最終ラウンド、16番でバーディーを決め、キャディーと喜ぶ石川遼。通算8アンダーで8位=TPCソーグラスで(共同)
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◇プレーヤーズ選手権<最終日>
▽10日、米フロリダ州ボンテベドラビーチ、TPCソーグラス(7215ヤード、パー72)▽晴れ、気温28度、弱風▽賞金1000万ドル、優勝180万ドル▽75選手
【ポンテベドラビーチ(米フロリダ州)テッド・ムース】準メジャーの大会で、石川遼(23)=カシオ=が今季自己最高の8位に入った。3打差の11位からスタートし、ピンチを再三切り抜けて2バーディー、1ボギーの71。通算8アンダーに伸ばして終えた。69で回った松山英樹(23)=レクサス=は通算6アンダーで17位。26歳のリッキー・ファウラー(米国)が、通算12アンダーで並んだケビン・キズナー(米国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)とのプレーオフを制し、3季ぶりのツアー通算2勝目を飾った。
米ツアー初優勝はならなかったが、石川にとっては収穫いっぱいの最終日だった。「ショットの感覚は一番よかった」というが、前日までと一変し、左右に曲げて苦しんだ。パー3をのぞく14ホールでフェアウエーをとらえたのは半分の7度。「特に前半は全部ボギーでもおかしくなかった」というほど悪かった。だが、それでも崩れなかったのは、強い気持ちで打つ小技でリカバリーできたからだ。
2番でグリーン奥からの難しい寄せを1メートルにつけてパーをセーブ。3番も寄せがピンを3メートルオーバーしたが、それを沈めた。最大の見せ場は16番パー5の第3打。残り93ヤード、フェアウエーにせり出す木の枝がかかり、グリーンの右は池でピンは右からわずか5ヤード、さらにライはスライスしやすいつま先下がりで左足下がりという、極めて難しい状況。それでも石川は、サンドウエッジで果敢に右の池に向かって打ち出した。
ミスすればそのまま池に落ち、ベスト10入りさえ危なくなる。だが、ボールは急激にフックがかかり、ピン上3・5メートルに止まった。慎重にパッティングも決めてバーディー。15番をボギーにした時点で優勝は遠のいていたが、「あの3打目を逃げて木の下から乗せただけだったら、バーディーはなかった。本能的にバーディーを狙っていたと思う」と振り返った。
もちろん、最後に優勝争いに加われなかったことは悔しい。1組前で回ったファウラーが終盤猛チャージをかける光景を、間近で見た。「優勝できる選手が上がっていく瞬間を見て、すごく刺激になった。リッキーの18番のバーディーパットを見て、鳥肌が立った。あそこに行きたい」という。厳しいコース設定の中で、4日間ともアンダーパーで回った。優勝争いができる潜在能力は見せた。この力を常に発揮できれば、ライバルの松山にも追いつける。
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