報道特集【安保法制▽歴史家からの警告】 2015.05.02


こちらはロンドン中心部にありますセント・メアリー病院前です。
キャサリン妃が出産の準備のために入院をしました。
午前6時、今から3時間半ほど前のことです。
ウィリアム王子と一緒に車でこの中に入ったそうです。
それ以降、こちらの方に世界中のメディアが集まっていて、この中はいっぱいになっています。
そしてロイヤルファンの方たち、こちらの方で24時間態勢、何日も待っていました。
間もなく生まれることを待ち望んでいます。
キャサリン妃の出産予定日をめぐっては、4月の後半とだけ公式に伝えられていてその後もなかなか入院の知らせがなかったものですから、こちらの報道では、まだかまだかとか、こうすれば早く生まれる方法があるとか、キャサリン妃にとっては余計なお世話な報道が続いていました。
私、2年前にもこちらの病院にジョージ王子誕生のときにいたんですが、そのときと、ちょっと違うのは、こちらの方に自動小銃を持った武装警官の姿が見られたことだったんです。
イスラム国など周辺の事情が厳しくなっているということなんでしょうか。
そして2年前、入院してから10時間半でジョージ王子が誕生しました。
そして翌日には、あちらのドアからウィリアム王子と3人一緒に出てきています。
生まれてくる子どもは王位継承順位4位です。
男女関係なく4位となっています。
女の子ならば、久しぶりのプリンセスの誕生だということでイギリスは期待を持って待ち望んでいます。
世界から続々と支援の手が差し伸べられています。
しかし受け入れ体制が十分整っていないとの声が上がっています。
後ほど現地からお伝えします。
GWも中盤を迎えています。
休日を故郷や行楽地で過ごす人々で各交通機関は午前中から混雑しました。
こちらは神奈川県の東名高速・大井松田ICの現在の様子。
日本道路交通情報センターによると…今日は東名高速の下り線、伊勢原バス停付近を戦闘に最長で37kmの渋滞が発生した。
明日の夕方にかけてもUターンによる混雑が発生すると見られている。
一方、東京駅も朝早くから帰省客などで混み合った。
JR東海によると、東海道新幹線は今日が下りの混雑のピークで午後4時半現在、東京駅発の自由席の乗車率は、始発の「のぞみ1号」が160%となったのを初め多くの列車で100%を超えた。
また3月に金沢−長野が延伸開業した北陸新幹線は午前中の東京−金沢の「はくたか551号」と「はくたか555号」で自由席の乗車率が110%となった。
そして成田空港も今日が出国のピークでおよそ4万7000人が海外へ出かける。
この連休中、成田空港だけでおよそ45万人が出国すると見られているが、成田空港会社によると、ハワイやグアム、台湾の人気が比較的高く入国のピークは今月6日だとのこと。
昨夜、秋田県湯沢市で住宅が全焼し7人が死亡した火事で、火は風呂場と台所がある住宅1階の西側から激しく上がっていたことがわかった。
この火事は、昨夜、秋田県湯沢市の伊藤由蔵さん78歳の住まいなどおよそ180平方メートルが全焼し、焼け跡から7人が遺体で見つかったもの。
近所の人によると火は風呂場と台所がある住宅1階の西側から激しく上がっていたとのこと。
住まいには伊藤さんと妻のトミさん80歳、そして長男夫婦と長男夫婦の娘で6歳、5歳、3歳の3人の女の子の合わせて7人が住んでいて全員と連絡がとれていない。
警察と消防は今日午前、実況見分を行ったが、燃え方が激しく、出火原因はまだわかっていない。
ネパールで大地震が起きて今日で1週間。
支援や物資は世界中から届いているが、行き渡らない状況が続いていて、被災者の不満もたまってきている。
揺れる電線、慌てて路上に集まる人々。
その後、画面右側にある記念碑が崩れ落ちる。
ちょうど1週間前、ネパールを襲ったマグニチュード7.8の大地震。
その発生の瞬間の映像。
現地警察当局は2日、ネパール国内での犠牲者が6624人に達したと発表。
周辺国を含めればおよそ6700人の死亡が確認されている。
カトマンズ郊外のサーク村です。
地震発生から1週間がたちましたがこちらの村では壊れた家屋がそのままの状態となっています。
今にも崩れ落ちそうな建物が1週間たっても手つかずのまま残されているサーク村。
首都の北東およそわずか20kmの距離だが、地震が起きてから4日もの間支援物資が届くことはなかった。
3日前、ようやく食料が届いたが、量はわずかで、配り方にも不満の声が上がっている。
