桂文珍の演芸図鑑「すず風にゃん子・金魚、橘家文左衛門、三浦雄一郎」 2015.05.03


おはようございます。
桂文珍でございます。
会社も新人の方が最初のうちは研修を受けたりなさいましてね何か聞きますとホチキスで書類を留める時でもあれですね横文字の時には左上の方をガチャンと留めて縦の文章のあるものは右の上を留めるとかそんな決まりがあるんやそうで不思議ですな。
まあそれの方が見やすいという事なんでしょうか。
だけどこのごろは皆こうめくりながら横でパソコンやってるようなキーボードたたいてるようなそんな時代になってるんですけどあのホチキスだけはね〜。
出来たと思った途端に逆さまにとじてたりね1枚だけとかいう時外すの大変やみたいな事がございますですな。
そんな事は必ずやるもんでございますがさて今日の出演者でございますな。
すず風にゃん子・金魚さん。
はいもうこちらはね頭派手でございますから。
もうご覧になれば「あ!」ってすぐにお分かりでございます。
橘家文左衛門さん。
こちらはちょいとこわもてでございますがお話の方はかわいく仕上がっているのでございます。
はいどうぞ。

(拍手)ようこそいらっしゃいました。
にゃん子・金魚と申します。
温かい拍手ありがとうございます。
お待たせ致しました。
はいはい。
レディー・ガガです!誰が?ちょっとごめんなさいねずうずうしくて。
世界の歌姫名乗ってどうすんの?いいじゃないのよ。
確かにあの人って衣装もメークもめちゃくちゃ奇抜ですけどこんなのは頭に載っけないでしょう?ばかでしょう。
今年はひつじ年でございますのでメリーさんの羊作ってみました。
今年はこれでいくよ。
頭に載っける事ないじゃないのよ。
いいじゃないよ。
これに命懸けてんだから。
漫才に命懸けようよ。
職人じゃないんだから。
じゃあうちのにゃん子さんも見てって下さい。
あらそうですか?ニューハーフでございます。
(拍手)ちょっとやめてやめて。
ほら〜。
女です女。
私ねせっかくこうやって女として生まれたから女の幸せっていうの?まあはっきり言っちゃうと結婚したいなって最近つくづく思う。
だから結婚してさかわいい赤ちゃん授かっちゃったとしてあとはマイホームも欲しい。
ねえ金魚ちゃんさどういううちに住みたいっていう希望ない?あるけどそんな事皆さんの前で言う事じゃないもんね。
聞きたいもん。
教えて言ってどんなうちに住みたい?ベルサイユ宮殿。
アハハハハハハ…。
えっあのフランスの?ウイ〜。
あの「ベルばら」?ウイウイ…。
オスカルとかアンドレ出てくるやつだよね?ボンジュール。
意外!だって全然イメージに合わないもん。
メルシーメルシーメルシー。
あのねボンジュールとかウイウイ言ってるから多分フランス人の誰かをやってるんだと思うんだけどどう見てもゴリラにしか見えないんだけど。
色が黒いからさ全身毛が生えてんのかなって思うじゃん。
あんた何やってんの?やらなくたっていいから。
立ってるだけでゴリラに似てるんだからそんな一生懸命まねしなくたっていいの!話聞いてる?ちょっと前通らないでよ!人がしゃべってるのに失礼だね。
ちょっと〜。
いやいや手なんかたたかなくていいの。
調子に乗るだけだから。
わあ体柔らかいね。
へえ〜とても年金もらってる年とは思えないわ。
うっすら汗かいてやる事じゃないでしょう?こら金魚ちゃん。
う〜。
ねえ。
ん?言いたくないけどさそういう事やってて恥ずかしくない?仕事ですから。
うそだ!ちょっと待ってお客さんだまされちゃ駄目。
これ仕事じゃないよ。
楽屋でもこんな事ばっかりやってんだから。
本当もう趣味だね趣味。
黙れそこの男!いや女女!私を誰だと思ってんの?私はフランスの女王マリー・アントワネット。
ほら壊れちゃったじゃん。
どこに修理出す?これ。
だからここは宝塚っていう…。
えっ?ここNHK102スタジオですよね?違〜う。
しっかりしなよあんた。
