トーナメントコースレコード賞のイ・ボミ(左)と腕を組み、優勝杯を手に笑顔の田仁智=茨城GCで(武藤健一撮影)
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◇ワールドレディスサロンパスカップ<最終日>
▽10日、茨城県つくばみらい市・茨城GC(6550ヤード、パー72)▽晴れ、気温24・5度、風速5・4メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽66選手(うちアマ3人)▽観衆1万901人
2日目から首位に立った韓国の20歳、田仁智(チョン・インジ)が、強風の中3バーディー、4ボギーとスコアを落としながらも、2位に4打差で逃げ切り、通算12アンダーで優勝した。日本ツアー初参戦での国内メジャー制覇は史上初。20歳273日での勝利は大会史上最年少記録(昨年の成田美寿々の21歳215日)を更新した。8アンダー2位に上田桃子(28)=かんぽ生命、4アンダー3位にイ・ボミ(韓国)が入った。
涼しげな目元に20歳らしいフレッシュな笑みを浮かべて、田仁智が最終18番グリーンを取り囲むギャラリーに両手を挙げた。「初めて出場の日本ツアー、初めての日本メジャーで優勝できて本当にうれしい。感謝してます」。初日から66、70、67のスーパープレーで、前日までに2位に5打差をつけての最終日スタート。1番でピンそば1メートルにつけるバーディー発進を見せた。その後は2バーディーに4つのボギーも挟む18ホールになったが、他の選手に影を踏ませない独走勝利だった。
取材陣を驚かせたのは優勝会見の途中だ。「きょうは風がいっぱいで…」と、突然流ちょうな日本語で話した。「実は15歳のころ、日本に興味があって10日間だけでしたが日本語のレッスンに通ったことがあるんです」。ひらがな、カタカナはほぼ読めるらしい。
手順を踏んで日本ツアーメンバーとなれば、11日から365日以内に開催のLPGAツアー競技に出場できる。が、「私まだ大学生だし、どうするかは韓国に帰ってから落ち着いて考えます」。愛称はゾウの「ダンボ」だが、ルックスは人気女優・吉田羊似の美女。ツアー登録しなかった場合でも、2018年までの今大会と日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯、今年の日本女子オープン、LPGAツアー選手権リコー杯への出場資格が与えられる。女子ゴルフファンにはまた一人、楽しみな存在が増えたと言えそうだ。 (月橋文美)
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