サキどり↑「どうする!?ペットの高齢化問題!」 2015.05.03


(カビラ片山)おはようございます。
ジョン・カビラです。
片山千恵子です。
今日の「サキどり」いきなり手術室からですか。
そうなんです。
これから難度の高い肝臓がんの摘出手術始まります。
お〜!えっワンちゃん?はい。
患者はペットの犬なんですよ。
実は今動物医療が人間並みに高度化していてこれまで難しいとされてきたペットの病気やけがが治せるようになっているんです。
なるほど。
このワンちゃんが受けているのは…いやすごいですね。
ここまで来てる。
うん。
こちら放射線治療もあるんです。
いやすごい。
まさに人間並みですね。
(ほえる声)ペットの高度医療や生活環境が向上する日本。
そのかいあってペットの寿命飛躍的に延びています。
う〜んペット好きの皆さんにはグッドニュースですね。
…と喜んでばかりはいられないんです。
こちら…人間で言うと80歳近くといわれます。
あ〜でもぐるぐる回って元気そうですよ。
違うんです。
これいわゆる認知症によるものなんです。
ぐるぐる回って認知症?起きている時はこうして回り続けているんだそうです。
(ほえる声)は〜い。
は〜い。
飼い主の藤倉伸子さんです。
やまとが認知症と診断されたのは1年前。
その後付きっきりでの介護が続いています。
大変ですね。
最近では昼夜逆転の症状も見られるといいます。
なるほどこのペットの寿命が延びるっていう事は特に飼い主さんにはうれしい事なんですけれども高齢化が進むと介護が必要になるという状況。
これ大変ですね。
そうなんですよね。
今ペットの平均寿命30年前と比べるとおよそ2倍。
14歳以上なんですね。
人間で言うと70歳以上のご長寿になっているんです。
しかも現在飼われている日本の犬や猫の数およそ2,000万匹。
その半数が高齢期を迎えているんです。
半数?ペットも超高齢時代ですね。
そういう事なんですね。
カビラさんもワンちゃん飼ってらっしゃいますよね。
はいトイプードル7歳です。
うん7歳。
という事は人間で言うと40代の半ば。
まさにこれから老化が始まるという年頃ですよ。
そんなずばり言われちゃいましたよ。
という事で今日はペットの高齢化を考える30分。
まずはご長寿ペットを支えるさまざまなサービスをご覧下さい。
波打ち際をさっそうと走る…今から9年前の姿です。
それが今では寝たきりに。
19歳になったエルフィンは人間で言えばおよそ90歳。
2年前寝たきりになって以来飼い主の内藤さんがこうして床ずれのケアを行っています。
犬の皮膚は薄いので僅かな時間でも床ずれが出来てしまうそうです。
子どものいない内藤さん夫婦にとってエルフィンは掛けがえのない存在。
ずっとそばについていたいのですが事情が許しません。
2人は共に学校の先生。
平日は仕事に出なくてはなりません。
そんな内藤さんが頼りにするのが高齢ペットを日中預かってくれるデイサービスです。
この施設では独自の基準で要介護度を1から3に分け度合いに応じたサービスを提供しています。
寝返りの世話はもちろん食事も食べやすいようそしゃくのリズムに合わせて差し入れます。
水は歯茎にたらし自然に口の中に落ちるようにして飲ませます。
直接口に入れると誤飲の原因になるからです。
体の機能が衰えていない要介護1と2のペットは老化防止の運動に励みます。
専用のランニングマシンで足腰の筋肉を鍛え健康寿命を延ばそうというのです。
ペットの体力に合わせて低周波マッサージで関節の痛みを軽減したりバランスがとりにくいマットの上を歩かせてインナーマッスルも鍛えます。
気になる料金ですが犬の大きさによって一日5,400円から7,560円です。
一方外出する事が難しいペットにはこんなサービスも。
そう訪問介護です。
外出する体力がなかったり環境の変化に敏感だったりするペットに喜ばれているそうです。
体重50キロゴールデンレトリーバーのイーサン。
立たせるだけでも一苦労。
この日は久しぶりのシャンプーです。
入浴サービスとマッサージで料金は締めて8,000円。
高齢のペットに余計なストレスを与えず自宅でサービスが受けられるとあって訪問介護の依頼はこの数年増え続けているそうです。
更に病気やけがで歩けなくなったペットにはこんな心強い味方が。
この日重い症状のある高齢犬が動物病院にやって来ました。
人間で言えば80歳近いというミシェルは右前足に悪性の腫瘍が出来歩行が困難になりました。
完治は見込めず考えられたのが足の切断。
しかし高齢のため手術に耐えられるかどうか分からないというのが獣医師の診断でした。
前足を残し寝たきりになる事だけは避けたい。
それが飼い主の希望です。
そこで獣医師が頼ったのがこの人でした。
装具とは歩行を助ける補助具の事。
後ろ足が悪くて歩く事が難しかったこの猫も黒い補助具を着けるとご覧のとおり。
こうした装具を使えばミシェルも立ち上がる事ができるかも。
果たしてミシェルは再び歩く事ができるのか。
島田さんの装具作りに密着しました。
こちらが島田さんの自宅兼作業場。
これまで1万点を超える装具を作り飼い主の希望に応えてきた島田さん。
お値段はペットの大きさや症状にもよりますが1点3万円から15万円。
50種類以上の素材を使い分け完全オーダーメードで仕上げます。
今回はどんな装具を作るのでしょうか?