ほらほら見て。
何何?かれんに花咲くスミレの玄関。
えっ「ベルサイユのばら」でしょ?バラはないの?バラ。
大丈夫。
ここに持ってる3段腹。
いや違うよ!永遠の乙女!は?とわの乙女!乙女?おおトメさんになるのよ。
トメさんか。
ちょっとトメさんぴったりじゃん。
ト〜メさん。
は〜い。
ばかじゃないの?返事したよ返事。
いいじゃんいいじゃんいいじゃん…。
うれしいな〜。
うれしいの?うれしい。
何で金魚ちゃんってトメさんって言われてそんな喜んでられるの?仕事ですから。
やめさせてもらうわ。
(拍手)
(拍手)私の落語一席おつきあい願いますがまあ落語となりますといろんな登場人物が出てまいります。
とりわけよく扱うので子どもが出てくる話が多ございましてね。
子ども。
今で言うと小学生の5〜6年生ってとこですかね。
どっかこまっちゃくれて生意気盛りの子どもが出てまいりますけども。
「お姉ちゃんお姉ちゃん…」。
「何?」。
「お姉ちゃんそこで何やってんの?」。
「何やってるって見りゃ分かんじゃないのよ。
お化粧してんのよ」。
「ああお化粧してんだ。
ふ〜ん。
何でお化粧してんの?」。
「何でってきれいになるためにお化粧してんじゃないのよ」。
「じゃあ何できれいにならないの?」なんてそういう事言うんですね。
「あっち行け!」なんて怒られたりなんかする。
また昔の子どもの方が素直でよかったなんてよく耳にしますね。
今の子どもはどうも擦れていけねえやなんてお年寄りの口から出ますけども。
今も昔も変わらずあったそうでございます。
「金坊や金坊おい金坊!」。
「何?おとっつぁん何?」。
「何じゃねえやな!いつまでも起きてんだよ?子どもが夜遅くまで起きてっとな草木も眠る丑三つ時ヒュ〜ドロドロ…怖いお化けが出てくんぞ」。
「え〜お化け?出てくる?怖い。
寝る寝ます」。
「分かった分かった分かった…。
寝るか?よしいい子だ。
自分で寝間着替えるんだろ?いいな。
おっかあちょっと布団敷いてやれよ布団だ。
着替えたか?じゃあお布団の中入っちゃえ。
まだ寒いからなちゃんと布団かぶって風邪ひかないように。
金坊おとっつぁんの言う事聞いていい子だからこれからおとっつぁん面白い話を聞かしてやっからなそれ聞いて早いとこ寝ちまいな。
あ〜何の話がいいかな?これだ。
昔々ある所になおじいさんとおばあさんがいたんだ。
おじいさんは山へ柴刈りにおばあさんは川へ洗濯に行くってえと川上の方から大きな桃だ。
ドンブラコッコドンブラコッコと流れてきておばあさん持って帰ってポンと真っ二つに割るってえと中から出てきたのは玉のような男の子だ。
桃から生まれたってんでこの子をな桃太郎なんて名前にしようってんで大きくなって鬼ヶ島へ鬼を退治しいくなんて事言うからおじいさんとおばあさんはおいしいおいしいきびだんごをこしらえて持たせてやった。
途中でな犬と猿ときじ。
この3匹を連れて鬼ヶ島へ行くってえとなこんなおっかねえ顔した赤鬼や青鬼がうじゃうじゃいるんだ。
でもな桃太郎たちはひるまずに『えんや〜コンチクショー』ってやつけちまった。
鬼は目から涙をボロボロこぼして『許して下さい勘弁して下さい』『許してやっから宝物持ってこい』ってんで金銀さんご財宝など車に山のように積んでうちへ持って帰っておじいさんとおばさあんを楽させたって話だ。
面白かったろう?だからまあ金坊は小せえからいいけど大きくなったらどっかで宝物見っけてきておとっつぁん少しは楽させなきゃ駄目だぜ。
分かったか?おい。
おいおいおい…寝ちゃったよ。
そうじゃねえよ俺が話してた途中で寝ちめえやがった。
あ〜あ見ろ見ろこの寝顔。
近頃生意気な事言うようになってきたけどなかわいいもんじゃねえか。
この寝顔見せられたらたまったもんじゃねえや。
子どもなんてのは罪がねえな」。
なんてのは昔の話でございましてね今はそうはいかないようでございますよ。
「金坊金坊金坊金坊金坊…!」。
「何?おとっつぁん。
