FRB、14年に米国債デフォルトに備えた緊急対策を計画 

2015年 05月 12日 10:04 JST
 
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[ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が、米国のデフォルト(債務不履行)に備え、返済繰り延べや投資家への資金貸し出しなどの緊急対応策を計画していたことが、ロイターの入手した書簡で明らかになった。

米下院金融サービス委員会のジェブ・ヘンサーリング委員長(共和)が2014年6月にルー財務長官に宛てた書簡では、そうした対策をまとめたFRBの文書を同議員のスタッフが検討したとしている。

文書には、米国債投資家への支払いが遅れた場合に市場の混乱を最小限にとどめるため、ニューヨーク連銀がまとめた計画が記されていたという。

FRBの文書では、デフォルトとなった債券の新たな返済日を設定、国債担保オペの通常どおりの実行のほか、「補てん支払い」を提案。また、財務省は履行する債務を選択することができ、債券投資家への返済を優先することが可能となるとしていた。

ニューヨーク連銀はコメントを控えた。

米国は2011年と13年に連邦債務の上限引き上げ問題をめぐる政治的な対立からデフォルトの危機に直面した。現在の債務上限は18兆1000億ドル。

議会調査当局の試算によると、議会とホワイトハウスが債務上限引き上げで合意しなければ、政府は10月までに債務返済が困難な状況に陥る可能性がある。

またヘンサーリング委員長は11日、債務上限に達した場合の緊急対応策について、財務省とニューヨーク連銀に書簡を求めた。

*内容を追加しました。


 
 
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 5月11日、米FRBが米国の債務不履行に備え、返済繰り延べや投資家への資金貸し出しなどの緊急対応策を設けていることが、ロイターの入手した書簡で明らかになった。写真はワシントンのFRB本部。昨年10月撮影(2015年 ロイター/GARY CAMERON)

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