献本御礼・・・ではなく、ウチの取引先の社長さんに「SEOってなんっすか?」って聞かれて上手く説明できなかったので本書を購入しました。
- 作者: 土居健太郎
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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基本的な考え方が整理できて良かったです。もっと速く知りたかった。
SEOは広告ではない
本書の最後の方にチラッと書いてあるのですが、これって大事なんじゃないかなって思いました。
SEOって検索順位を上げることでサイトに来てくれる人を少しでも増やそうということで、要は上位に表示させることを言うんでしょ・・・っていうのは違う、と。もちろん上位に表示できなければ陽の目を浴びることはないんだけども、広告で成果を出すのとSEOで成果を出すのは、アプローチが異なると本書では書かれています。
広告の場合は販促がメインになるし、極端な話をすればリスティング広告を打てばすぐに上位に表示されるようになる。でも、SEOはあくまで検索エンジンの大まかな仕組みを知り、その上で検索する人が役立つコンテンツを作り情報が流通されていく中で上位表示を目指していくものなので、やるべきことが全然違ってくるし、長期的に見ると強いのは・・・? ってことですね。
ホワイトハットSEOとブラックハットSEO
という概念があって、上述したようにコンテンツの質をベースにリンクを介して情報を拡散していくことで検索する人に取って意味のあるコンテンツにするアプローチと、検索エンジンが抱える構造的な不備を利用して価値のあるコンテンツであると見せかけるアプローチがあるそうです。前者がホワイトハット、後者がブラックハット。へー。
ホワイトハットのやり方はとても地味で時間を伴うけど、後者なら上手いことやればすぐに上位表示が可能になる(そういう時期があった)そうです。ブラックハットの代表な手法が自作自演でリンクを貼ってリンクを稼いでいるように見せかけるものですって。でた!SEO業者ってやつだ!
そんな業者ははやく死ねばいいのに・・・と単純に言えない事情があります、と。そういった被リンクのあるサイトに対してペナルティを与えると、リンクを張るサイトが意図的にほかのサイトを順位を落とす(ネガティブSEOと言うそうです)ことになるので、バランスを取らざるを得ない状況になっている、と。
政治的なことがSEOの世界でもあるんですねぇ。
SEO is 地味
すごく地味。ホントに地味。プログラミングもそうだけど。
検索されうるキーワードを吟味して選定を行い、Googleさんがインデックス出来るようにマークアップして、検索してきてくれた人が最大限喜ぶコンテンツを頑張って作って、少しでもシェアしてくれる努力を続ける。参入障壁はゼロ。競合や後発はいくらでも出てくる。この状況で継続的に改善・努力をしていける会社さんは、そうそう多くないと思うわ。
逆に言えば、潜伏期間を耐え忍んで頑張ってきた人たちのみ、SEOの成果が享受できるのかもしれませんね。
検索にガンガンヒットする技術がSEO
・・・そんなことをちょっとでも思った方にこそ、本書を当たってほしい。「10年使えるSEOの基本」という主題の通り、本書は検索エンジンを取り巻く技術が変わっても影響を受けない普遍的なポイントに絞って、真っ当に検索エンジンと付き合う視座を提示してくれています。これを読んだあとには、「よし、SEO対策を行うべくSEO業者に見積をもらおう!」とはならないはずです。そんな死亡フラグを立たせないようにするのも、我々Web技術者の役目の一つだと思います。
Webサイトの保有コストは限りなくフリーに近づいている時代が来ているからこそ、地道にサイトを「経営」していくアプローチをしっかり固めて行きましょう!