(パーカー)
きょうりゅうがいたころよりもずっと昔。
5億年というとほうもない時間をさかのぼった太古の時代カンブリア紀。
海の中では「生命のビッグバン」とよばれる出来事が起き多種多様な生物であふれていた。
これは不思議なみりょくに満ちたカンブリア紀の生物たちが持つ命の可能性を見つける物語である
ピカイア!これがロスト・コードのディノミスクス?わたしやっぱりお花にしか見えない。
これが動物だなんて。
ほんとおかしな世界ねカンブリアって。
いかん!アノマロカリスだ!ハナ!うん?あっ…。
くっ!カンブリア紀最強のほ食者。
アノマロカリス…。
(ぶつかる音)うっ…あっ!あっち行け!うっううっ。
あぁ〜。
博士ハナは?コホッコホッコホッ…。
だいじょうぶだ。
ハナ君は無事だ。
強制エグジットでちょっとおどろいただけ。
そっか。
よかった。
ヴィンス君アノマロカリスの状きょうはどうだ?だいじょうぶです。
中に入ってこれないみたいです。
でもアノマロカリスってこんなに大きいものなんですか?データでは1mくらいってなってますよ。
次元ダイブで転送できる情報量は限られているため君たちをスケールダウンして送っているんだ。
つまりぼくたちが小さくなってるって事ですね。
「そのとおりだ」。
さあロスト・コードのディノミスクスから情報のちゅう出をするんだ。
やってみます!よし情報を持ち帰るぞピカイア!…ってあれ?ピカイア?あっあぁ〜。
あっピカイアどこ行ったの?ピカイア…。
よかった。
そこにいたのか。
さあおいで。
だいじょうぶだから。
(ぶつかる音)ピア…ピカイア!ピカイア!うっ。
あっ…。
はぁっ追いかけられない。
ピア!ピカイアをねらってるのか?ピア〜。
ピカイア〜!このままじゃ追いつけない。
博士このBMS水中で速く動けるジェットとかないんですか?ジェットよりもいいものがある。
ヴィンス君。
バイオミメティクス・モードだ。
バイオ…ミメティクス?生物もほうの事です。
生物が進化する中でかく得していったきょういの機能を人間がさまざまな分野で応用する手だんといえばよいでしょうか。
BMSは地球で使われている作業用のバイオスーツを改良しバイオミメティクスによる生物のすぐれた機能を付け加える事ができるんだ。
より速く泳ぐためのバイオミメティクスをそちらに転送しよう。
モーリス君サメモードを次元インストールだ。
うけたまわりました。
次元インストール!インストール。
サメの形になった!へえ〜さっきよりずっと速く動けます。
形だけじゃなく水の流れをスムーズにするサメのはだのバイオミメティクスもインストールしてある。
ヴィンス!早くピカイアを追って!OK!すっごい速い!
(モーリス)当然でしょう。
サメが進化していく中でかく得した能力なのですから。
ピア〜。
ピカイア!ピカイア!こっちだ。
ピカイア!うっうっ…。
ピカイア…。
はぁ〜よかったぁ。
ロスト・コードまでもどろう。
うっ…うわっ。
ふり切れないか…。
よ〜しこいつでどうだ!
(ぶつかる音)もう少しだ!うわっ!ピカイア!うっ…。
このままロスト・コードの情報をちゅう出しよう。
ピカイア!さあたのむよピカイア!ピカイア!
(ぶつかる音)ピア!しつこいやつだな。
ピカイア…。
だいじょうぶだよピカイア。
ぼくがついているからいっしょにがんばろう。
ピア…ピカイア!うっ…。
(モーリス)ロスト・コードより情報のちゅう出が開始されました。
ちゅう出率1020…。
よしいいぞ!ヴィンス…ピカイア。
ピカイアのじゃまはさせない!うっうっ…。
う〜!がんばって!ヴィンス。
(モーリス)55606570…。
うわっ!あっ…。
うっ。
あっ…。
(モーリス)「ちゅう出率90%」。
もう少し!
(くずれる音)ピカイア!
(モーリス)ロスト・コードより情報のちゅう出を確にん。
ミッションコンプリートだ。
ヴィンス君エグジットに移るんだ。
わかりました。
エグジットスタート!
(くずれる音)岩がもたない…。
間に合え〜!
(ぶつかる音)うん…。
(モーリス)「のう波い常なし。
とうじょう者の帰かんを確にん」。
おかえりヴィンス君。
おかえり!ただいま。
情報は?
(モーリス)無事全てちゅう出が完りょうしました。
これで最終実験は成功だ。
はあよかった。
がんばったね!ヴィンス。
ああ!でも一番がんばったのはピカイアさ!なあ!ピカイア!そうだね。
ご苦労さまピカイア!ピカイア!
