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英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【大相撲】逸ノ城、白鵬に恩返し星 5度目の挑戦で初勝利2015年5月11日 紙面から
◇夏場所<初日>(10日・両国国技館) 夏場所は波乱の幕開けとなった。小結逸ノ城(22)=湊=が、過去4戦全敗だった横綱白鵬(30)=宮城野=を突き落としで破り、念願の初白星。2度目の7連覇を目指す白鵬が初日に黒星を喫するのは、2012年夏場所以来3年ぶりとなった。横綱日馬富士は小結栃煌山を上手投げで下し、大関陣はいずれも白星発進。稀勢の里は宝富士を寄り切り、琴奨菊は栃ノ心を下手投げで、豪栄道は豊ノ島を寄り切りで退けた。左膝のけがで先場所を途中休場した遠藤は勢に突き落とされた。 5度目の挑戦で念願の白鵬戦初白星だ。1度目の立ち合いでつっかけた逸ノ城が2度目で立つと、つんのめった横綱を右腕で押さえ付けるようにタイミングよく突き落とす。座布団の舞う館内を見て喜びをかみしめた。 「いやー、うれしいっすね」。花道を引き揚げると、付け人を見つけて満面の笑みを浮かべる。小さくガッツポーズもつくってみせた。しっかりと恩を返した。場所前の横綱審議委員会による稽古総見、時津風部屋への出稽古で2度、白鵬にかわいがられた。しかも稽古総見では7000人の観衆の前で泥まみれ。「いつも(気合は)入ってますよ」と冗談ぽく振る舞ったが、取組前はいつも以上に気合をみなぎらせた表情で土俵に向かった。 手にした懸賞金は今までと違って封筒の固まりが2つもあった。48本で手取り144万円の臨時収入もゲットした逸ノ城は、どうするか聞かれると「貯金です」と話した。一方、師匠の湊親方(元幕内湊富士)は自己最高を更新した体重207キロの弟子に「懸賞金いっぱいもらうからまた甘い物食べるんだよ」と笑い飛ばしながらも「何、おごってもらおうかな」とご機嫌だった。 この日は母の日。朝稽古後には贈り物を聞かれ、「相撲を頑張るしかない」と話していた。モンゴルでは母・ボロルトヤさんがテレビで見てくれているという。最強横綱からの白星が最高のプレゼントになった。 ただ、満足はしていない。「前に出て勝てていないので全然。思い切り当たっていこうと思ったけど中途半端だった」と逸ノ城は反省も忘れなかった。そんな真面目な心があれば、初夏の東京に久々の逸ノ城旋風が吹き荒れるかもしれない。 (永井響太) PR情報
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