橋下市長インタ「大阪都構想」反対派情報全てうそ
大阪市を廃止して5つの特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が17日に迫った。スポーツ報知は、都構想実現に政治生命をかける大阪維新の会代表・橋下徹大阪市長(45)にインタビュー。育ててくれた大阪への感謝が原動力だと明かした。
―住民投票が近づいてきた。手応えは。
「分かりません。しかし、何十年にわたって誰も解決できなかった府市の対立の歴史に、住民の皆さんに決着をつけてもらうところまできた。政治家として一定の役割は果たせたかと」
―他党は全て反対。
「反対派は『政令市だから潤沢なお金があってサービスができる』と言うが、政令市だからできるのではなく、要はお金。各特別区は皆さんにしっかりと住民サービスが提供できるだけのお金が確保されるので大丈夫。『税金が上がる、国民保険料が上がる、運転免許証の書き換え手続きが必要』といった反対派の情報は全てうそ。住民の判断をゆがめる」
―なぜみんなが寄ってたかって反対するのか。
「今の市役所の体制で利益を得ている人が何十万といる。自分たちの存在を脅かす外敵が現れると、それまで争っていた間柄でもひとまず休戦して団結。戦時中の大政翼賛会や中国の国共合作など全てそう。今回は自民党と共産党が手を組んだ。大阪都構想が、いかに強烈な改革かということ」
―出身は東京。なぜ大阪にこだわるのか。
「僕みたいな人間は東京なら爪はじき。やっていることが本気かどうかで評価してくれる大阪だから、ここまでやってこられた。お返ししないと」
―家族のためなら弁護士の方が稼げるはず。
「知事になるまで自分の好きに生きてきたので、公の仕事もしないとすっきり棺おけに入れない。いい物を食べさせ、いい服を買ってやるより、魅力ある大阪を渡す。それも子どものため」
―反対多数なら政治家を辞めるとの考えは。
「変わらない。野球の投手が速い球を投げる、打者が打球を遠くに飛ばす能力と一緒で、有権者の考えをくみ取るのが政治家の最も基本的な能力。5年間もやって反対多数なら、くみ取れていないということ。政治家失格」
―国政にも仕事はある。
「否決なら資質がないということ。運転能力がない者がハンドルを握っちゃいけない」
―諦め切れるのか。
「最後は民意で決めるのが民主主義。民間人、弁護士に戻って自分の人生を過ごします」
―逆に賛成多数なら12月の市長選に続投出馬。
「特別区を作らなきゃいけないので。その責任は果たします」
―未来の大阪は?
「東京に並ぶ日本の2つのエンジンの一つにしたい。そして世界と勝負できる大阪。子どもたちが魅力を感じ、誇れる大阪にしたい。もう一つは、少子高齢化時代を乗り切るために税金を無駄遣いしない大阪。今の大阪市にはお金がないので、守っても未来はひらけない。東京も今から72年前に東京府と東京市が一つになって東京都になった。都構想は今の大阪よりも確実に前に進む。大阪を一つにするラストチャンス。みんなで力を合わせて大阪を前に進めたい」(聞き手・中村 卓)
◆大阪都構想 大阪市とともに24行政区を廃止し、北区、東区、中央区、南区、湾岸区の5つの特別区を設置。財源、財産を府の管轄下に置き、府市の二重行政の解消を目指す。東京都と23区の関係をモデルに、府が広域事業、特別区が身近な福祉・教育などの住民サービスを担う。移行は2017年4月1日。今回の住民投票で投票権があるのは市内の約215万人で過去最多。