ようこそ、わが家へ #04【ストーカー最接近!!遂に家族の反撃が始まる!!】 2015.05.04


(明日香)「倉田健太29歳。
自分のことを臆病者だという彼がある日迷惑な男を注意してしまったことから全ては始まった」「それ以来彼の家には嫌がらせが続くようになる」「防犯カメラを設置するがなぜか犯人はカメラの位置を知っておりその姿を捉えることはできなかった」「さらに家の中にまで犯人が侵入している痕跡が」「これはごく平凡な家族とその家族を執拗に追い詰めたストーカーとの戦いの物語」
(牧方)では奥さまが夕方6時に外出された際猫にこの紙は巻かれていなかったということですね?
(珪子)ええ。
陶芸教室のお友達とご飯を食べることになって娘に電話したんです。
そうよね?七菜。
(七菜)うん。
(珪子)そしたら七菜が8時ぐらいに帰るっていうからガスに「2時間一人でお留守番だけどよろしくね」ってちゃんと顔見て言ったんですから。
(牧方)うん。
なるほど。
で娘さんは何時に帰ってきたんですか?
(七菜)9時くらいだったと思います。
でそれで玄関入ったら靴が片方なくなってて。
(太一)怖かっただろうね。
(七菜)超怖かったよ。
(七菜)みんな電話出ないし。
(太一)電車の中だったから。
(健太)自転車乗ってたからさ。
(珪子)お友達と話してたから。
それは出られるでしょ?
(珪子)だってそんなに差し迫ってるって思わなかったから。
でもよく気付いたわね。
靴なんて。
(七菜)そりゃ気付くでしょうよ。
玄関入れば。
お母さんなら気付かないな。
前に。
あの。
左右別々に履いて外出してたもんね。
ああ。
あったね。
車ん中で気付いてね。
(珪子)何よ?お父さんだってこないだ健太の歯ブラシ間違えて使っちゃったって言ったじゃない。
(健太)えっ?聞いてないよそれ。
(珪子)えっ?知らなかったの?
(健太)何で…。
(木下)あっ。
(健太)歯ブラシ替えといてよ。
(木下)すいません。
あのちょっと。
(木下)お話はそれくらいに。
(七菜)はい。
(牧方)つまりこの紙を猫につけたのは奥さんが外出した夕方6時から娘さんが帰宅した夜9時の間。
(珪子)それって警察的にいうと犯行時刻ってやつですか?いや。
一般的にも犯行時刻でしょ。
そっか。
犯行時刻は6時から9時の間か。
(七菜)使いたいだけだよね。
(健太)これってやっぱり家に誰かが入ったってことですよね?
(牧方)奥の勝手口の鍵が開いていました。
そこからでしょう。
(珪子)えっ?締まってたはずなのに?
(牧方)古いタイプの鍵なんでピッキングかもしれません。
防犯カメラ設置されてるんですよね?映像データお借りしてもよろしいでしょうか?あっはい。
もちろん。
ああっ!
(七菜)何?
(珪子)ほら。
5万円。
ねっ?
(一同)ああ。
(牧方)な…何ですか?その5万円っていうのは。
(太一)えっ?あの。
昨日そこの引き出しの中から5万円が消えまして。
やっぱり誰かが入って盗んだんだわ。
(牧方)今回は何か盗まれたものはありませんか?
(珪子)あっ!
(太一・七菜)どうした?ないの?ある。
何だよ?それ。
(七菜)だったらよかったじゃん。
(珪子)でもこの前は盗んだのに。
相当気まぐれな人なのかしら?
(牧方)他に盗まれたものがないかどうか後でよく確かめてみてください。
(一同)分かりました。
はい。
(牧方)いずれにしろドアの鍵は取り換えた方がいいかもしれませんね。
(珪子)はい。
ええ。
ええ。
(牧方)こちらもパトロールを強化しますがくれぐれも戸締まりだけはよろしくお願いします。
気付いたときにはもう手遅れだった
この家は全て名無しさんの手の中にあったんだ
(太一)うまい。
冷凍だろ?
(珪子)そうよね。
最近は冷凍もおいしいのよね。
うどんは。
(七菜)ああ。
怖かったからおなかすいてた。
えっ?怖いと腹減んの?
