京都にきて一ヶ月と少しがたった。
東京の私立に通っていた僕は、高校時代クラスで調子に乗って干されていた影響で都落ちしなければならなかった(と、思い込んでいた)。
東大には50人くらいは受かる高校だから、大学でもまたあいつらがいると考えると、高校生の時の僕は耐えられなかったのだ。
そして京都にきた。
もともと覚悟はしていたが、思った以上に京都は田舎だったし、観光客は多いけれど街自体は寂れていた。
京大生はパッとしない田舎者ばかりで、東京なら真っ先に嘲笑されそうな気持ち悪い大学デビュー君が幅をきかせていた。女の子は不細工ばかりだった。ほんの少しだけ期待していた京都弁を喋る子はゼロで、汚い関西弁ばかりが煩わしく耳に入ってきた。
それでも精一杯大学生活を楽しもうと、あるインカレサークルに入ったのだが、やはり京都の女の子は東京の女の子に比べると、全体的にしみったれた印象だ。
それなりにモテそうな雰囲気を出している子でも、髪の毛は枝毛ばかりで顔は小汚かったりする。こんなレベルの子でもチヤホヤされる環境なのかと思うと、乾いた笑いが沸き起こってしまう。
もちろん、少ないながらもちゃんと可愛い女の子はいる。しかし、絶望的なことに大学の偏差値が低すぎるのだ。京女、同女、ダム女…僕には手に負えないようなレベルしかいない。
女の子は頭がいい方が可愛いのに。京都には早慶レベル以上の大学は京大しかないということは盲点だった。
このド田舎で、頭のカラッポな2軍レベルの容姿の女に必死におべっか使ってケツを追いかける…僕は京大生を心底軽蔑した。
そんなスレた僕も、寂しさと苛立ちから先週なし崩し的にサークルの女の子を落としてしまった。自分を軽蔑しながらも、エッチした後その女の子がとても愛おしく思えた。でもわかっている。これは愛情ではなく、憐憫なのだと。僕は自分にもその子にも憐憫し、やけくそに性を貪っただけなのだ。自分のためにも、その子のためにも付き合うまでは堕ちたくない。
僕を干した高校の時のクラスの権力者たちは2人が東大にいった。僕は負け犬なのだ。東大、そして当たり前のように暮らしていた東京が、とても華やかで手に届かないものに思える。そしてそのコンプレックスは、日に日に強まっていく。
このまま4年間負け戦を続ける事が、僕が高校のときに調子に乗っていた代償だとするなら、神様は少しばかり残酷ではなかろうか。そんな絶望を、僕は馬鹿女と笑顔で会話しながらも胸に秘めている。
そしてコイツが最も哀れなのであった