日本のチカラ 2015.05.03


ああ懐かしいシャボン玉。
子どもの頃を思い出しますねえ〜。
『シャボン玉』「シャボンだまとんだやねまでとんだ」「やねまでとんでこわれて」…。
ん?ん?壊れない?シャボン玉で…えっお手玉?こっちは…ででかい!これもシャボン玉!?大人の男のコミュニケーションはタバコ…じゃなくてシャボン玉。
七色キラキラシャボン玉。
子どもも大人も笑顔になっちゃう。
そんなシャボン玉が今面白い。
九州の玄関口福岡市の博多駅。
そこから歩いて15分ほど。
住宅街のただ中にあるのが友田商会です。
こじんまりとした工場。
大量に流れていくのはどこか懐かしい小さなボトル。
ボトルの中身は…。
そうシャボン玉の液です。
この工場で作られるシャボン玉液は一日におよそ10万本。
商品は200種類ほどにも上ります。
友田商会は全国シェア50パーセント以上を誇るシャボン玉製造ナンバーワンの会社です。
そんな友田商会の人気商品を教えてください。
(和哉社長)これは一番シンプルですね。
普通に吹くんですけども実はよくよく見るとシャボン玉の色が変わっていく。
それからすごく続けてずーっと出し続ける…出続けるというんでしょうか。
普通だと10個20個だったやつが50個100個続けて出るとかそういう商品ですね。
これが一番シンプルで一番喜ばれています。
その名も「忍者超連続しゃぼん玉」。
たくさーん出る。
そしておお〜色確かに変わっています。
色が変わっていくの映りました?続いては…。
これも今年2015年度版の新製品ですけどもシャボン玉でお手玉をしようという…。
寒くても家の中で遊べるというちょっと珍しい商品ですね。
ん?シャボン玉でお手玉?あれ?どうして?どうして割れないの?
(和哉社長)まさしく忍者じゃないですけど技術ももちろん多少は必要になりますけども基本的にシャボン玉の液の性能がありまして他社で出来ないような技術と特殊な手袋を使ってやるとそれが出来るという…そこが面白いところです。
(スタッフ)それその手袋じゃないとダメなんですか?これを普通の手で触ると割れてしまいます。
こちらは直径90センチ。
特注のリングで作る巨大シャボン玉。
その名も「人が入れるシャボン玉」。
他にもこんなシャボン玉や…。
こ〜んなシャボン玉も出来ちゃう。
いやあシャボン玉の世界っていつの間にか進化していたんですね。
一番面白いというのは何も考えずにシャボン玉を見て嫌な気分にならない。
もう少しよく言えば癒やされるというんでしょうか。
それも見るだけで喜べるとかなんとなく気持ちが晴れやかになる…そういうものであるということですね。
これがやはり一番の魅力だと思います。
シャボン玉液の開発だけをいうと本当に砂場で1個の小さな指輪でも探すようなぐらいの確率のものだと思います。
宝探しのようなシャボン玉液の開発。
それを行っているのがこの部屋です。
スポイト1滴の比率で本当変わってきます。
(スタッフ)そんなにデリケートなものなんですか?とってもデリケートなものです。
はい。
シャボン玉液の原料は97パーセントが水。
残りのわずか3パーセントが泡を作る界面活性剤や泡を割れにくくする増粘剤です。
それらをほんの1滴足しては試しまた配合を変える。
そんな地味な作業それが何か月も続きます。
企画開発を担当しているのは彼女松本春奈さんただ一人です。
出会う人出会う人にどんなシャボン玉したい?と聞いたりとかすることでお題をもらえたり…。
カップルでシャボン玉吹きたいんだって言われたら2人でシャボン玉を1つの吹き具で吹けたりとか何かお題をもらえた時にあっそれ面白いかもと思って乗っかっていく…。
そんな松本さんが飛ばしたクリーンヒットはこちらの商品。
その名も「吹き棒10本おまけつき」。
名前のとおり10本の吹き棒にシャボン玉液が1本。
名前も見た目も割と地味な商品です。
この商品については私は売れないっていうふうに明言しましたもんね。
でその時にだから「ダメ」「いややりたいんですけど」「ダメ」って何回もダメ出ししたけど彼女の思い…少なくてもいいですからロットわずかでもいいから作りたいっていう話で…。
(スタッフ)諦めたくなかった理由っていうのは?必ずこれの需要があるって…信じたからですかね。
うん。
ハハハハ…しつこいでしょ?いやだから負けん気が強いとかそういう意味ではいいにつけ悪いにつけやっぱりそこはあると思うんですよね。
あの…やりたいことはやりたいって言い続けられるようにしないと…。
この商品は複数の子どもたちを一緒に遊ばせたいというお母さんの心をつかみ予想外のヒットとなりました。
一方…。
没ネタいっぱいありますね。
大人の方がシャボン玉で一服するような形で…。
タバコをシャボン玉に置き換えてここからふわーって出る商品なんですけどこんなのが出来たら面白いなと思って作って…。
(スタッフ)そうしたら?なんか友田商会としてはNGみたいですね。
自分が楽しめないと人に楽しかろ?とも言えんし。
それは自分が楽しむことを良かろう良かろう?って本当に押しつけがましいかもしれないけどそうすることでより良いものが生まれていくのかなって思っています。