(七菜)痩せちゃうよ。
マジで。
何ダイエット?これ。
(珪子)お餅残ってるから焼いて入れる?おかめうどん。
(太一)力うどんでしょ?
(珪子)そうだっけ?
(七菜)おかめって何入ってんの?
(珪子)うーん。
ワカメとか。
(七菜)それわかめうどんでしょ?もういいからさちゃんと見ようよ。
(七菜)もう何度見ても同じだって。
怪しい人映ってないよ。
(珪子)犯行時刻の6時から9時の間には誰も映ってないか。
(七菜)使いたいだけだよね。
犯行時刻。
玄関に映ってないってことはさやっぱり裏に回って勝手口から入ったってことだよね?
(七菜)ピッキングとかって簡単にできんのかな?駄目よ。
そんなこと覚えちゃ。
(七菜)やらないよ。
(珪子)うん。
(太一)あの鍵替えよう。
(一同)うん。
(七菜)賛成。
(一同)うん。
(太一)なあ?健太。
うん?
(太一)後でちょっと外見回りに行こう。
うん。
(七菜)お願いね。
(珪子)ねっ?
(太一)まさかうちが誰かに狙われるなんてなぁ。
ハァー。
早く終わるといいな。
えっ?
(太一)ほら。
母さんあんな調子だけど家族のことを一番心配してると思うんだ。
七菜だって就職活動で一番大事な時期だしな。
できることなら母さんと七菜にはこれ以上怖い思いはさせたくない。
そうだね。
(太一)とはいえ…。
(太一)こんな男2人じゃどうにも頼りないか。
親父と一緒にすんなよ。
フフッ。
ハハハ。
いや。
健太。
俺たち2人で守っていこう。
うん。
はい。
あっそうだ。
親父の会社ってナカノ電子部品だったよな?うん。
そうだけど。
この人知ってる?うーん?あっ。

(高橋)おはようございます。
西沢さん。
(摂子)おはよう。
(高橋)いや。
聞きましたよ。
こないだの営業報告会議で真瀬部長に頭下げさせられたらしいじゃないっすか。
西沢さんが謝るなんてびっくりだって社内で噂になってますよ。

(真瀬)おっとっと。
閉めんなよ。
(高橋)おはようございます。
(真瀬)おう。
あらら。
西沢さん。
今日はずいぶんと控えめな服だね。
(真瀬)《派遣社員でもアルバイトは禁止だから》《バレたらこれだよ?》
(真瀬)あっ。
そうだ。
立川電装の佐々木社長と高円寺のパブで飲んだんだよ。
後で領収書を回すから。
(真瀬)よろしく頼むね。
(摂子)分かりました。
(真瀬)さあ今日も張り切っていこうぜ。
(高橋)何だか西沢さん大人になりましたね。
(摂子)うるさい。
(高橋)しゅみません。
あ痛っ!
(太一)あっ。
西沢さん。
(摂子)おはようございます。
(太一)ああ。
おはよう。
ちょっといいかな?
(太一)アサヒ電子さんの一件で先方の米田経理部長に再度確認したよ。
君はやっぱり嘘の証言をしてたんだね。
なぜ真瀬部長をかばったんだい?理由を話してくれないかな?
(摂子)倉田部長にご迷惑をお掛けしたことはホントに申し訳なく思ってます。
でも今はお話しできることはありません。
仕事がありますので。
すみません。
(太一)脅されたのかい?高円寺のお店のことで。
息子の上司が君のファンらしい。
《倉田健太です》倉田健太さん。
ああ。
(摂子)そういえば部長に似てました。
どこか気が弱そうで。
アハハ。
どうもそういうところが私に似てしまったらしい。
(摂子)黙っていてすみませんでした。
(太一)いや。
君みたいなきっちりした人間が就業規則を破ってまでアルバイトをしてるんだ。
よほどの事情があるんだろう。
何か手助けできることがあるんだったら相談してくれないか?
(摂子)人に助けてもらうような話ではありません。
ただ母の介護医療費でお金が必要なだけです。
派遣のお給料だけでは賄いきれないので2年ほど前からそのお店でアルバイトをしてました。
(太一)そうだったのか。
真瀬部長にまんまと弱みを握られてしまいました。
さあこれからどうするつもりだい?