(島田)反対側から。
ミシェル用に選んだのはスポーツ用品などに使われる伸縮性に優れた柔らかい素材でした。
型紙を基に28枚に切ったパーツをミシンで縫い上げていきます。
全て島田さんが独学でつかんだ技術です。
島田さんかつては人間用の義足やコルセットなどを作っていました。
自分が作った装具で人が喜んでくれるならより広い分野で役に立つのではないかと考えペットの装具にたどりつきました。
8年前に独立。
開業当初こそ注文は月に1件程度でしたが今では年間3,000件。
事業が軌道に乗った今島田さんは飼い主たちが寄せるなみなみならぬ期待にプレッシャーも感じています。
ミシェルの装具が完成しました。
患部に注意しながら慎重に足に取り付けます。
足が悪くなってから歩く事を嫌がるようになったミシェル。
果たして…。
そうそう上手上手上手!お〜速い!また一つ島田さんの装具でペットとその飼い主が救われました。
このサービスまさに人間並み。
びっくりしましたね。
ここまできているのかという感じですよね。
今日本で飼われている犬や猫の数がおよそ2,000万匹。
一方人間15歳未満の人口がおよそ1,600万。
つまり犬猫の方が軽く上回っている訳なんですね。
その人口に限ればって事ですけれどもすごい数。
そうなんです。
その市場規模計算しますと1兆円を超えるんですよ。
これはすごい規模になってますね。
そこにニーズがあるって事ですよね。
そこで現代のペット事情を探っていきましょう。
本日のゲスト奥野卓司さんです。
よろしくお願い致します。
奥野さんは人間とペットの関係やその社会状況について研究されていらっしゃいます。
VTRでご紹介したとおりなんですけれどもペットの高齢化がそこまで深刻な状態になっているという…。
家族と同じようにペットを扱うという事になってるんですね。
それからだからここ10年ほどの間犬も猫も結局家の中で部屋の中で飼うようになりましたでしょ。
それからお医者さんにかかるんで長生きするっていう事でどんどん高齢化するんで。
そうすると余計に人間と同じような高齢化した病気が出てまたそこでいろんな治療したりするって事になる訳ですね。
ただ割と欧米では高齢になってちょっとケアが大変。
もしくはそのペットそのものが本当にそういう状態で幸せなのかと考えて人間と同じくいろんな議論ありますけれども尊厳死とか安楽死っていう捉え方もある訳ですよね。
それは西洋の場合はキリスト教的な文化が発達してるんでやっぱり人間と動物っていうのは完全に分けてですね動物はかわいがらなきゃいけないし管理しなきゃいけないもんだけどそれが管理する事が人間の義務だと考えてる訳ですね。
どちらかというと主従関係という。
そうですね。
ところが日本の場合は家族の一員というふうに結局家族関係が希薄になって子どもたちが独立すると夫婦だけが長く残っちゃうというふうな事でそうすると子どもの代わりにペットを飼うっていうような感じになってきてるんで。
必ずしもそれ悪い事ではなくてペットをかわいがってるという事があるんですね。
大事にしてるって事はあるんですけれどもあまりにも一体化するとちょっといろんな…。
いろんな問題が出てきてますね。
では実際どのぐらいの方がペットを飼っていらっしゃるのかこちらをご覧下さい。
そもそもですね。
はい。
あっ年代別。
はい。
年代別に見たペットの飼育の割合です。
子育てが一段落した50代が一番多くて半数近い方がペットを飼ってらっしゃるんですね。
60代はおよそ3人に1人。
70代以上およそ4人に1人の方が飼ってらっしゃるんですよ。
でも片山さん60代70代こういう数値高齢は人間の問題でもあるんじゃないですか?高齢化。
カビラさんいいポイントにお気付きになりました。
当然高齢化するとやっぱり自分が歩けなくなったりしますよね。
そうするとペットを世話できないっていう事が起こります。
ひどい場合はペットを捨ててしまうというような事も起こりがちですしそれからそれを今度は保健所に持っていくとか愛護センターに持っていくとかっていう事になるんで。
