不信に満ちた米議会の追及がとどまるところを知らず、自動車メーカーからの発注を失い続けているタカタ。
このエアバッグ世界シェア2位の会社が先週金曜日(8日)に発表した2015年3月期連結決算は、最終損益が同社史上最悪の赤字(295億円の赤字)になった。膨らみ続けたリコール(回収・無償修理)が響いたためで、年間の配当はこれまでの30円から0円と無配に転落する始末だ。
エアバッグの経年劣化は深刻な問題
が、エアバッグ問題は、我々が考えていたよりもはるかに深刻らしい。というのは、様々な調査の結果、問題はタカタ製のエアバッグにとどまらないという事実が浮上してきたからだ。
すべてのエアバッグは、いざというときクッションのように膨らむように、火薬を使っている。水分、湿気に弱い火薬は経年劣化と無縁ではなく、製造から時間が経つとタカタ製で起きたような異常爆発や不作動のリスクが付き纏うというのである。
かつてのリコール隠し騒動の後遺症だろう。米国に限らず日本でも、行政は自動車のトラブルというと、「リコールの徹底」を究極の解決策ととらえがちだ。
しかし、エアバッグは、一度限りのリコールでは対応として不十分。経年劣化がリコール後も繰り返される以上、エアバッグの主要部品の定期交換ルール作りが必要だろう。
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