(摂子)悩んでます。
会社を首になるわけにはいかないんですが真瀬部長の言いなりになるのはまっぴらです。
(太一)真瀬部長が君の解雇を社長に進言した場合正直言って私一人の力ではかばいきることは難しいかもしれない。
いや。
まったく面目ない。
そんな。
倉田部長が謝る必要なんてないです。
(太一)いや。
だから。
(摂子)えっ?2人で力を合わせて考えてみないかい?このピンチを乗り切る方法を。

(摂子)聞いてもらってもいいですか?
(太一)ああ。
私に一つアイデアがあります。
(太一)えっ?
(明日香)わざわざメッセージ残すなんて完全に楽しんでますよね?名無しさん。
冗談じゃないですよ。
こっちは深刻なんですから。
(明日香)うん。
(男性)おっ。
(ぶつかる音)
(男性)おい!邪魔だな。
いや。
ちょっ。
大丈夫ですか?
(男性)気を付けろよ。
(明日香)ちょっと!
(明日香)ちゃんと謝るべきじゃないんですか?
(男性)ああ?
(男性)何じろじろ見てんだよ?じろじろ見てんじゃねえ!よいしょ。
気を付けてください。
(女性)ありがとうございます。
世の中あんなやつばっかりですね。
(明日香)ハァー。
素性がバレなきゃ何やったっていいと思ってんですよ。
みんな名無しさんか。
(明日香)にしても何で名無しさん素性がバレるかもしれないのに家に侵入したんだろ?家に電気がついてないのを見て誰もいないって分かったからじゃないですか?
(明日香)うーん。
フッ。
でも夕方の6時から夜の9時なんていつ誰が帰ってきてもおかしくない時間ですよね?ああ。
そうですよね。
(明日香)うん。
しかも防犯カメラを避けて勝手口に回って家に侵入して猫を捕まえて紙を結んでって結構時間かかりますよね?靴を2階に上げたりもしてますもんね。
(明日香)私が名無しさんだったらそんな危険なこと絶対にしないんだけどな。
(明日香)うーん。
それ1本もらっていいですか?
(明日香)えっ?ああ。
はい。
すいません。
(明日香)うーん。
(太一)《カメラなんて全然気付かなかったよ》《柱の裏に設置したから》
(太一)《もう少し分かりづらいところに付けたらどうなんだ?》《もうガレージの奥に付け替えた》
(珪子)《七菜が8時ぐらいに帰るっていうからガスに「2時間一人でお留守番だけどよろしくね」ってちゃんと顔見て言ったんですから》
(明日香)どうしたんですか?そっか。
そういうことだったんだ。
(明日香)うん?名無しさん分かってたんですよ。
しばらく誰も帰ってこないって。
何で?僕の家盗聴されてるかもしれません。
えっ?
(万里江)えっ!?怖っ!
(七菜)靴もさ気持ち悪いから新しいのにしようかと思って。
(万里江)ああ。
あっ。
でもさ次の面接のときに履いてって話題に困ったときに使っちゃえば?
(七菜)いや。
どん引きされるに決まってるでしょそんなの。

(物音)
(七菜)ひっ!・
(物音)・
(ドアノブを回す音)
(万里江)えっ?何?・
(ドアノブを回す音)・
(ドアノブを回す音)・
(ドアの開く音)
(七菜・万里江)あっ!?
(七菜)お母さん。
(珪子)ただいま。
万里江ちゃん。
いらっしゃい。
(万里江)ああ。
どうも。
もう何してんの?
(珪子)外から開けられるかどうか試してみたの。
もうちょっとちゃんと張らないと駄目ね。
もう!
(従業員)どういう目的で盗聴するの?あっ。
いやいやいやいや。
(明日香)盗聴したいんじゃなくって家にあるかもしれない盗聴器を見つけたいんですって。
(従業員)あっ。
そっちね。
(蟹江)やめて。
きたきた。
これきた。
(従業員)ああ。
じゃあこれなんかいいんじゃないのかな?ほとんどの盗聴や盗撮に対応してるから。
5万ですか?