この村に限らず、ネパールの地方都市ではいまだ全く救援の手の届いていない場所が数多く残されているほか、被害の全容すらわかっていない地区もある。
政府が被災者が不満を爆発させる前に対応を改善できるかどうかが焦点となる。
避難生活の長期化が懸念される中、自衛隊も医療支援を本格化させている。
首都カトマンズから中継。
カトマンズ市内の中心部にある避難所です。
私の後ろのあちらのテントでは、つい先ほどまで自衛隊の医療チームによる支援活動が行われていました。
避難所では過酷なテント暮らしで体調を崩す人が増えています。
しかし、病院はどこも受け入れる余裕はありません。
幼い娘を連れてきた女性は、症状が重くない限り病院では診てもらえない、地震後初めて、医師に診てもらいホッとしたと話していました。
また山間部だけでなく町の中心部ですら十分な支援物資が届かない状況に、被災者は政府への不満を募らせています。
国際支援が本格化する一方で政府が十分対応し切れていない印象を強く受けます。
適切な支援を一刻も早く行き渡らせることが今後の課題です。
皆様のご協力をお願いいたします。
アメリカを公式訪問していた安倍総理は間もなく帰国の途につきます。
今回の訪米は狙いどおりのものとなったのか、同行した記者の報告。
最後の訪問地、ロサンゼルスでのスピーチで笑いをとった安倍総理。
日本の総理としては初めての議会演説では日米同盟を希望の同盟と呼ぼうと訴えて大きな拍手を受けたが、総理自身にとっては長期政権を目指して今後の自らのあるべき姿を確認する訪米だったようにも思える。
ハーバード大学でのスピーチでは、重圧に屈することなく気高さを貫いたケネディ元大統領のリーダーシップをたたえて、私もそうありたいと語り、オバマ大統領との共同会見では日本がアメリカとともに世界に貢献していく決意を語った。
安倍総理は今回の訪米で自信を深め、自分の信じる道を突き進む覚悟をさらに強めた感があり、帰国後の国会で本格化する安全保障法制の審議でも強気の姿勢で臨むことになりそうです。
ショッピングセンターから炎と黒煙が立ち上った。
今日午後2時過ぎ、岐阜県多治見市のショッピングセンターから火が出た。
およそ5000平方メートルの建物から黒煙が立ち上り、まだ鎮火はしていない。
当時、店には買い物客と従業員、およそ100人がいたが、ケガはなかった。
ガスボンベが爆発した可能性もあるということで「特集」です。
安倍総理は今週、アメリカの連邦議会で演説し今年夏までに安保関連法案を成立させると明言しました。
地球規模での協力を確認した新たな日米防衛協力のガイドラインと安保法制で想定される事態は何か、検証しました。
動画の世界を地上に再現するというコンセプトで先週末に開催されたビッグイベント、ニコニコ超会議2015。
2日間で15万人以上が集まったこのイベントでは、ネットカルチャーを楽しむ若者向けに企業や団体などが様々なブースを設置。
そんな中、ひときわ注目を浴びていたブースがあった。
陸・海・空、3つの自衛隊ブース。
出展は今年で4回目。
航空自衛隊のブースでは、地対空ミサイル、ペトリオットを展示。
海上自衛隊のブースには、イージス艦の射撃演習など本物さながらの臨場感が味わえる体験型アトラクションもある。
これを一目見ようと大勢の若者たちが列をつくった。
本当に船に乗ってるような感じでよかったです。
中でも特に女性に人気だったのが、これ。
本物の制服やヘルメットを身につけて写真が撮れる自衛隊のコスプレ記念撮影。
その一方で、今週、自衛隊のあり方を大きく変える動きが進んでいた。
アメリカ連邦議会で演説した安倍総理は集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制の関連法案を夏までに成立させると明言した。
この前日、オバマ大統領も首脳会談の後にこう述べていた。
今週、日本とアメリカの外務防衛担当の閣僚による会談、いわゆる2+2が行われ、自衛隊とアメリカ軍との協力のあり方を定めたガイドラインを18年ぶりに改訂することで合意した。
新ガイドラインには日本以外の国が武力攻撃を受けた場合でも反撃できる集団的自衛権の行使に当たっての協力、中国を念頭に置いた島しょ防衛での協力、機雷の掃海活動などが盛り込まれている。
自衛隊がアメリカ軍の後方支援を行う範囲はこれまでは極東に限定され、中東やインド洋などは想定されていなかった。
しかし、今回の新ガイドラインではこうした地理的制限が取り払われ、日米協力の範囲が地球規模に拡大する。
日本の国会でまだ審議をしていない実は自衛隊は、既に海外に拠点を置いている。
