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油田権益を安定調達に生かせ

2015/5/12付
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 国際石油開発帝石がアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国にある陸上油田の権益5%を取得した。日量160万バレルを生産する世界有数の大型油田で、同8万バレル程度が日本の取り分となる。

 これは日本の原油輸入量の2~3%に相当する。獲得した油田権益を原油の安定調達に生かすことが重要だ。

 対象となる油田は米エクソンモービルや英BPなど、欧米の国際石油資本(メジャー)が生産してきた。75年間の権益期間の終了に伴い、アブダビ政府が企業を選び直す作業を進めている。

 国際石油開発帝石はこの油田の生産に加わる初めてのアジア企業になる。メジャーを相手に権益を獲得できたのは、安倍晋三首相が直接働きかけるなど、政府が前面に出た資源外交の成果でもある。

 ただし、油田権益を確保しただけで、安定調達が約束されるわけではない。日本が海外に持つ自主開発油田の多くは、政治的に不安定な中東に集中する。アブダビでの新たな権益取得により、この傾向はますます強まる。

 油田が混乱に巻き込まれると、日本が本当に必要となる時に、石油が届くかどうかわからない。中東地域の経済・社会の安定に役割を果たしていくことが、安定調達の実現に欠かせない。

 中東産油国は経済成長と人口の増加に伴う雇用の創出や教育の充実、インフラの整備などの課題に直面する。日本に求められるのは原油を買うだけでなく、人材の育成や産業振興など産油国の安定した国づくりへの貢献だ。

 日本の1次エネルギー供給に占める石油の比率は46%に上る。経済産業省がまとめた2030年時点の案では、これより下がるが32%と依然、最大のエネルギー源だ。天然ガスとあわせると5割に達し、そのほとんどを輸入に頼る。

 中東産油国との双方向の関係を深めると同時に、石油の調達先を中東以外に広げたり、石油以外のエネルギーを育てたりする取り組みも怠れない。

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