最終的には殺処分という事になっちゃいますよね。
これは是非避けたい状況ですよね。
何か策はないんですかね。
ただ一昨年法律も改正されて仕組みも変わってきてるんですよね。
これは基本的に動物愛護管理法という事で改正されてですね結局これ一応飼い主がそのペットを一生飼う。
そのペットの最後まで面倒を見なきゃいけないという事にはなってるんです。
全うする義務があるって事ですか。
はいそうです。
でも飼いたいけれども高齢がゆえに飼えないという事情がこれ出てくる訳ですよね。
そうなんですよね。
そこで高齢者とペットが安心して暮らせるこんなサービスも登場しています。
神奈川県横須賀市の特別養護老人ホームです。
見て下さいこちらの施設。
飼っているペットと一緒に入居できるんです。
いや驚きましたね。
社会福祉法人が運営する施設とあって入所金は0円。
利用料も月々およそ13万円と民間企業の施設と比べると割安なんですね。
そのため現在入居待ちが200人以上という状態です。
お座りお座りお座り。
はいありがとう。
老人福祉。
高齢の方がペットと一緒に住む事ができるケアも頂けるという事でこれすばらしいんですけれどもこれまだごく一部ですし今後福祉の領域にもこれペットがって事になると財源どう確保するんだとかいろんな問題がありますよね。
それを税金でやっていくとなると飼ってない人もおられる訳ですからその同意ってどうなんのかなという事はありますよね。
そうするとますますどうやって老いていく自分とペットを考えるのかというこれ真剣に考えないと。
そうなんですよね。
そこで高齢者が誰でも安心してペットを飼い続けられるよう一人の女性が立ち上がったんです。
兵庫県西宮市にお住まいの吉本由美子さん67歳。
大の猫好きです。
(取材者)…っていうのは?にゃ〜るほど。
それではかわいいニャンちゃんご紹介下さい。
突然のテレビカメラにびっくりしたのか出てきてくれません。
そこで吉本さんに猫との暮らしを撮影してもらう事に。
(吉本)りーち。
りーちはここのうち来てどんな感じですか?現在お一人様の吉本さん。
飼っている3匹の猫たちは家族以上の掛けがえのない存在であり生きがいだといいます。
吉本さんは元大手電機メーカーのマーケティングリサーチャー。
自らの会社も立ち上げ仕事一筋に生きてきました。
気が付けば家族と呼べる存在は猫ちゃんだけ。
それでも不自由は感じた事がありませんでした。
しかし5年前の事でした。
持病の肺の病気が悪化。
半月の間緊急入院を余儀なくされます。
自分にもしもの事があったら猫はどうなるか?自らの老いとともに不安を募らせた吉本さん。
自分の人生の終わりに向けて準備を始めました。
それは猫たちへ向けた遺言。
(吉本)「愛猫のぴん・ろん・りーちの3猫が天寿を全うするまで世話を引き受けてくださる方に養育費をつけてください」。
自分がいなくなっても飢え死にだけはさせたくない。
せめてもの願いでした。
そこで遺産を猫たちの餌代に充てる方法はないものか弁護士に相談しました。
ところが…。
それならばと立ち上がった吉本さん。
1年半前にNPOを設立。
高齢者が安心してペットを飼い続けられる仕組みを自ら作りました。
それはペットの信託サービス。
飼い主から相談を受けるとペットがあと何年生きるか余命を診断します。
そして余命年数にかかる飼育費用を算出。
飼い主はその費用を民間の信託会社に預けます。
飼い主に万が一の事があった時NPOは世話をしてくれる新たな飼い主を捜し出します。
その新しい飼い主を受取人とする事でペットの生活を確実に保障。
更にペットが適切に飼育されているかNPOが定期的にチェックします。
待ってました。
どうぞどうぞ。
去年吉本さんの信託サービスに加入したこちらの女性。
4歳になる飼い猫の飼育費用は年間25万円ほど。
余命を12年としおよそ300万円を信託会社に預けました。
女性は離婚し子どもも近い親戚もいません。