目的は海賊対策だが、海外任務の拡大を見越した動きという見方もある。
日本から1万キロ離れたアフリカ東部の小国、ジブチ。
真夏には気温50度を超える。
イスラム武装勢力が支配を強めるソマリアと国境を接する。
この地で2009年から日本の海上自衛隊の2つの護衛艦がアデン湾を航行する商戦を海賊から守るために活動している。
商船の前後左右を守り、航行するだけでなくヘリやP3C哨戒機で不審船をいち早く見つける任務を負っている。
アメリカ、フランス、イギリスなど世界各国と連携。
海賊対処法に基づき、外国の商船を守るためであっても相手が海賊であれば武器の使用基準は大幅に緩和されている。
そのため、装備も特別。
海賊の対処ということで、ここ特別に防弾ガラスがついています、二重です。
灼熱の中、およそ4カ月交代の任務船の上での生活は過酷。
隊員にプライベートルームはない。
艦内には護衛した商船からの感謝のメッセージが貼られていた。
そして狭いスペースには先輩たちが代々残していったものもある。
こちら「ソ連崩壊が迫る」と、時代を感じさせる本がまだ残っています。
「沈黙の艦隊」やっぱり必須の漫画が置かれてます。
この地域の海賊対策は、成果を上げている。
ソマリア沖の対処件数は4年前の年間237件から去年は、11件にまで減った。
そうした中、今年、多国籍部隊の司令官を初めて日本が担うなど、自衛隊の存在感は増している。
範囲を広げる、広げないというの、私たちの判断できるものではありませんので、与えられた権限、与えられた兵力といいますか、隻数を持って最大限のことをやると。
こうした海賊対処活動を支える陸上での拠点がここ。
この中では防弾チョッキにライフルを持った重装備で警備が行われています。
4年前、日本は47億円をかけジブチに自衛隊の拠点をつくった。
12haの敷地に、飛行機3機分の駐機場、また、司令部庁舎や格納庫だけではなく、隊員の居住スペースに体育館、ジムも完備している。
まさに基地のような本格施設は、海外では当然、初めて。
今年1月、この地を訪れた中谷防衛大臣はこの拠点をテコに、中東やアフリカへの自衛隊活動を広げることに意欲を見せた。
日本はできる能力を持ってるんですね。
そういう能力を持ちながらやれなかった、またやれないというのでは、非常に国としても残念な面があろうかと思います。
では、安保法制の関連法案が成立した場合、自衛隊の活動でどのような事態が想定されるのか。
オスプレイが海上自衛隊の護衛艦「ひゅうが」に着艦した。
自衛隊とアメリカ軍の急速な一体化を象徴する出来事だった。
しかし、一体化に向けた政治の動きはこれをはるかに上回るスピードで進んでいた。
安倍総理がこだわり続ける中東・ホルムズ海峡での機雷の掃海。
日本の存立が危ぶまれる事態に陥ったと判断される場合は集団的自衛権を行使して紛争中でもの可能になる。
日本の石油の9割近くがホルムズ海峡を通過して輸入されている。
生命線と言われるシーレーン。
機雷は1個で大型艦船でも沈没させる威力がある。
製造コストが低いために、費用対効果が非常に高い兵器とされる。
それ以上に相手に与える精神的な脅威ははかり知れない。
91年、湾岸戦争終了後、ペルシャ湾の機雷除去のために海上自衛隊の掃海艇部隊が派遣された。
これが自衛隊発足後初の海外派遣だった。
政府は、非戦闘地域への派遣としたしかし、ペルシャ湾はまさに戦闘状態だった。
掃海艇1隻、乗組員40人の犠牲を想定し、密かに人数分の棺の木材が積み込まれていた。
我々は国際貢献で行くんじゃないんだと。
これはみんな、隊員はそう思って行っている。
これは91年、JNNが初めて取材した建造中の掃海鑑の映像。
機雷は磁気や振動、音に反応して爆発するためすべて木造。
当時、建造責任者は専守防衛の自衛隊が海外で活動することを全く想定していなかった。
また、派遣直前には政府首脳が日本には木造の掃海艇しかないのかと発言したために現場の政治への不信がさらに高まった。
東シナ海を監視するP3C対潜哨戒機。
日本のシーレーン周辺は中国の海洋進出や尖閣諸島問題で緊張が高まっている。
現在、アメリカが具体的に日本に要求しているのは機雷の掃海と中国の潜水艦の監視。
自衛隊は発足以来、専守防衛を掲げて活動してきた。
しかし、現場の指揮官からは厳しい国際情勢や軍事技術の高度化で、専守防衛はもはや通用しなくなったと指摘する声もある。
現場はそんなこと言っておれないですよ。
佐世保基地を見下ろす高台に、太平洋戦争で乗組員とともに海底に沈んだままの旧日本海軍の艦船の墓碑が並んでいる。
