原発事故備え:村民へのヨウ素剤事前配布開始 北海道泊村

毎日新聞 2015年05月12日 09時07分(最終更新 05月12日 10時03分)

職員から説明を受け、安定ヨウ素材を受け取る村民ら=北海道泊村で2015年5月11日
職員から説明を受け、安定ヨウ素材を受け取る村民ら=北海道泊村で2015年5月11日

 北海道電力泊原発(北海道泊村)の過酷事故に備え、道と村は11日、国の原子力災害対策指針に基づき、甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤の事前配布を始めた。

 同村は2〜3月に計6回、安定ヨウ素剤の服用方法などについての説明会を開き、対象となる3歳以上の村民約1700人のうち、これまで約3分の2に当たる1096人が配布の前提となる医師らの問診を受けた。

 この日の配布会は堀株(ほりかっぷ)地区の集会所であり、対象は103人。村職員は13歳以上に2錠、3〜12歳には1錠を手渡した。受け取った錠剤をかばんにしまった無職、会津セツさん(83)は「いつも飲んでいる薬とは別に保管します」と話した。

 村では15日までの5日間、計7カ所で配布する。19日には、まだ問診を受けていない住民らを対象に説明・配布会を開く。

 安定ヨウ素剤の配布は原発から5キロ圏内が対象で、共和町の一部も含まれるが、同町は事故発生時、全町民をバスで避難させる計画で、誤飲を防止するため事後に配布する。北電は泊原発1〜3号機の再稼働を目指しており、現在、原子力規制委員会の審査を受けている。【三沢邦彦】

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