何何?何何?早く言って。
早く言って。
何何?ねえ何何?」。
「うるせえこの野郎チクショー本当に。
早く寝ろってんだよ!」。
「まだ眠れねえんだよ。
目バッチリさえちゃってさ。
はあはあ…」。
「お前何かやばい薬やってんじゃねえのか?おい。
子どもが夜遅くまで起きてっとなヒュ〜ドロドロ…怖いお化けが出てくんぞ」。
「お化け?お化け?フフフフ…フフフフ…フハハハハハ…」。
「何かお前の方が怖いなおい。
何がおかしいんだよ?」。
「おとっつぁん今さ怖いお化けつったよね。
昔から我が国ではお化けっていうのはね怖いものを表す象徴とするもんだったんです。
それを怖いお化けって言うとね言葉が重複しますよ。
無駄が多いよ君」。
(笑い)「黄身も白身もねえや!いつまでも起きてっとな明日寝坊して学校遅れんぞ」。
「ヘッヘッヘッヘ。
明日は日曜日で休みでございまして」。
「あきんどか?お前は。
何だこれ?休みだっていいじゃねえか。
行ってこい!」。
「休みの日に学校行ったって誰もいないよ」。
「いいじゃねえかすいてて。
ゆっくりやってこい」。
「パチンコ行くんじゃねえんだよ。
いいじゃねえか起きて…」。
「うるせえ。
あじゃあなこれからおとっつぁん面白い話聞かせてやっからそれ聞いて早いとこ寝ちまいな」。
「え〜?おとっつぁん面白い話なんかできんの?」。
「そうやって親をばかにするんじゃないよ。
おとっつぁんだって面白い話の一つや二つできんだい」。
「あそう。
何て話ですか?演題は何ですか?演題は」。
「演題も踏み台もねえんだよ。
自分で寝間着替えれんだろ?いいな?おっかあちょっと布団敷いてやれ。
着替えたか?布団の中入っちゃえ布団の中。
かぶって風邪ひかないように。
よし金坊いい子にしてるからおとっつぁん面白い話聞かせてやっからよそれ聞いて早いとこ寝ちまえ」。
「おとっつぁんあの質問」。
「何だ急に改まって。
何だよ?」。
「おとっつぁんさ今さ面白い話聞いて早いとこ寝ちまいなってそう言ったよね?あのね面白い話をおしまいまで聞いてたら眠れなくなっちゃうんだよね。
寝ちゃうと面白い話をおしまいまで聞けなくなっちゃうんだよね。
この矛盾をどう解決しましょうかね?」。
「矛盾だなんて難しい事言やいいってもんじゃないんだい。
じゃあ何て言やいいんだい?」。
「まあねそこは小さい子どもに話聞かせるんですからね。
寝ながら話をお聞きよとか何とかうまくぼかしてもらいたいね」。
「じゃあ寝ながら話をお聞きよ」。
「へいへい承りました」。
「このもみ手やめてくんねえかな。
子どもらしくねえんだよ。
昔々な…」。
「いつごろ?いつごろ?」。
「いつごろったって昔々だよ」。
「昔々じゃ分からないのよ。
日本には年号ってのあんだよ。
古くは元亀天正新しくは明治大正昭和平成とね。
いつごろの何時代の話?」。
「えっ?」。
「おっかあこれいつの話だ?えっ知らない?俺も知らないよ。
だからな…うんそう…年号も何にもねえず〜っと昔の話なんだ。
気にすんな黙って聞いてろいいか。
ある所にな…」。
「ある所ってどこ?どこどこ?何丁目何番地?郵便番号とか」。
「う〜んある所つったらある所じゃねえかよ!」。
「ある所じゃ分かんないよ。
日本中どこ行ったって町名とか番地とかあんだよ。
郵便番号とかないとね宅配便とか届かないんだよ。
どうすんの?」。
「お前が宅配便の心配すんなこの野郎本当に。
どこの話だ?これ。
え?う〜ん…。
だからある所ったらず〜っと遠く。
黙って聞いてろいいか?おじいさんとおばあさんがいた」。
「おじいさん名前何てえの?年はどのくらい?年金もらってんの?」。
「知らないよそんな事。
おとっつぁん役所の人間じゃねえんだよ。
名前なんかねえんだそいつは!」。
「名前なんてない?おかしいよ。
人間おぎゃあと生まれたら名前付くんだよ。
今ね2週間以内に届けなくちゃいけないの。
ねえ名前何ていうの?」。