自衛隊の活動範囲が際限なく広がることになる今回の安保法制。
出港する艦船を犠牲者たちはこの場所からどのような思いで見送るのだろうか。
なぜ今、アメリカと安全保障面の協力を拡大する必要があるのか。
元外交官の宮家邦彦氏。
日米安保保障条約課長も務めた。
中国の台頭など国際情勢の大きな変化を指摘する。
欧州の陸地でやっていること、ロシアが。
それからアジアの海上で中国がやっていること、これは本質的に同じことです。
宮家氏は今後のアメリカとの協力関係についてNATOを例に挙げる。
日本がやろうとしているのは、NATO諸国と同じように成熟した民主主義国家として、そしてアメリカの同盟国として、通常やることをやりましょうと。
日本の国益から考えて、そしてやりたくないものは、やらなきゃいい。
やるべきものはやらなきゃいかん。
協力拡大に伴い、自衛隊はアメリカ軍など他国に対し、弾薬の補給を後方支援することになる。
そこに懸念を示すのは、新潟県加茂市長の小池清彦氏。
かつて防衛研究所の所長や旧防衛庁で教育訓練局長を務めた。
戦闘用の機材、食料、弾薬、それが後方ですから。
古来の戦争を見れば、全部後方をたたくわけですから。
日本の自衛隊、めちゃくちゃやられちまいますよ。
日本の自衛隊員の血をアメリカに捧げる、中東とか、そういうところの熾烈な戦場に発足以来、自衛隊は戦死者を出していない。
海外で人を殺してもいない。
そのあり方が変わっていく可能性もある。
可能性としてはね。
彼らは命をかけてでも国民の生命と財産を守るということを自分の仕事として選んで、そして、実際に命をかけて仕事をしている人たちだと思います。
これはもう完全に巻き込みます。
自衛隊が投入されるのは、ゲリラ戦の戦場ですからね、主として。
相手がどこにいるか全くわからないわけですから、市民の中に紛れ込んでるわけですから。
今回はこの安保法制の大きな転換点でもあるわけですよね。
多くの国民がその内容を全容を知ることができていないままでこのような短期間の議論で行われるというのは、ちょっと早過ぎはしないかと思ってしまいましたが?早過ぎるということもそうですけど、順番というんですか、手続の問題で国会に提出されてもいない安保法制法案を前提にして専守防衛というのは自衛隊の基本理念ですけどそれを葬るような、重大な取り決めをしてきたこと。
じゃ、国会って何のためにあるんだ国会は国権の最高機関ですからこれから何を議論しても、もう既に決まってしまっているじゃないかみたいなね。
それは国会軽視以前に憲法軽視というか、それから三権分立の理念に関わる問題だと私は思うんですけどね。
私は安全保障の専門家である2人に話を聞いたんですけれども憲法9条に対する意見の違いは本当に変わっていて、例えば、加茂市長の小池さんですけれども9条があったから日本はこれまで戦争に巻き込まれなかったという考え、一方で宮家さんの方は外交努力など、環境に恵まれたんだから巻き込まれなかったんだと、9条はあまり関係ないという立場なんです。
中国の海洋進出など日本を取り巻く安全保障の環境というのは変わっているのは僕は確かだと思いますし、それに対する備えも必要なのかなと感じるんですけれども、同時に新しいガイドラインや安保法制というのは自衛隊のあり方、これはもちろん、その先には憲法のあり方、これも問うものであることを忘れてはならないと思います。
次です、今年は戦後70年。
日本の近現代史研究の分野でアメリカでも屈指の歴史家、ジョン・ダワー氏にインタビューしました。
70年前、戦後の焼け跡から奇跡的な復興を遂げた日本はその後の歴史の歩みを経て、今後どこに向かおうとしているのか。
歴史認識、戦争責任、憲法、沖縄、半世紀以上にわたって日本を見つめ続けてきた歴史家からの警告です。
ジョン・ダワー氏、76歳。
マサチューセッツ工科大学名誉教授。
日本の近現代史研究の第一人者。
1999年に出版された「敗北を抱きしめて」において、敗戦にうちひしがれた日本で民主主義が生き生きと根づいていく過程を記述しピューリッツァー賞を受賞した。
2年後には、日本でも翻訳が出版された。
この種のかたい内容の本としては異例に版を重ね、これまでに上下巻合わせて24万部が出版され、ロングセラーとなっている。
あなたとここに座ってこうしてお話しをしている2015年の今日、話題の1つは戦後70周年という節目についてです。
かつて第二次世界大戦がありました。
でも実はもう1つの戦争があります。
今年はベトナム戦争にアメリカが本格介入してから50周年の節目を迎える年でもあるのです。