(従業員)安物だと見落とす恐れがあるからね。
これ1台あれば一生安心ですね。
一生って。
そんなに盗聴に悩まされたくないですよ。
これにしましょ。
いやいやいや。
だって。
(明日香)編集長。
(蟹江)「伝説の体育教師とんで開いて」
(明日香)編集長。
(蟹江)何だい?
(明日香)倉田さんがまたギャラの前借りをさせてほしいそうです。
(蟹江)おいおいおい。
前借りってまだろくにうちの仕事してないだろ?
(明日香)じゃあお願いします。
(従業員)はい。
すいません。
(従業員)毎度あり。
蟹江さんに付けとくから。
(蟹江)ちょっ。
おい。
付けなんて冗談じゃないよ。
ハハハ。
付けで。
お願い。
(珪子)えー。
リビング戸締まりよし。
お父さんの部屋よし。
裏窓よし。
勝手口OK。
ハァー。

(門の開閉音)家を見張ってる名無しさんってこんな感じなんですね。
感心してないで急ぎましょう。
はい。
何だかドキドキ…。
(明日香)シッ。
すいません。
あっ。
ああ。
あれって。
シーッ。
ああ。
はい。
どうぞ。
何なんですか?あれ。
盗聴器です。
やっぱり。
2個も。
まだ他の部屋にもあるかもしれません。
嘘でしょ?倉田さんの読みどおりでしたね。
お見事です。
いやいや。
全然うれしくないですよ。
えっ?今も部屋ん中盗聴されてるかもしれないってことですか?おそらくUHF帯の電波を発信するタイプです。
音声を聞けるのはこの家の半径200mぐらいじゃないかな?えっ?えっ?ってことは声を聴くなら家の近くまで来ないといけないってことですか?ええ。
結構不便ですよね。
いやいや。
早く外しましょうよ。
あっ。
ちょっと。
ここで盗聴器を外したら今よりも警戒されて名無しさんを捕まえるのが難しくなると思います。
いや。
それはそうかもしれないですけど。
事件を早く解決したいなら盗聴器はこのままにしておくべきです。
えっ?何でですか?えっ?だって名無しさんにこっちの情報が筒抜けなんですよ?名無しさんは盗聴器を見つけたことをまだ知りません。
必ずまた家の近くに来て会話を盗み聞きするはずです。
ああ。
そこを捕まえるってことですか?前の通りや公園まで見渡せる2階にこっそり防犯カメラを設置しましょう。
家の中にも。
えっ?そんなことしたって。
家族で会話しなければ新しいカメラの位置はバレません。
盗聴器から得られる情報に頼っている名無しさんは必ず姿をさらけ出すでしょう。
分かりましたよ。
では他の部屋も確認しましょう。
(中嶋)波戸先生。
(中嶋・松原)お疲れさまでした。
(波戸)お疲れさまでした。
(中嶋・松原)ウフフ。
(珪子)うーん。
(波戸)決まりました?
(珪子)うーん。
これにします。
(波戸)賛成です。
(珪子)ああ。
(波戸)いやー。
やっぱり倉田さんとは好みが合うんだなぁ。
(珪子)何言ってんですか?
(波戸)入賞できるといいですね。
市民コンクール。
無理ですよ私なんて。
あっ。
これありがとうございました。
(波戸)あっいえ。
こちらこそ。
わざわざ着けてきていただいて。
(珪子)カワイイから。
(波戸)似合います。
(民子)珪子さん。
はい。
(民子)お待たせ。
(珪子)じゃあよろしくお願いします。
(波戸)はい。
(民子)お話し中ごめんなさい。
(珪子)大丈夫。
さよなら。
(波戸)お疲れさまでした。
(民子)失礼します。
(民子)お邪魔しちゃってごめんあそばせ。
(珪子)そんなことないですよ。
(民子)ブローチ。
やっぱり先生喜んでくれたね。
(珪子)民子さんが言うから着けてきたんですよ。
(民子)授業中もずっとちらちら見てたし珪子さんのこと。
もうやめてくださいよ。
(摂子)運送会社に当たって配送記録を取り寄せました。
(太一)さすが領収書デカだ。
(摂子)殉職寸前ですけど。
大丈夫。
これできっと真瀬部長と戦えるよ。
ハァー。
(真瀬)じゃあ行ってこい。
(社員)いってきます。
(真瀬)うん。
(若葉)真瀬部長。
(真瀬)あっ!?