「うるせえな。
ポンポンポンポン聞くな。
う〜んそうこの人ね昔ねあの…あったの名前。
でもねあまりに貧乏で売っちゃったのさ」。
「何だそれ?むちゃくちゃな事言ってる。
貧乏で売っちゃったんだったらおとっつぁんなんかとっくにないんじゃないの?」。
「はっ倒すよお前。
黙って聞いてろ。
おじいさんは山へ柴刈りに行った」。
「何て山?高さどのくらい?標高何メートル?」。
「地面より高え山だ!」。
「やけになってやがる。
『地面より高え山だ!』フフフ…。
地面より高いから山ってんだよ。
低いのは穴ってんだよ」。
「うるせえなこの。
黙って聞いてろ。
おばあさん川へ洗濯に行った。
何て川だか聞くんじゃねえぞ!黙ってろよいいな。
するってえと川上の方から大きな桃がドンブラコと流れてきておばあさん持って帰ってポンと真っ二つに割るってえと中から出てきたのは玉のような男の子だ。
桃から生まれたってんで桃太郎なんて名前にしようってんだ。
大きくなって鬼ヶ島へ鬼を退治しに行くなんて事言うからおいしいおいしいきびだんごこさえて持たせてやった。
途中で犬と猿ときじこの3匹が家来にお願いしますってきてこんなおっかねえ顔した赤鬼がうじゃうじゃいるんだい。
だけどな桃太郎たちはひるまずにコンチクショーってやっつけちまった。
鬼が目から涙をポロポロこぼして許して下さい勘弁して下さい。
よ〜し許してやっから宝物載っけろって言って金銀さんご財宝など車に山のように積んでうちに持って帰ってなおじいさんとおばあさんを楽させたって話だ。
面白かったろこの野郎。
お前どっか宝物見っけてきておとっつぁん少しは楽させろってんだチクショー。
はあはあはあ…。
血圧が…。
はあはあはあ…。
お前寝ねえのか?普通ここ子どもは寝るんだぞ?」。
「寝られる訳ないじゃないか。
枕元で叫んでんだもん。
おとっつぁんの話聞くまでは心安らかに寝られたと思うけどばかばかしくて目が覚めちゃった」。
「何がばかばかしいってんだい?何が目が覚めるってんだい?」。
「おとっつぁんこれ『桃太郎』ってお話でしょう」。
「お前知ってたの?」。
「知ってるよ。
日本三大おとぎ話の一つなんだから。
深い意味のとこに教訓がたくさん隠されてるいいお話なんだよ。
そういう事分かって言ってんの?そうじゃないんでしょ。
聞いたまんましゃべってるだけじゃない?駄目そんなんじゃ。
昔々ある所。
『昔々っていつだ?』って『年号も何もないずっと昔々』。
『ある所ってどこだ?』って『ずっと遠くだ』ってめちゃくちゃな事言ってたけどちゃんと意味があるの。
年号決めてもいいんだ。
いついっか西暦何年って決めてもいいんだけどね小さい子どもに話聞かすには難しくなっちゃうでしょう。
ある所だってそう。
東京なら東京大阪なら大阪北海道なら北海道って場所決めてもいいんだけどね決めちゃうとその土地の人にしか親しみが湧かないでしょ。
何だうちの方の話じゃねえやって事になっちゃうじゃない。
だからいつ話してもいいようにどこで話してもいいように誰に話してもいいように昔々ある所っておとっつぁんこれこういう意味なんだよ。
知ってた?」。
(笑い)「ちっとも知りませんでした。
どうぞ先をお続けになって下さい」。
「何言ってんだい本当に。
おじいさんとおばあさんがいたこれはちゃんと意味があるの。
本当はお父さんお母さんなんだよ。
でも父母じゃ話が硬くなっちゃうでしょう。
子どもってのは年寄りに懐くとこでもってちちははに濁りを打ってじじとばばってなる訳だ。
おじいさん山へ柴刈りおばあさん川へ洗濯。
これもちゃんと意味があるの。
よく言うでしょ?父の恩は山よりも高い。
母の恩は海よりも深いってんだ。
だからおじいさん山へ柴刈りにおばあさん海で洗濯したらシャボンがきかないから同じ水にちなんだとこでもって川へ洗濯に行ったってこういう意味なの。
知ってた?」。
「ちっとも知りませんでした。
ちょっと待って下さい。