ですから、第二次大戦70周年とベトナム戦争介入50周年の2つの節目の年なんです。
私が興味を感じるのは、アメリカ国内では政府、特に国防総省ペンタゴンがベトナム戦争を追悼する数々のイベントを準備していることです。
実際、私は危機感を抱いているのですが、彼らは戦争を美化しようとしています。
歴史の1ページとしてとらえるのではなく、愛国的な記憶として考えているのです。
アメリカでも、既に物議を醸しています。
政府は、戦争には意味があったとしています。
崇高なアメリカ人が大義を掲げて戦い、命を落としたというのが彼らの解釈です。
しかし、悲惨な戦争でした。
今日の日本についても同じことが言えると思います。
日本も70年前を振り返り、第二次大戦について考える機会ですが、当時の記憶とどう向き合うのかが難しいのです。
日本でも、保守派は戦争を美化しようとしていますがそれはアメリカの保守派がベトナム戦争を美化しようとするのと同じです。
彼ら日本の保守派は、勇敢な日本兵が自らの命を犠牲にして国を守ったと言うでしょう。
それこそが靖国神社が物議を醸す理由です。
私には、ベトナム戦争の記念碑と靖国神社が重なって見えます。
戦争で亡くなったアメリカ兵の名前が刻まれている記念碑を見ると、心を打たれます。
あなたはご覧になったことがありますか?とても美しい記念碑です。
すべてのアメリカ兵の名前があります。
しかしながら、そこには亡くなったベトナム人、カンボジア人、ラオス人の名前は一切書かれていません。
彼らはアメリカの空爆で亡くなっているのに。
ですから私たちは戦争をもっと広い視野で見つめ直さなければなりません。
それが真の意味での追悼です。
政治家たち、保守派もそうした視野がないのです。
けれども私たち、ジャーナリスト、教師、一般市民は広い視野で戦争を振り返るべきです。
私が一番興味深い戦争記念碑と思っているのは、沖縄にあるものです。
大田元沖縄県知事のすばらしい発想からできたものですが沖縄の戦没者慰霊碑は、実に興味深いものです。
彼らは、戦争の意味をとてもよく理解しています。
沖縄の慰霊碑には、日本兵だけでなく亡くなったすべての犠牲者の名前が記されています。
その中には、アメリカ兵の名前も記されています。
アメリカ人、沖縄の市民、中国人、韓国・朝鮮人など、すべての人々の名前が記されています。
戦争の記憶をより広い意味でとらえています。
靖国神社に祭られているのは、天皇のために命を捧げた人たちです。
英霊という言葉が使われていますが、英語では、英霊は亡くなった英雄のことです。
彼らはある意味で国のために亡くなった崇高な人々と見られています。
アメリカでは、国のために亡くなった人はすべて英雄と呼ばれています。
つまりアメリカでも日本と同じ概念で英雄という言葉が使われているのです。
つい最近、アメリカであるリベラルなコメンテーターが戦いに携わったアメリカ人すべてが英雄ではないと発言しました。
彼ら全員が英雄ではありません。
日本人が言うところの戦争責任について考えましょう。
ジャーナリストからはいつもそれについて質問されるのですが。
ドイツは、戦時中に行った残虐な行為は決して忘れてはいけない、そうした残虐な行為は二度と繰り返さないと言います。
またドイツでは、国民がその態度を尊重しています。
しかし、日本ではそうしたことがとても困難を伴っているのです。
実際、これまで日本では、戦争中に行ったこと、他の国で行ったことに対して多くの人が謝罪したり、反省の念を表明しています。
私は現在の天皇陛下の発言に、大変感銘を受けました。
前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。
天皇陛下は戦争と平和について本当に真剣に考えておられると思います。
ですから、日本においても真摯な発言はあったのです。
しかし、現在の日本政府、とりわけ自民党を見ていると全く異なる印象を受けます。
戦後70年となった今、何が起きているのかを考えるために20年前の当時の村山総理の談話を思い起こしてください。
あれは戦後50年の節目の年の談話でした。
村山総理は、強烈な印象を残す談話を発表しました。
戦争だけではなく、植民地支配に関する謝罪も行いました。
10年前の戦後60年のときには、当時の小泉総理が談話を発表しました。
小泉総理の談話は、本質的には村山談話を踏襲したものでした。
数年前にさかのぼって1990年代には慰安婦に関する河野談話が発表されました。
