《講義内容》
「アジア解放」をスローガンにして戦ったアジア太平洋戦争、日本はこの戦争をどのように国民に宣伝したのか。東南アジア解放をテーマにしたアニメ「桃太郎 海の神兵」(松竹動画研究所制作・海軍省後援、 1945年封切)と 朝鮮の志願兵制度をテーマにした「銃後の朝鮮」(朝鮮総督府制作、1937年)「朝鮮時報」(朝鮮映画制作株式会社制作、1943年)をとりあげ、一部、鑑賞しながら戦争と宣伝をとりあげる。戦後、このような植民地主義がどのように論議されたのか。東京裁判での審理とその問題もとりあげながら、現在に続く問題を考える。
《講師プロフィール》
内海愛子(うつみ・あいこ/大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授)
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員教授。1970年代からインドネシアを中心に東南アジアを歩く。そのなかで日本の戦争と戦争裁判やプロパガンダの問題などを取りあげて調査した。1980年代には「エビ研究会」の一員として東南アジアの海辺を歩いていた。『マンゴーのみのる村から――東南アジアのなかのニッポン』現代書館、『戦後補償から考える日本とアジア』山川出版社、『日本軍の捕虜政策』青木書店、『キムはなぜ裁かれたのか――朝鮮人BC級戦犯の軌跡』朝日新聞出版など著書多数。 |