おっかあ何やってる?そこで洗濯物畳んでる?いいよ。
こっち来て金坊の話一緒に聞こう。
大人が聞いてもためになるぞ」。
「で何?川上の方から大きな桃がドンブラコと流れてきて真っ二つに割ったら中から赤ん坊生まれた?しっかりしてよ〜。
桃の中から赤ん坊生まれてきてみなよ。
果物屋の前赤ん坊だらけになっちゃうじゃないか。
要するに桃のようなふっくらとしたかわいい男の子って意味だ。
『大きくなって鬼ヶ島へ鬼退治しに行く』って言ったね」。
「チャンチャンバラバラけんかすんだよ。
こっから面白くなってくんだよ」。
「あのねこの地球上どこ探しても鬼ヶ島なんてないの。
よく言うでしょ?この世の中の事言うんだよ。
鬼のような世間だ冷たい世の中だって言うでしょ。
鬼ヶ島って言い方を変えてるだけなの。
おいしいおいしいきびだんごつったらねきびで作ってんだよ。
パサパサで食べられたもんじゃないよ。
今でこそ品質改良されておいしく食べれるようになったけどねきびっていうのはね昔はねお米のない時に食べる代用食だったの。
人間いついかなる場合でも倹約をしましょう。
ぜいたくをしてはいけませんという教え。
犬猿きじ。
これもちゃんと意味があるの。
意味がなかったら何でもいいんだもん。
ラッココアラパンダでもいいんだから。
犬っていうのはね3日飼われると恩を忘れないの。
仁義を心得てんだ。
猿っていうのは知恵がある。
猿知恵っていうぐらいだから頭いいんだよ。
きじっていうのは鳥でありながらいざとなると獣に立ち向かう勇気があるの。
この知仁勇3つを身につけてぜいたくをせずに倹約をして鬼のような世間を行って持って帰ってきた宝物ってのは何もね金銀さんご財宝なんかじゃないの。
信用という大事な宝物。
あの人にこういう事を任せられる。
あの人は大丈夫だ。
あの人は信用できる。
人間その宝がね何よりなんだよ。
その宝物をうちへ持って帰っておじいさんとおばあさんいやこの場合はお父さんとお母さんを楽させた。
要するに親孝行しなさいってのがこの話の眼目。
いわゆるテーマ。
そういう事を分かってないでね『お前も宝を見っけてきて楽させろ』なんてねそんなサーカス団の親方みたいな事言っちゃ駄目。
ねえ駄目だよ。
こういうのあたいだけでいいからね。
よそでしゃべっちゃ駄目だよ。
おとっつぁんおとっつぁん。
おとっつぁん?」。
「ガ〜ッ」。
「あおとっつぁん寝ちゃった。
親なんていうのは罪がねえや」。
(拍手)人生を究めるっていうのはなかなか難しいようですけどね。
今日のお客様はもう頂点をまさに極めたそういう方でございます。
三浦雄一郎さんお入り下さいどうぞ。
おはようございますどうも。
ありがとうございます。
いや〜ようお越し頂きましてありがとうございます。
どうぞお掛け下さい。
足どかしていいですか?足これ中入れられるようになってますんでえらいすんませんな。
いや〜お元気そうで何よりでございますな。
やってきてますから。
おいくつになられました?えっと82歳。
82歳。
こんな元気な方が…。
まあ本当にうれしいかぎりでございます。
ありがとうございます。
今日はその元気をまた頂戴したいとお話をお伺いしたいと思うんですがず〜っと鍛えてらっしゃる?鍛えてる…サボってる方が多いんですけどね。
ちょっと失礼してね今日履いてらっしゃった靴をここに脱いで頂いてるんでちょっと持たしてもらいますけど。
何ですの?これ。
重た!これダンベルシューズっていうの。
ダンベルシューズ?ええ。
ほぼ片足1.5キロ。
片足で1.5キロ?これずっと足の鍛錬のために?まあ暇つぶしでこれ履いてますけど。
暇つぶして…私ら膝潰れますけど。
ほな両方で3キロですね。
そうですね。
3キロダンベルシューズ。
何か歩くだけですると訓練になるような…。
なってますよすごく。
はあ〜。
「どうしてこんなの履いてるんだ」とか言われません?でもこういう人いるんじゃないですかね。