(若葉)お疲れさまです。
(真瀬)お疲れ。
(若葉)どうされましたか?
(真瀬)いや。
別に。
ハァー。
疲れますね。
盗聴器探すのって。
結局収穫はリビングの2つだけでしたか。
十分ですよ。
いや。
むしろ多い方です。
じゃあ汗もかいたしシャワー浴びますね。
浴びるんですか?浴びるわけないじゃないですか。
ああ。
いや。
そろそろ家族帰ってきますから。

(珪子)あれ?健太いるの?嘘!?
(珪子)何してんの?お…お風呂入ろうかなと思ってさ。
(珪子)えっ?もうお風呂?うん。
ああ。
持つ持つ持つ持つ持つ。
(珪子)アハハ。
(戸の開く音)お邪魔しております。
(珪子)えっ?何?いや。
やだ。
もう。
あっ。
お邪魔だったかしら?いやいやいや。
違うんだよ。
母さん。
これ事情があって。
(珪子)えっ?何?事情って。
いや。
それは。
(明日香)初めまして。
神取明日香と申します。
(珪子)えっ?プロレスラーみたいね。
母さん。
(明日香)よく言われます。
(珪子)ああ。
何だか恥ずかしいわ。
傷んだ髪用のシャンプーとか見られちゃって。
いや。
もう母さん。
(珪子)あっ。
あっ。
どうぞどうぞ。
後は若いお二人でごゆっくり。
いや。
お見合いじゃないんだからさ。

(七菜)ただいま。
(珪子)七菜。
七菜。
ちょっと来て。
いいよいいよいいよ。
(珪子)こっちこっちこっち。

(七菜)何?また何かあった?
(珪子)来て来て。
おおー。
(珪子)すごいべっぴんさんでしょ?
(七菜)どちらさまで?
(明日香)健太さんの職場の仲間の神取明日香と申します。
何かプロレスラーみたいな名前ですね。
七菜。
(明日香)よく言われます。
(七菜)お兄ちゃんの彼女さんですか?
(明日香)それはどうでしょう?ちゃんと否定してくださいよ。
もう。
ややこしくなるんだから。
(シャッター音)
(珪子)健太。
並んで。
撮るなよ。
いい。
いいから。
並んで。
何だよ?はい。
(珪子)はい。
チーズ。
いや。
違うんだって。
違うんだって。
健太の会社の?あっ。
そうですか。
(明日香)神取明日香と申します。
(太一)息子がいつもお世話になってます。
でもそのお名前ってあれみたいですね。
親父。
『エヴァンゲリオン』の。
そっちかよ。
たまに言われます。
言われんだ。
(珪子)何だか久しぶりにわが家にも春が来たって感じよね。
どんどん召し上がってくださいね。
(明日香)ありがとうございます。
(七菜)ちょっと待って。
ねえ?これ何?マーボー豆腐。
(珪子)うん。
お豆腐の代わりにねアロエを入れるとおいしいって聞いたからやってみたの。
お肌にもいいんですよ。
(七菜)何もこんなときに変化球料理出さなくていいじゃん。
(珪子)いつもの家庭の味を押し付けられても困っちゃうでしょ?嫁姑っていうのはそういうこまやかな気配りが大事なんですから。
(七菜)気が早いって。
名無しさんのことで色々相談乗ってもらってるだけ。
(明日香)なかなか面白い取材対象だなと思いまして。
(太一)取材?あっいや。
あのう。
前におんなじようなね事件を取材したことあるみたい。
(太一)ああ。
そういうことですか。
(珪子)どう思います?うちを狙ってる名無しさん。
盗まれたものは5万円以外に何かありました?あっ。
よくご存じね。
(太一)ああ。
特にはありません。
通帳とか貴金属とかもセーフ。
名無しさんはお金目的じゃないと思います。
じゃあ何ですか?
