時に、チームが勝てるように貢献していきたい」。主将の坂本や実績ある阿部に堂々の“宣戦布告”。未完の大器と呼ばれ続けた24歳が、本物の4番に座る日を夢見てバットを振り続ける。 (小林孝一郎)

 

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