(笑い声)人は人生で3度シャボン玉に出会うそうです。
最初は子どもの時。
次に子どもが出来た時。
最後は孫が出来た時。
でも大人だってシャボン玉を楽しみたい。
彼ら福岡シャボン玉倶楽部。
シャボン玉をこよなく愛する皆さんです。
子どもから大人までみんなが楽しめるものでみんなが共通して知ってるものかなっていうのがすごく魅力かなって思います。
仕事のストレスでちょっと疲れた時に急にシャボン玉吹きたくなって1度だけ1人でシャボン玉を吹いたことがあるんですけど。
わくわく感というか童心に帰ってちょっとこうなんか安らげる感覚はあったのでもっと吹く場所あればいいのになあと思ってたところこのシャボン玉倶楽部を見つけて。
もっと吹く回数が増えるのかなと思って参加しました。
こんな秘密兵器だってあります。
その名も「シャボン玉ステーション」。
タバコ…喫煙所スペースってあるんですけどあそこでなんとなく大人の人たちはタバコを吸う者同士コミュニケーションをとってる。
意外と重要な話をしてたりとか。
あの雰囲気をどうにか出来ないかなと思って害のないみんなが見て喜ぶようなシャボン玉で出来ないかと思って始めました。
(東さん)どうぞ!えっすごーい!通りすがりの人にもおすすめします。
やばっめっちゃ久しぶりにした。
でかいの作ろう。
(スタッフ)シャボン玉久しぶりですか?久しぶりです!
(スタッフ)どのぐらいぶりですか?えっ小学校…。
小学生ぶり。
(スタッフ)どうですか?久々にしてみて。
楽しいです。
フフフ。
かなり久しぶりですね。
数年ぶりぐらいに。
(スタッフ)どうですか?数年ぶりのシャボン玉は。
楽しいです。
子どもの時と変わらない感覚で楽しめますね。
もう本当に天気もいいし気持ちよくって。
子どもとかも一緒に遊べるから楽しんでいました。
大人も子どももみんな笑顔だシャボン玉。
友田商会その創業は58年前にさかのぼります。
先代社長友田直正さん。
御年なんと96歳。
始めた出発点は食べるためです。
そういう環境だったということですがね。
シャボン玉で商売しようとも思ってなかったし。
貧しい時代。
直正さん家族6人が食べていくため日当400円日雇いの仕事に汗を流していました。
そんなある日シャボン玉と運命の出会いがありました。
風の関係…私は向こうからこっちへ歩いて1丁目まで帰ろうと…。
こっちでシャボン玉をうりよったんでしょうね誰かが。
風で私のほうに飛んできた。
パッと人間が変わってしまったんですね。
(スタッフ)シャボン玉を見たら?シャボン玉の魅力っていうのがそれでしょうね理屈をつけると。
シャボン玉に目を輝かせる子どもたち。
直正さん日雇い仕事の傍らシャボン玉を売り始めます。
シャボン玉どうすれば多く出るかどうすれば大きくなるのかっていうそういうことも真剣に考えるようになったよね。
より大きなシャボン玉をと直正さんが開発した吹き棒は大ヒット。
それで九州の友田のシャボン玉ならいい。
他いらないって。
とにかく子どもが歓迎してくれたことだけですね。
だからそれに報いるようなシャボン玉になっていってくれるならいいなっていう単純な考えですよね。
それ以上深くどうだって言われてもな。
しかしシャボン玉に逆風が吹き始めます。
テレビゲームの流行そこに安い外国製品が追い打ちをかけました。
そもそも肝心の子どもが減っています。
直正社長廃業を決意します。
しかし…。
いざ自分が育った環境の会社がなくなるって結構寂しいものがあるんですね。
結果どうせダメでやめるんだったらダメもとでやってみようかなということで引き継いだ。
息子の和哉社長が会社を引き継いだ頃経営はどん底の状態でした。
当然私がいろんなものを作り出すお客様に売り込みに行くお客様の要望が出てくるということを繰り返していくんですけども当然のようにいいものを作らないと売れない。
そうしていくうちにシャボン玉って…。
…ということを肌身で感じていくんですね。
特にスタートが…全然売れないところからスタートしてますので自分が作ったものが売れるということ自体はそれは感動ものですよ。
面白いものを作ると売れる。
こんなに喜んでもらえる。

(和哉社長)じゃあこれからいきますよ。
和哉社長新しいシャボン玉の開発に夢中になりました。
(和哉社長)このレベルだとそこまでの差は出てこない。
(松本さん)はい。
でもこっちのほうがさっきのよりいいかな。
うん。
今のが一番…。
この大きさだとこれが一番。
(松本さん)はい。
残念。
ハハハハ…。
残念でした。
合格出ませんでした。
やっぱり子どもは思ったようには全員が全員遊んでくれるわけじゃないし。
だからといってうまい子は上手に面白かったよって言うけど中には出来なかった…要は下手くそだったっていうことにもなるんですけど。
下手な子がシャボン玉嫌いになるんですよそうすると。
出来ないから。
(和哉社長)まずは出来る。
子どもたちをがっかりさせたくない。
そんな思いで着手した高性能なシャボン玉液の開発が友田商会を業界トップに押し上げました。
ほらね。
