(台北 13日 中央社)台北市内の葬儀場に12日、カフェがオープンした。葬儀場内にカフェが設置されたのは、台湾では初めて。店内では同店でしか飲めない特製コーヒーを提供し、悲しみに沈む遺族らの心を優しく温める。
台北市葬儀管理処は、“敬遠したい場所”と考えられている葬儀場を活性化させようと、遺族用の休憩室をカフェに改装。入札によりコーヒーチェーン「S&D」の入居が決まった。
台北市政府民政局の藍世聡局長は、落ち着いた空間で美味しいコーヒーなどを味わい、ひとときの休息を得ることで、遺族らに再出発へ向けてのエネルギーを養ってもらえればと期待を述べた。
同店はその場所柄により、他のカフェと異なる決まりもある。店長の徐さんによると、客が入ってきた際には「いらっしゃいませ」と言わず、スタッフ同士のあいさつでも「さようなら」は使わないという。
葬儀場内のカフェは評判も上々だ。客の荘さんは、素晴らしいアイディアだとその利便性を賞賛した。周さんは、親しい友人がいつもそこにいて、コーヒーに付き合ってくれているようだと笑顔で話した。
(游凱翔/編集:名切千絵)