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【栃木】

戦後70年 「平和」考えよう 宇都宮 ピースバス16日に開催

戦争の痕跡が残る清原地区を案内する佐藤事務局長=2014年12月10日、宇都宮市で

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 宇都宮市内に残る戦跡を訪ねるツアー「ピースバス」が、今年も十六日に開かれる。四月に「宇都宮平和祈念館をつくる会」から改組した市民団体「ピースうつのみや」が主催。大学や高校、スポーツ施設なども多い市東部の清原地区に足を延ばし、戦時にあった旧陸軍飛行場などの軍事施設と現代の姿を対比させながら、戦後七十年と平和の尊さについて思いを巡らす。(後藤慎一)

 かつて「軍都」とも呼ばれ、多くの軍事関連施設が置かれた宇都宮市。一九八七年から年に一〜二回催されるピースバスでは、年ごとに見学先の重点地区を決めて訪れてきた。佐藤信明事務局長は、今回の狙いを「多くの学生が学ぶ場所で、七十年前には少年兵らを育てていた。そのコントラスト(対照)を分かってもらえれば」と語る。

 午前九時半に宇都宮市役所を出発。飛行機を待機させていた「掩体(えんたい)格納庫」、市中心部からつながっていた鉄道の線路や駅舎跡、プラットホーム跡を訪れる。徒歩でも一帯を探索し、陸軍の飛行機を修理した「航空廠(しょう)」の浴場跡や弾薬庫跡も回る予定だ。

 バスの車内では、各施設や宇都宮空襲に関するガイドもある。市中心部に戻り、八幡山に残る地下司令部跡や、空襲で被災したカトリック松が峰教会などを見た後、焼け残った門柱の前で黙とうする。

 「宇都宮平和祈念館をつくる会」の時代から続けられてきたピースバスは、今回で三十一回目。ガイドを務める佐藤事務局長は「今や産業と教育の中心地となっている場所で戦争の痕跡を見て、戦争と平和を考え、何が今起きているかを考えてもらえれば」と参加を呼び掛ける。

 先着四十人。資料代として五百円が必要。申し込みは、十二日までに佐藤事務局長=電028(621)8778=へ。

 

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