AdverTimes DAYS 2015

「健康価値を商品化する」~機能性商品のマーケティング+α

2015年05月12日 掲載AdverTimes DAYS 2015

<登壇者>

  • マッキャンヘルスコミュニケーションズ CKO(最高知識責任者) 西根 英一 氏

2015年4月1日より食品の健康機能性表示制度がスタート

マッキャンヘルスコミュニケーションズ CKO(最高知識責任者) 西根 英一 氏

この制度が始まる前は、健康に良い効果をもたらす成分を含む食品でも、その健康機能を表示して販売することはトクホ(特定保健用食品)しかできなかった。しかし、この4月1日から制度が変わり、届け出が承認されれば、商品を販売するときに具体的な健康機能を謳うことができるようになる。

例えば、2014年9月にワールドビジネスサテライトでも紹介された株式会社ヨンキュウの商品「コラーゲン鯛」。コラーゲンを含む飼料を与えて養殖されているため、通常の1.3倍のコラーゲンを含む鯛だ。今までは、この商品をスーパーなどで販売する際、肌への健康機能を表示することができなかったが、機能性表示制度により「肌の美容に良い鯛」(案)として販売することができるようになる。流通・小売の業界にも期待されている制度だ。

トクホはその取得までに平均で2年ほどかかり、人体への臨床試験で有効性と安全性等を実証する必要があり、コストも労力もかかる。しかし、機能性表示制度では、企業の届け出と健康機能を実証する複数の質の高い論文があれば、届け出受理後60日後には販売することができる。

健康・美容ビジネスのマーケティング~エビデンスと商品化

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食品に限らず衣食住のすべてで、健康や美容のビジネスは市場の拡大が見込まれている。重要なのは、健康や美容に良い科学的根拠(エビデンス)。これがないと健康機能をウリにすることはできない。単に「〇〇協会推奨」「△△医師が推薦」というお墨付きだけではエビデンスの質は担保されない。そのエビデンスの再現性と適応性の2つの軸からエビデンスの質を示すことが望まれる。

とはいっても、そのエビデンスに基づいた健康機能だけでは“商品化”はできない。機能的価値(知覚品質)と情緒的価値(感覚品質)のバランスを考え、商品化することが大切だ。とかく健康機能性商品は知覚品質だけで市場に放り出されることが多く、注意が必要だ。機能的価値と情緒的価値があって唯一無二の商品化がかなう。たとえば東京ディズニーランドの機能的価値「遊園地」+情緒的価値「夢と魔法の国」というように。

≫次ページ 「健康・美容ビジネスのマーケティング~ターゲティングと戦略PR」へ続く

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