もっと重いやつもあるんですよ。
片足2キロでそれにですね大体ふだんトレーニングだと3キロ片足5キロの。
これ登山靴なんです大きいから重いから。
それに3キロのおもりを入れて。
まあ料理屋さんみたいなとこ行きますよね。
脱いで…。
お座敷上がって。
座敷上がる。
そうすると仲居さんが持ったらそのままつんのめりそうになるっていう悪い事してますけど。
面白いですね。
面白いですよ。
そういう時ってクスクスって笑いますよね。
別に意地悪してる訳ではないんですけどね。
そういうふうにいつも鍛えてらっしゃって。
まあ鍛えてるつもりはないけど趣味としてやってるようなもんです。
趣味?趣味ですよ。
えらい趣味ですな〜。
ちょっとね順番にお話をお伺いするんですけど大体山に登り始めてどれぐらいなんですか?3歳ぐらいからですね。
ですからもうほぼ80年ぐらい。
80年!ぐらいになります。
スキー歴はどれぐらいで?一緒です。
昔はスキーは山登らないと滑れなかった。
リフトがなかった時代。
リフトのない時代から。
昭和7年ですから3歳ぐらいからおやじのあとついて山登ってスキーを滑る。
お父様もすごい方ですもんね。
まあすごい人ですね本当にね。
ねっ。
亡くなる前まで…。
101歳までスキーやってましたから。
これ順番に見て頂きますがまずこれ。
これ練習中なんですけども富士山あそこを頂上からまっすぐ滑ってほぼ時速160キロぐらいになるんですよ。
それをパラシュート開いて。
ブレーキを?ブレーキをかける。
はあ〜止まるのが大変ですもんね。
ですから実際は…。
いいですか?こういうふうな感じでね。
富士山では。
ど…どうですか?こういうふうな感じで落ちてる訳ですね。
するとごめんなさいね。
こういう感じですか?文珍さんが飛行機で急降下する時と同じです。
それ墜落状態ですけど?そうです。
それと同じような滑空っていっても滑り落ちる訳ですけど。
ただエベレストで落ちた時は…。
えっ落ちた?ほぼ180キロ以上になってる。
滑ったんですか落ちたんですか?どっちなんですか?落ちたようなもんですね。
我々落語家が滑るのはとてもよくないんですよね。
そうなんですか。
ギャグが滑るっていいましてね。
なるほどなるほど。
落ちるのはオチですからあれなんですけどそうですか。
それで有名にどんどんなっていかれてえらいこっちゃ。
有名っていうか変な事やってるやつがいると。
それはもうよう言うて頂きました。
みんなが思っていると思います。
これはエベレスト?そうですねエベレスト。
これはクレバスの上を…。
ええはしごを掛けて。
下なんかご覧になる事はないんでしょう?見たら本当に地獄の底が見えますよ。
ですよね〜。
こんな怖い所を…。
怖いと思われたりとか?こういうとこ僕好きなんですよ割合。
そうですか。
何かねワクワクうれしくなって。
これなんとかね…。
なんとか越えてやろうという気持ちに…。
そういう気持ちに。
はあ〜つくづく変わった方だと。
いやいやすばらしいと言えばすばらしい。
もちろんすばらしいんですがこれ何してはるんですか?これはですね8,500メーターでお茶会をやったんですよ。
どうせやるなら。
お茶会。
千利休でもね豊臣秀吉でもできないだろうという。
しゃれてますな。
それを8,500でやってみようと。
やってみようと。
もっともらしい顔をして茶せんで。
お借りしてるんですよね。
これお持ち頂いたの。
これふだんはですねこれでごはん食べたり汁飲んだりしてるんです。
ほいでお茶会の時はこれをお使いになる。
そうそう。
へえ〜。
ほいでほかのシェルパっちゅうんですか?シェルパ。
ああいう人たちはびっくりするでしょう?「何してんねやろ?この人たち」。
何かね我々静か…。
まあほぼ何やかんや1時間ぐらいお茶飲んだりようかん食べたりしてますよね。
あようかん食べますか。
まずようかん食べてそれからお茶会。
