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【芸能・社会】八千草薫 インタビュー 映画「ゆずり葉の頃」23日公開2015年5月12日 紙面から
ベテラン女優八千草薫(84)の主演映画「ゆずり葉の頃」(中みね子監督)が23日から東京・岩波ホールで公開される。昔の記憶を支えに生きてきた女性を演じた。共演の仲代達矢(82)との心を揺さぶられるダンスシーンは、八千草の女優人生でも屈指の名場面と注目を集めている。 ◆作品のテーマは「想いを貫く」品格のある演技と初々しさ。八千草の持つたたずまい、呼吸がそのままが作品の骨子となっている。主人公市子役の八千草は、本紙のインタビューにチャーミングなほほ笑みを浮かべて、「監督がね、あなたのテンポで歩いて、それに合わせてカメラも動くからって。映像がとにかくきれい。日本映画の感じがとてもするけど、フランス映画の香りもしますでしょ」と自信作を語った。 中監督の本名は岡本みね子。映画「肉弾」「大誘拐」「ジャズ大名」などの秀作を世に放った岡本喜八監督を支えた夫人で名プロデューサーの旧姓だ。八千草は76歳で監督デビューし、新たな映画人生を歩み出した中監督と企画段階から参加した。 作品のテーマは「想いを貫く」。映画のスタートは中監督との雑談からだった。「私たちの世代の女性を描く映画って少ないし、あっても重いテーマばかり。元気に楽しく生きている人は多いし、明るい映画作りたいわねって。若い時代の思いを封印したままで生きている方も多いと思うの。それは恋かもしれないし、本当にささやかな思い出かもしれないけど、そういう思いを演じるのは幸せでしたね」 八千草と亡夫の谷口千吉監督は、岡本夫妻の仲人。「それ以来のお付き合いだから50年以上。不思議な何かが、この作品をつなぎ合わせてくれた」という同作には、仲代をはじめ風間トオル(52)、岸部一徳(68)、竹下景子(61)ら喜八組の常連も駆けつけた。 初恋の人で失明した高名な画家(仲代)と市子の再会の場面。2人の思いと時間が交錯するダンスシーンは秀逸だ。「あそこは大人のラブシーン。さすがに仲代さん、笑いながら踊るんですが、いろいろな思いがつまっている。抱きしめたりはしないが、あのしぐさは女性にとっては抱かれている感覚。素晴らしいシーンです」と強調した。 84作目にして前作「くじけないで」に続く主演映画。健康の秘訣(ひけつ)は、「愛犬との毎朝の散歩」という八千草は、68年間の女優人生を大好きな山歩きに例えて「その時その時は真剣に向き合うし、大変な仕事だけど、それに徹していない所があるのね、私。過去も先のことも気にしないし一歩一歩歩いて、ここまで来たって最後に思えればいいんじゃないかな。ウフフ」と振り返った。(中村千鶴子) ◆ 23日〜6月19日岩波ホール、6月20日から名古屋・名演小劇場、同27日から福岡・大洋映画劇場ほかで公開後、全国で順次封切られる。 ◆ストーリー 夫の死後、女手ひとつで息子(風間トオル)を育て、老境を迎えた市子(八千草薫)は、画家の高宮(仲代達矢)の個展を見るために、故郷の軽井沢へと旅立つ。幼い日に心を寄せた人が描いてくれた一枚の絵を求めて。旅で出会った人々との交流、そして市子に思いがけない出会いが訪れる。 PR情報
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