ですから日本政府も、戦争に対する反省を示す非常に強い発言を残してきてはいるのです。
ただ時間がかかりすぎた印象はありますが、そうした発言はあったのです。
しかし、日本がそうした発言をしてきても著名な政治家や、特に今は安倍総理自身がそうした発言を後退させてしまうのです。
世界はそれを見て、日本には誠意がないと思ってしまう。
今ではドイツと全く異なるイメージを持たれてしまっている。
メルケル首相は、戦争で犯した罪は決して忘れてはならないと明言しています。
しかし、日本の一部の指導者たちはそんな出来事はなかったなどと、様々な形で何度も繰り返しています。
南京虐殺で相手国の発言を認めなかったり慰安婦についても、まずは検討してからだなどと発言しています。
ですから、公式レベルでの日本のイメージは村山総理以降、重要な談話があったにもかかわらず保守派や新たな国家主義者らによって、日本ではそうした談話が後退させられてしまっているのです。
実に残念なことです。
私は沖縄の方々が、草の根運動を通じて自らの声を届けようとしている姿勢に心から敬意を表したいと思います。
沖縄の人々は、あの戦争を忘れることはできない。
沖縄に軍事基地は要らないと訴え、戦い続けています。
私は基地についての彼らの訴えを心から尊重しています。
沖縄はこれまで日本政府の犠牲になってきました。
同時にアメリカの犠牲にもなってきました。
沖縄は、ほかの日本のどこよりもつらい思いを強いられてきました。
沖縄は歴史上、3回犠牲になってきました。
1つ目は、沖縄戦です。
戦争が終わると、アメリカ軍が駐留し太平洋の主要拠点として利用しました。
日本の占領は、日本がサンフランシスコ講和条約に調印して1952年に終了しましたが、その条文で沖縄は講和条約には含まれない、沖縄に主権はないとされていたのです。
ですから、1952年から72年までは沖縄はアメリカの植民地、あるいは、新種の植民地でした。
1972年に沖縄が日本の領土に復帰したこともグロテスクな米軍基地はそのままでした。
終戦以来、日本政府とアメリカ政府は沖縄に対して行ってきたこと、それは1945年、終戦の記憶の一部として私たちは、決して忘れてはいけないことです。
なぜなら、沖縄にとっての本当の悲劇は1945年、終戦の年から始まったのです。
70年間、搾取されてきました。
沖縄の人々が戦争の恐ろしさについて語るとき、そして戦争の悲惨な歴史について語るとき、彼らは今も、当時のことを非常に鮮明に話します。
私たちは、彼らの話に真摯に耳を傾けるべきです。
日本の保守派が日本を普通の国にしたいと言うとき、彼らの言う普通の国とは、憲法を改正することで自ら軍隊を持ち、自ら武器を保有し戦闘に参加できる国を意味しています。
今日の世界で普通の国とは、一体どのような国なのかと私は自問しています。
アメリカは、普通の国でしょうか?保守派が主張している目標は、日本が普通の国となって海外で軍事行動を展開する際に、アメリカとより緊密に協力できるようにすることなのです。
1人のアメリカ人として、今日のアメリカを見たとき、とりわけ、9月11日の同時多発テロ事件以降はよく使われる言葉なのですが、我々は英語で安全保障国家になったと言うんです。
この国は、どうかしています。
日本を普通の国にという言葉を耳にするたびに、彼らはアメリカをモデルに話しているのだと思いますが、それは安全保障国家、監視国家を意味しています。
より秘密主義で透明性が乏しい国家を意味しているのです。
また核兵器近代化のビジネスへと向かう国家を意味し、さらにアメリカ支援を意味しているのです。
1945年から今日に至る70年間のアメリカの軍事政策を見るとひどい大失敗でした。
その1つが、ベトナム戦争です。
ベトナム戦争は本当にひどい戦争で、行う必要のない戦争でした。
それから9月11日の同時多発テロ事件への対応。
テロとの戦いの名のもと、イラクへの軍事介入を行い、それらがさらなるテロを引き起こしました。
イスラム国なる国家を名乗る集団もアメリカの行動から生まれたものです。
普通の国は、将来何をもたらすのでしょうか。
ドローン=無人機による戦争です。
日本の保守派は大歓迎するかもしれませんね。
テクノロジーは日本の得意分野ですから強い味方になれると、標的だけを正確に攻撃することができるのだと、これなら我々も戦いに参加できると。
けれども、ドローンによる戦争を行えばテロリストの数はさらに増えるでしょう。
普通の国とは、今日、精度が高い戦争を意味するのです。
ドローンやハイテクを駆使した戦争です。