へえ〜。
それで最後ドロドロの濃い茶にして飲んだんです。
8,500でこれからいよいよアタックとなると大体夕方から食事の準備して9時ごろ寝てそれで12時。
2時間か3時間仮眠して登っていく訳ですね。
下がもうデコボコの氷だし酸素は1/3しかないと。
外はマイナス30度。
もうテント潰れそうな風が吹く。
ほとんど寝れない状態。
ところがですねこのお茶会やったらぐっすり寝込んじゃったんです。
和む落ち着く。
和む落ち着く。
お伺いしますと山へ上がっている時にですねテントで毎日時間がございますわな。
何か落語を聴いて頂いて。
文珍さんのCD全部…全部でもないけど5〜6枚持っていきまして。
ありがとうございます。
もうね言うと変ですけどね文珍さんだとかね枝雀さんそういう名人のあれを聴くとね何かね本当に気持ちよくなってねよく寝れるんです。
ありがとうございます。
ところが悪いけどちょっと何か大した事ないなというのもあるんですよ中には。
ありがとうございます。
それ聴いたらね何となくね。
目覚めるんですか?目覚めるっていうか寝れなくなる。
よく寝かしてるんだな俺は。
フフフフフフ…。
まあそのおかげですよ。
やっぱり山行ってぐっすり寝れるっていうのはものすごい大事な事です。
お休みの時は是非私の落語を。
そして頂上を目指される訳ですな。
頂上そうですね。
すごいですね。
これ2013年のですからついこの間ですよ頂上。
すごいですね。
私ねペルーへ下から山へ上へピ〜ンと行っただけでもうおなか痛くなりまして大変な下痢をした事がございましたですけど。
いや誰でもなりますよ。
僕らもしょっちゅうありましたから。
70歳でエベレスト行った時に途中の4,000メーター辺りでほとんど心臓がね…。
不整脈。
不整脈が出て気を失ったんですよ。
このままじゃ死んでしまうと。
やっとですね高山医学研究所っていう病院があった訳です。
今ボランティアの世界中の山の好きなあわよくばエベレスト登ってみたいというそういう変なお医者さんたちが…。
変って事はないと思いますけど。
カルテに名前書いて「お前三浦っていうのはエベレストをスキーで滑った三浦か?」と。
このフィルムは1976年ですけれどもハリウッドの映画祭でオスカーもらったんですよ。
彼も10回ぐらい見たと。
「あんたエベレスト滑ったスーパーヒーローだからなんとかなる」と。
でずっと下痢してると。
「それじゃ1週間分の下痢止めあげるからこれで行ってらっしゃい」と。
僕はまた暗示にかかりやすいもんですからね先生大丈夫だって言うならそれじゃ大丈夫だろうと。
死にそうだったはずの俺がそれから全然不整脈も何もなく。
はあ〜。
フラフラになりながらもエレベストの頂上70歳でたどりつけたんです。
という事で人間ってやっぱり暗示にかけられるかかるというのは時にはそういう大事な事ありますね。
2015/05/03(日) 05:15〜05:44
NHK総合1・神戸
桂文珍の演芸図鑑「すず風にゃん子・金魚、橘家文左衛門、三浦雄一郎」[字]

落語家・桂文珍が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、すず風にゃん子・金魚の漫才、橘家文左衛門の落語「桃太郎」。対談のゲストは三浦雄一郎

詳細情報
番組内容
落語家・桂文珍が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、すず風にゃん子・金魚の漫才、橘家文左衛門の落語「桃太郎」。対談のゲストは三浦雄一郎。
出演者
【ナビゲーター】桂文珍,【出演】すず風にゃん子・金魚,橘家文左衛門,三浦雄一郎

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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