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 NHKが「過剰な演出」があったと認定した昨年5月放送の「クローズアップ現代」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は8日、放送倫理上の問題があることは間違いないとして、審議の対象にすることを決めた。対象番組は「クローズアップ現代」とそのもとになった関西地区ローカルの報道番組「かんさい熱視線」。

 NHKの調査委員会は先月28日、最終報告を公表し、取材にあたった記者ら15人を処分。総務相は同日、厳重注意の行政指導を出している。この日の検証委では、BPOが審議入りするかどうかを討議中に行政指導に踏み切ったことについて、放送の自律や放送界の第三者機関に対する信頼を危うくするおそれがあると問題視する声があがったという。

 番組は「出家詐欺」の特集。多重債務者に出家をあっせんするブローカーとして登場する男性が、「ブローカーの経験はなく、記者からやらせの指示を受けた」と訴え、先月21日にBPOの放送人権委員会へ審理を申し立てている。これとは別に倫理検証委として審議する。(才本淳子)