(イルマ)そうですか。
パーカー博士は実験に成功しましたか。
これでカンブリア・プロジェクトは自動的に評議会の条件をクリアした事になります。
(イルマ)地球再生か新天地か…。
人類の未来を決めるてんびんが動きだしたという事ですね。
はい。
スイーツ!おいしそう!ピカイア!評議会から正式な予算が下りたからね。
ロスト・コード調査これからよろしくたのむよ。
がんばりま〜す!さあどれにしようかな?これとこれ!う〜ん。
ヴィンスはどれにする?うん?ヴィンス食べないの?食べないならわたしが…。
地球ってすごいよね。
ええ?5億年前にもあれだけの生物がいて絶めつしかかってそしてまた増えていって…。
ぼくたちもいつかあそこでくらせるようになるのかな。
そのためにわたしたちががんばるんじゃない!そうだね。
ピカイアといっしょにね!ピカイア!わたしは…なんでも教えちゃいます。
はいじゃあ質問ある人?
(3人)はい!はい!あのスーツすごい!サメになってめっちゃ速くなったね。
でもなんでサメって速く泳げるんだろう。
そのひみつはサメのはだにあるんだ。
(3人)はだ!?あれ?プールだよ。
どうして?実はこの水着サメのはだをまねして速く泳げるように作られているんだ。
え〜そうなの!?
(モーリス)サメのはだがどうなっているのか見てみよう。
これはアオザメのはだだ。
ウロコの表面に小さなみぞがあってそれが1列にならんでいるのがわかるかな?
(エルフィン一同)うん。
(モーリス)水着の表面にもサメをまねて細いみぞが作られている。
このみぞは水のていこうを減らす働きがある。
それで速く泳ぐ事ができるんだ。
こうした生物の機能をまねして役立てる事をバイオミメティクスというんだ。
そのバイオミメティクスの研究に夢中なのがあのパーカー博士だ。
バイオミメティクスは生き物のすぐれた形や特ちょうをまねする技術です。
みなさんはひっつきむしって知っているでしょ?そう草むらに入ると服にいっぱいくっついてくるあれ。
ひっつきむしにはフックのようなトゲがあります。
これで服にひっつくんです。
ひっつきむしをバイオミメティクスしたのが面ファスナーです。
使った事あるでしょう。
面ファスナーは70年以上も前にスイスのメストラルがひっつきむしをヒントにして作ったんです。
面ファスナーにはほら。
フックのようなトゲがたくさんついています。
これが引っかかってくっつくんです。
面ファスナーがバイオミメティクスだったなんておどろきですよね。
ひっつきむしも大活やくね!そうだね。
バイオミメティクスはほかにもいろいろある。
例えばハスの葉の性質をまねしたのがこのカサ。
水をよくはじくんだ。
(エルフィンのメンバー)便利!
(モーリス)蚊にさされても痛くないよね。
そんな蚊の針の不思議をまねしたのがこの注射針だ。
この針は痛くない。
(エルフィンのメンバー)え〜!いろんなバイオミメティクスがあるのね。
進化の過程で生物が手にしたすごい能力をまねする事で今までより便利でかん境にやさしい製品ができるかもしれません。
バイオミメティクスは未来の地球をになう今もっとも注目されるサイエンスなのです。
自然から学ぶ事ってたくさんあるんだね。
わたしもほしいなバイオミメティクス。
例えばどんな?二のうでがたるまないやつとか?わたしも!筋トレしてください。
じゃあ次回の予習よろしく。
(3人)がんばりモーリス!2015/05/04(月) 10:00〜10:15
NHKEテレ1大阪
ピカイア! #02「今こそバイオミメティクス!」[字]
5億年以上も前のカンブリア紀の海を舞台に繰り広げられるヴィンスとハナの大冒険。古代の生物がぞくぞく登場。生物進化の面白さと多様性の大切さを伝える科学アニメ。
詳細情報
番組内容
カンブリアの海に次元調査に向かったヴィンスとハナ。アノマロカリスにハナが襲われ、ヴィンスひとりでテスター・ピカイアとともにロスト・コードであるディノミスクスから情報を抽出しなくてはいけなくなった。だがアノマロカリスを怖がったピカイアが逃げ出し、それを追いかけることに。なかなか追いつけないヴィンス。そこでパーカーが提案したのがバイオミメティクス・モードを使ったサメの生態機能の次元インストールだった。
出演者
【声】田谷隼,諏訪彩花,水橋かおり,大川透,野島裕史,木下紗華,稲田徹,田中あいみ,辻美優,花房里枝,高橋美衣,【解説】イギリス自然史博物館教授…アンドリュー・パーカー
原作・脚本
【脚本】藤咲淳一
監督・演出
【監督】冨安大貴,【演出】大和田淳
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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