どうしてもやはり価格競争になりますと中国を中心に東南アジアに勝てないというところがあって限度があるんですけどもアイデアとかいうものについては実は限度がない。
喜びというのも様々な発想でいくらでも出てくる。
どういうものに対して子どもが驚くだろう感動するだろうというところを見つけていく。
いつもシャボン玉の向こうに思い浮かべるのは子どもたちの姿。
(和哉社長)何もしなくて風が勝手に遊んでくれる。
(笑い声)
(和哉社長)技術がいらないですこれ。
子どもがこれ持って走って回ったら勝手にシャボン玉が…あとはもう出てくれる。
だからさっき言った…100パーセント絶対遊べる。
(スタッフ)でもやってる時童心に戻ったりとかは?そんな余裕ないですよ。
全然。
(和哉社長)でもきれいですよね。
子どもって結構わかってくれますよ。
子どもが探してくれる遊び方は。
福岡市で物流会社を営む川井田伸司さん。
東日本大震災から間もない2011年の5月。
知人の住む岩手県大槌町の避難所を訪れました。
取引先の協力を得て九州の美味しいものを持ち込んでの炊き出しはとても喜ばれました。
しかし…。
みんなが肉親を失っているもしくは肉親が行方不明…家族が行方不明という状態の中でわがまま言ったり泣き言を言ったりとかいう方もいらっしゃらなくて。
むしろ見習わなくちゃいけないようなところばかりでしたけどね。
どうすれば被災した方の心を少しでも慰めることが出来るのか…。
手探りの状態で持ち込んだものがシャボン玉でした。
遊び道具というのは今の時代いろいろあると思うんですけどもまずシャボン玉のいいところというかメリットとしてはまず電力を消費しない。
当時はかなり電源というのも貴重なものでございましたし。
屋外で遊べると。
そして年齢を問わず子どもたちももちろんですけど大人の方々も一瞬かもしれませんけど童心に帰って吹いておられた姿が印象的ですね。
川井田さんシャボン玉を目で追って空を見上げた子どもたちの姿が忘れられません。
私なんかはしょせん第三者というか直接の被害を何も受けていないので外からですねきれいごとが言えるのかもしれませんけどそういった形でキラキラした未来が大空に羽ばたくというようなことに将来的になっていけばですねいいなというふうには思います。
忍者シリーズの原価表をプリントアウト…。
今友田商会では長男の浩一さんが家業見習い中です。
一番はたぶん外で遊んでいる子どもを見た時だと思います。
あっどこのシャボン玉で遊んでるのかなあ?でうちだったらなおさらうれしいのかなと思います。
それうちの?って言いはしないですけど言ってやりたいなっていう…。
昔からあるおもちゃの中では生き残っているわずかな遊びだと思いますけれどもなんででしょうね本当に…だから不思議だと思います。
シャボン玉がこんなにいろんなところに…売り場にいろんなものが並んでいてそして長くずっと愛され続けてるということ自体はやはり原点である…。
シャボン玉を見るだけできれいだと感動出来るものなんでしょうねシャボン玉自体が。
いつの間にやら大きく膨らんだ親子三代シャボン玉。
シャボン玉に込めた思いはキラキラと輝きながら高く遠くこれからも飛んでいきます。
『日本のチカラ』次回は徳島県。
静かな山あいの町に増え続ける移住者たち。
幸せな暮らしに迫ります。
2015/05/03(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本のチカラ[字]

オトナでも童心に戻れるシャボン玉…今や驚くべき進化をとげています。色が変わったり、お手玉みたいに遊んだり、人が入れる巨大なものまで!夢と笑顔をお届けします!

詳細情報
◇番組内容
福岡市にある国内最大手のシャボン玉メーカーに密着。一日10万本のシャボン玉液を生産、商品は200種類ほどにも上り、国内シェアは50パーセント以上を誇ります。子供のおもちゃというイメージの強いシャボン玉ですが、アイデア満載の多種多様な商品は、かつてシャボン玉で遊んだ大人の目も輝かせます。新しいシャボン玉液の開発は「砂場で1つの小さな指輪を見つけ出すにも等しい」難しい作業だとか。
◇番組内容2
しかし今、海外の安い商品に苦戦しながらも、毎年10種類ほどの新商品を世に出し続けています。創業は昭和32年。先代社長とシャボン玉との運命の出会いとは!?「シャボン玉を嫌いになる子を作りたくない」「シャボン玉で笑顔を作りたい」そんな思いで親子3代、シャボン玉一筋に奮闘する姿を追いました。
◇番組内容3
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
あべやすみ(ラジオパーソナリティー)
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:RKB毎日放送
協力:文部科学省/中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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