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原田曜平氏が語るZIP!人気コーナー「アレナニ?」の舞台裏

日刊ゲンダイ 5月12日(火)9時26分配信

 朝の情報番組「ZIP!」(日本テレビ系)のコーナー「アレナニ?」が話題を呼んでいる。特に毎週金曜日は、若者のトレンドを紹介し、その背景を分析。若者の消費行動が新たなビジネスチャンスにつながるとして企業からも注目を集めている。金曜日の「アレナニ?」を担当する博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー・原田曜平氏に、イマドキの若者の生態と番組の舞台裏を聞いた。

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 長年にわたり若者の流行についてリサーチを重ね、「さとり世代」や「マイルドヤンキー」などの流行語を生み出してきた原田氏。「ZIP!」には昨年4月から金曜レギュラーとして出演している。

「金曜日の『アレナニ?』は、多くのビジネスマンに注目していただく一方で、OAが6時10分ごろからということもあり、毎週見られない人もいる。そこで、番組で紹介した情報の中から特に評判の良かったものをまとめ、このほど『間接自慢する若者たち』と題して書籍化したんです」

 本書には、オジサン世代からは見えにくい若者の新たなトレンドが数多く紹介されている。たとえば、タイトルにもなっている“間接自慢”。若者にとって、食べた物や訪れた場所などを写真に撮り、日常的にSNSにアップするのはもはや常識だが、ここにも若者たちの“流儀”があるとか。

「彼らは『ウザイ』とか『痛々しい』と思われたくない心理から、直接的な自慢をすることを嫌う。そのため、『本当に自慢したいもの』は画像の中心ではなく、さりげなく映り込むようにして“間接自慢”をするのがはやっているんです」

■放送後に企業から問い合わせが殺到

 若者特有の傾向は味覚の変化にも見られる。「とりあえずビール」や「コーヒーはブラックに限る」というオジサン世代の常識は、もはや彼らには通用しないらしい。

「今の若者には、苦味や酸味が苦手で、甘いものが好きな人が増えている。そのような若者のことを、永遠の少年・ピーターパンのような舌を持つという意味で『ピータータン』と命名し、コーナーで取り上げたところ、反響がありました。『飲食店で“ピータータンメニュー”を作りたい』『若者の嗜好に合ったビールをつくりたい』など、企業からの問い合わせが来たほどです」

 ネタ探しは、原田氏が中心となり、若者研究所のメンバーである学生たちと共に行っている。毎週、放送後に行われる会議では、少なくとも10個、多い時では100個のネタを提出。翌週のネタが決まり次第、番組スタッフが取材に入り、原田氏が最終的な原稿を確認するのは木曜の深夜だ。

「生放送は本当に大変。最初のころはカンペを読む目が泳いでしまったり、時間内に話し終えられなかったり……。共にコーナーを担当している小熊美香アナからアドバイスを受け、練習を重ねて、半年ほど経ったころからようやく慣れてきました」

 その経験は業務でのプレゼンや講演にも大いに役立っており、今では「プレゼン研修をやってほしい」という依頼を受けるまでになった。

「今後は、若者トレンドを中心としながら、主婦や子供にも関連する経済情報も届けていきたい。ただ、悲しいかな3歳になるうちの娘は僕よりも枡太一アナに興味津々なんですよ。だから、娘を振り向かせることが当面の目標ですね(笑い)」

最終更新:5月12日(火)11時19分

日刊ゲンダイ