横綱白鵬(30=宮城野)が、西前頭2枚目の安美錦(36=伊勢ケ浜)の粘りに苦しみながらも、4勝目を挙げた。左右ののど輪で突き放すが、巧みに動く相手にてこずった。土俵際に追い詰めた直後にいなされ、後ろに回り込まれた。送り出される寸前の大ピンチにあわてたように体を回転させると、連動した右手が安美錦を振り払うように動き、相手は前のめりに崩れ落ちた。

 ヒヤヒヤの勝利に「体は動いている感じがしました。まあ、15日間、何が起こるか分からないですし、苦しい体勢でも残せて勝つことは、心掛けていることでもあります」と汗をぬぐった。

 これで千代の富士に並ぶ歴代2位の横綱625勝目。場所後の31日には、元千代の富士の九重親方の還暦土俵入りが行われ、白鵬も太刀持ちを務める予定。その直前場所で記録に並び、あと1勝で超える“縁”には「巡り合わせというのが、あるかもしれないですね。(還暦土俵入りでの太刀持ちは)最初で最後じゃないですか」と話した。