そのうち自分にもしもの事があったらと不安を抱えていたといいます。
しかし本当に考えましたねペットの信託サービスね。
でもですよ片山さん余命の診断が出ました。
でもペットが悲しい事に早めに亡くなってしまいました。
余ったお金があります。
これどうするんですか?これ残ったお金というのはそのままNPOに寄付されて管理されるんです。
でそのお金余命より長く生きたペットもいますよね。
そういったペットの飼育費用などとして充てられるんだそうです。
ちゃんと循環するようになってる訳ですね。
ちなみにもともとの飼い主さんが長く生きてらっしゃる場合は1年ごとにその預けたお金返ってくるそうです。
戻ってくるんですか。
はい。
これ一つ飼い主の責任を全うする形として思えるんですけれども…。
NPOとかビジネスでこういう事がたくさん出てくるのはやっぱり一つの方法だと思いますけど肝心なのはやっぱりその仲間でお互いに「もし何かあった時は助け合おうね」とかっていう事をやらないとやっぱり駄目だと思うんです。
結局人間同士で自分たちで輪を作っていく。
人間同士の社会の方がやっぱり大事なんですよね。
だからペットを通したコミュニティーづくりの可能性も実はこういう課題だ問題だと思う反面可能性はあるって事ですよね。
だからそういうふうな社会を形成していくきっかけ人間同士を結ぶメディアとしてペットがあるっていう事だと思うんですね。
まさにメディア媒体ですから。
そしてまたそれでここにペットを飼ってない人たちも一緒に入ってお互いに話し合っていい社会を作っていくって事が大事だと思うんですね。
私ペット飼っていないんですがやっぱり飼っていないとそういった事も分からないんですよね。
だって意識しないもん。
はい。
だからよりコミュニケーションをとって知る事…。
本当に奥野先生がおっしゃった媒体になる訳ですよねペットが。
犬や猫の問題というものがまさに人間社会のかがみになってる訳ですよね。
自分と友達との関係とか自分と地域との関係とかそれから自分と家族の関係というのを一番如実に浮かび上がらせてますよね。
いろんな事を気付かせてくれるものなんですよね。
だからここからやっぱり自分の生き方っていうものをもう一回振り返って考えて頂くっていう事が…これ私自身がそうなんですけど大事かなと思います。
片山さん。
ペットの高齢化で人生観死生観まで今日は何か語った気がするんですけれどもね。
最初は人間だけではなくてペットも高齢化してここまで来ているんだという驚きだったんですがペットを通して自分の人生考え直しちゃいました。
まさに奥野先生もおっしゃったように人間のかがみになるんですねペットは。
でもさよならは言いたくない。
…という事でエンディングナンバーはLionelRichieの「JustCan’tSayGoodbye」。
2015/05/03(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「どうする!?ペットの高齢化問題!」[字]

がんの摘出手術に放射線治療も!高度化するペット医療★ペットの介護サービスあれこれ★飼い主も高齢化!どうします?ペットとの老後★注目!「ペットの信託サービス」

詳細情報
番組内容
超高齢化。これは人間だけの話ではありません!今や国内で飼育されている犬や猫の数は、2,000万匹以上。その半数以上が高齢期を迎えているというではありませんか!平均寿命は30年前のおよそ2倍の14歳以上、人間でいえば70歳以上というご長寿ペット。なかには寝たきりや認知症になってしまうペットも。そこで今広がっているのが「デイサービス」や「訪問介護」などのペット介護ビジネス。その最新事情をご紹介!
出演者
【ゲスト】関西学院大学教授…奥野卓司,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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