私には日本の保守派のこんな姿が目に浮かびます。
この流れに加わるんだと。
安倍総理がそれについて言及すると、どんな武器なら製造や輸出ができるのかといった議論が起きています。
狂った状況ですよ。
しかし、その狂った状況は、アメリカが発信源なのです。
私は、日本がそうした意味での普通の国になることを望んではいません。
なぜならば、日本は様々な意味ですばらしい国だからです。
日本には、戦争を経験したことで学んだことを戦争の教訓を、スポークスマンとして広く発信してほしいのです。
日本の方々が憲法を変えたいならば、それもできるでしょう。
憲法9条だけでなく前文も変えることができるでしょう。
けれども、そこに書かれている理念は、大変にすばらしい理想です。
私は多くの日本人が、その理想を共有していると思いますし、アメリカがとっくの昔に忘れ去ってしまった、尊いものです。
日本人の多くが、それらの憲法の理想を共有しています。
それを書き換えたいというのなら、それもいいでしょうが。
憲法こそが、さきの第二次世界大戦から得た財産です。
日本の財産であり、日本の財産になったのです。
私は50年以上にわたって日本を見つめてきました。
日本は、すばらしい国だと思います日本は本当にすばらしい国で、誇るべきものを数多く持っています。
伝統文化も、その1つです。
今は経済問題を抱えていても、すばらしい国です。
日本を訪問し、そこで暮らす人々や彼らの暮らしについて触れると、とても心地よいものがありますし、魅力を感じることも数多くあります。
日本は終戦当時の感情を今日まで大切に受け継いでおり、私はその姿勢に敬意を表したいと思っています。
戦争は、本当に悲惨な出来事でした終戦のとき、私たちはその悲惨さを痛切に感じました。
私たちはそれぞれがほかの国に対してひどい行いをしました。
あのような戦争は二度と繰り返してはなりません。
私は、日本でごく普通の人々が書き残した文献や主張について研究したことがあるのですが、私がいた1960年代や70年代には市民運動が日本各地で起きていました。
公害反対運動やアメリカのベトナム戦争に反対する市民運動などが起きていました。
さらには核兵器反対運動なども盛んでした。
私はそうした運動には敬意を払います。
日本がベトナム戦争に直接引き込まれなかったことも、とてもよかったと思います。
ただ私たちの世代が持っていた理想は今は、なくなってしまいました。
日本には行き過ぎた愛国主義者たちが存在しているので戦争が日本にもたらした結果や日本人がアジアで行ってきたことに真摯に向き合えなかったのです。
そしていまだに真摯に向き合えていないのです。
私たちはあれはひどい戦争だったという声にもう一度、耳を傾けるべきです。
かつての日本にあった理想や希望が、今ではなくなってきたのではと感じることがあります。
そのことをとても悲しく、むなしく感じます。
日本には、アメリカのミニチュア版になってほしくありません。
ダワー教授のインタビュー、3月10日で2時間ぐらいだったので今日はごく一部をお見せしたんですけれども。
見ていて感じたことですが、自分も含めてなんですが、比較的若い世代というのは自分たちの祖母や祖父の世代のリアルな戦争体験について丁寧に聞かないままでいる人が多いと思うんです。
そこにきちんと向き合わないでいると、ややもすれば戦争の美化につながってしまう可能性もあるんじゃないかと思いますが、ダワー氏があれはひどい戦争だったという声にもう一度耳を傾けるべきとおっしゃっていましたがこの言葉は本当に重いと思います。
私はダワーさんの「敗北を抱きしめて」。
大分前に読んだんですけれども、非常に感銘を受けました。
というのは、敗戦に打ちひしがれた日本人の姿だけじゃなくてとにかく抑圧から解放された大衆のパワーとか生命力とか、とにかく闇市から風俗まで欲望がうごめく様をかしだしていて本当に目からウロコが落ちた思いをしたんですね。
ダワーさんの主張の中にはもちろん異論を持つ人もいるでしょうがこれだけ長い期間にわたって、日本に対して愛情を持って見つめてきた人の言葉ですからやっぱり僕は素直に耳を傾けたいなと感じました。
前半の特集で、加茂市長の小池清彦さんが言っていた、日本の自衛隊員が血をアメリカのためにささげるなと、人身御供にするのは間違いだと言っていたんですが、ダワーさんが一番最後に日本はリトルアメリカ、アメリカのミニチュア版みたいになるなという、ある種、アメリカにすり寄るな、一体化するなってことを言っていたでしょう。
あれが非常に響き合っているような気がしたんですけどね。
