ロシア出身で西前頭16枚目の阿夢露(あむうる、31=阿武松)が、東前頭14枚目の嘉風(33=尾車)を肩すかしで破った。左を差して、相手の右をバンザイさせ、攻め込まれながらも土俵際で体を開いて白星につなげた。

 「(嘉風を)中に入れないようにした。本当はもっと踏み込んで攻めていかないと」と振り返った。幕内で初日から4連勝は初めて。「体は動いています」と手応えを口にした。

 所属する阿武松部屋は千葉県習志野市にあり、本場所入りはJR総武線で通勤。約35分間も乗車するが、身長191センチ、体重135キロの巨体だけに車内では「気まずいから、あまり座りません」。阿武松親方(元関脇益荒雄)も一目置くきまじめさが特徴の1つだ。

 3月の春場所は、東前頭16枚目で7勝8敗。番付運が良く、今場所は十両に陥落せずに半枚落ちの西前頭16枚目に踏みとどまった。「もう(幕内で)落ちるところはない、勝ち越さないと。あっ、いや、勝ち越しを考えても硬くなる。それを考える前に、1日1日集中して頑張りたいです」と話していた。