柚希礼音「明日から女性なんて信じられない」16年間の男役生活に別れ

2015年5月11日6時0分  スポーツ報知

 宝塚歌劇団星組の男役トップスター・柚希礼音の退団公演「黒豹の如く」「Dear DIAMOND!」が10日、東京・日比谷の東京宝塚劇場で千秋楽を迎えた。近年では異例となる6年13日の長期間のトップ歴を誇った、宝塚のトップ・オブ・トップ。劇場前には過去最多となる1万2000人のファンがお見送りし、レジェンドと呼ばれた柚希にふさわしい晴れやかな門出で、16年間の男役生活に別れを告げた。

 涙はなかった。「最後にこみ上げてくる思いは、皆様と共に歩いた感謝と『最高に幸せだったな』という気持ちです」。退団会見を終え午後8時ごろに劇場から出てきた柚希に大勢のファンから「愛と夢と希望をありがとうございました。ちえちゃん(柚希の愛称)、大好きです。本当におつかれさまでした」とシュプレヒコールが飛ぶ。宝塚をこよなく愛し、そして愛されたトップは、照れくさそうに手を振った。

 この日同時退団した娘役トップスター・夢咲ねねと共に、異例の6年13日の長期トップ歴を誇った。2000年以降では、6年55日の和央ようかに次ぐ数字。100周年を迎えた宝塚をリードしたまさにトップ・オブ・トップだった。

 サヨナラショーでは09年のお披露目公演「太王四神記」からの道のりをさかのぼる形で聴かせた。自らが作詞し、家族への感謝の思いを込めた「ちえちゃん」も披露。ショーを終えると紋付き袴姿であいさつし「柚希礼音の宝塚人生は、みなさまのおかげで最高のダイヤモンドタイム、ダイヤモンドロードとなりました」と、退団公演名にちなんでりりしく語った。

 終演後、5回のカーテンコールでも拍手は鳴りやまず、緞帳(どんちょう)の前に2回登場。多くのファンが別れを惜しんだ。退団会見では今後についても語り「明日から女性なんて信じられない。何を着ていいやら…」と苦笑い。結婚の予定について問われると「ちっともない。ないんです」と照れた。

 劇場前には、過去最多となる1万2000人のファンが詰めかけた。通常のサヨナラ公演より、警備を増員する異例の態勢。まさに「レジェンド」と呼ばれるにふさわしい門出だった。「本当にすごいですね。いつまでも自分のことじゃないような感じ。『レジェンド』と言われてたこともあるんだぞ、と糧にして生きていきます」とおちゃめに話した。

 ◆柚希 礼音(ゆずき・れおん)6月11日、大阪府大阪市出身。四天王寺学園出身。1999年4月「ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台。生え抜きで2009年4月に星組トップスター就任。昨年11月、宝塚では16年ぶり2人目の日本武道館公演を行った。ダイナミックなダンスを得意とする。172センチ。好物は炭水化物。愛称は「ちえ」。

宝塚歌劇
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