戦後70年で日本は戦争をしないという誓いから出発した国なんですが、それが戦争できる国へとどんどん変質してしまっているのではないかと。
前半の特集であったニコニコ超会議の自衛隊ブースに行く若者たちにそういう声が届くかどうかわかりませんですけれども、戦争が始まったときはそういう彼らが一番最初に戦場に駆り出されるんだということですね。
安倍総理は、歴史認識については歴代の総理と変わらないと言ってましたですね。
キャデラック・マッチプレー選手権3日目。
松山選手、今日も後半にギアが入りました。
ここまで2連勝、勝てば決勝トーナメントが決まる松山英樹は3アップで迎えた13番のティーショット。
後半に入ってアイアンがよくなったとピンそば2.5mにつけ、バーディーを奪う。
さらに続く14番のセカンドショットは…1.5mにピタリ。
4ホールを残して試合を決めた松山。
決勝トーナメント1回戦で世界ナンバーワンのロリー・マキロイに挑む。
一方、国内では42歳、片山晋呉が快進撃を見せた。
注目は、今シーズンから使う新型のパター。
日本にまだ2本しかないという、とっておきの武器で次々とパットを決めていく。
距離を残した8番でもきっちりと沈め、前半だけで4バーディー。
片山はトータル7アンダーでトップタイ。
明日、中日クラウンズ3度目の優勝を目指す。
明日開幕する世界リレー。
8位以内に入れば、リオデジャネイロオリンピックの出場が決まる重要な大会を前に各チーム、試合会場で練習を行ったサブトラックで調整したウサイン・ボルト。
世界リレー、そして8月の世界陸上に向け既に気合い十分。
Jリーグは、首位・浦和レッズと2位・ガンバ大阪の直接対決。
スコアレスで迎えた後半39分。
左サイドからのクロスに、最後はズラタン。
レッズが先制する。
対するガンバも6試合連続ゴール中の宇佐美。
しかし、決めることができない。
1点を守り切ったレッズ、7連勝で首位キープ。
サッカーなでしこリーグ。
W杯6大会連続出場の澤を初め7人の代表を擁するINAC神戸。
1点を追う後半15分、日本代表の近賀、31歳のバースデーゴールで神戸が同点に追いつく。
その後、澤もミドルシュートを放つなど代表勢を中心とした攻撃で逆転した神戸、開幕6連勝。
シンクロ日本復活へ。
井村ジャパンが演技初披露。
井村ヘッドコーチが掲げたのは、原点回帰。
徹底した体力トレーニングと基礎練習を繰り返してきた。
まずは最大の見せ場、冒頭のリフト高さで魅了する。
チームテクニカルルーティンのテーマはシンクロ日本復活を願い、弥栄日本和太鼓が鳴り響く日本調の曲に乗って息の合った演技を披露する。
3年前のロンドンオリンピックでは、7大会連続で獲得してきたメダルを逃してしまった。
メダル奪還へ、かつて日本の武器だった技術力を生かした演技構成で王国復活を目指す。
大型連休、ゆっくり音楽などを楽しむという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は今日は忌野清志郎さんの命日に当たります。
もしかするとTBSで一番RCサクセションの名曲、「雨上がりの夜空に」を歌ったのは僕かもしれないです。
学生時代に芝居をやっていて気合い入れるために毎日のように歌った。
清志郎さんが今生きてたら怒りでもう怒って爆発してるんじゃないかと思うね。
2015/05/02(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【安保法制▽歴史家からの警告】

▽自衛隊が地球規模で米軍支援!安保法制で問われているもの▽戦後70年の日本 歴史家からの警告

詳細情報
番組内容
【安保法制で問われているもの】
自衛隊が地球規模で米軍を支援するガイドラインの改訂で日米両政府は今週、合意した。国会で最大の焦点となる安保法制だが、どういうものなのか、何が問われているのか。【歴史家ジョン ダワーの警告】
アメリカにおける日本近現代史研究の第一人者ジョン ダワー氏を金平キャスターが取材。戦後70年の日本の今後は・・。歴史認識、沖縄、戦争責任など、様々な観点から考える。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/houtoku/
公式ページ2
◇twitter
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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