(明日香)一般的にストーカーというのは相手の全てを知りたがるものです。
自分が相手を支配してるような優越感に浸れますから。
(七菜)ふーん。
(明日香)名無しさんが一番今欲しいものは皆さんの個人情報かもしれません。
(七菜)個人情報?
(珪子)うん?
(明日香)例えば昔使っていた携帯電話とか。
(珪子)えっ?
(明日香)画像や連絡先やスケジュール。
まさに個人情報の宝庫ですよね。
(珪子)ああ。
あっ。
携帯?古い?
(太一)うん。
古い。
(珪子)あっ。
お父さん。
どこ?携帯。
(太一)えっ?お母さん。
眼鏡。
(珪子)やだ。
うん。
そうよ。
(明日香)どうでした?ありましたよ。
こんな話盗聴器の前でしない方がよかったんじゃないですか?こんな話って嫁姑うんぬんのくだりですか?いや。
違いますよ。
個人情報うんぬんの話です。
ああ。
いいんです。
逆に気が付いてないって思わせることができますから。

(珪子)あった。
ああ。
あった。
よかった。
(太一)ドキッとしたよ。
明日香さんが脅かすから。
(珪子)ねえ。
フフッ。
ちっちゃいのね。
フフフ。
どうしたの?
(七菜)ない。
(一同)えっ?私が前に使ってた携帯と充電器がないの。
(珪子)えっ?どこ入れてたの?
(七菜)クロゼットの中。
(太一)別の場所にあるんじゃないのか?
(七菜)絶対あそこに入れたんだって。
(珪子)ホント?
(七菜)ホントに!
(従業員)シルビアさん。
ご指名入りました。
(摂子)すみません。
(男性)あっ。
ああ。
(真瀬)おおー。
シルビアちゃん。
待ってたぴょん。
どうぞ。
(摂子)いらっしゃいませ。
(真瀬)何だよ何だよ。
もっとうれしそうな顔で迎えてくれよ。
お客さまなんだから。
(摂子)今夜はどうされたんですか?
(真瀬)作ってくれる?
(真瀬)ちょっと聞きたいことがあってな。
(摂子)プライベートなことはお話しできない決まりなんです。
(真瀬)倉田のおっさんと何を嗅ぎ回ってんだよ?
(摂子)さあ。
何のことでしょう?
(真瀬)どうせ俺の不正でも見つけてそれをねたに交渉しようって腹だろう?分かってんだよ。
弱みを握られたら逆に握り返す。
それぐらいのことしかやることねえもんな。
でどんなねたを見つけたんだよ?
(摂子)何も見つけてませんよ。
そんなものは。
(真瀬)あっそう。
じゃあ今すぐ社長に電話して君がアルバイトをしてることを伝えよう。
(摂子)待ってください。
なら聞いてることに答えてちょうだいよ。
会社の番頭を任されてる君がアルバイトをしていたんだ。
上司の倉田のおっさんに責任を取ってもらうことだってできるんだよ。
この俺の一言でな。
(摂子)カリタ印刷…。
カリタ印刷に発注している小冊子の件です。
ほう。
(摂子)カリタ印刷には製品カタログと営業用の小冊子を毎年4万部ずつ発注してますよね?それが?
(摂子)製品カタログの取引に関しては何の不正も見当たりませんでした。
問題は小冊子の方です。
あれは営業部員たちのプロフィルやお薦めの商品とか載せていて名刺代わりの1冊として好評なんだよ。
小冊子の印刷代として200万円をカリタ印刷に支払ってますよね?正当な額だと思うよ。
問題ない。
帳簿上は問題ありません。
でも取引先数十社に確認を取ったところそんなものはもらったことがないという回答を得ました。
それに実際に倉庫に確認に行ったところ製品カタログがまだ山積みになってたのに小冊子は一束しかありませんでした。
ホントはあの小冊子4万部なんて印刷してないんじゃないですか?実際は水増し発注で小冊子は全て納品されたわけではなく支払った費用のほとんどを真瀬部長がカリタ印刷からキックバックしてもらってるんじゃないですか?
(真瀬)オーマイゴッド。
フフフ。
とんだぬれぎぬを着せられたもんだな。
カリタ印刷に確認すればいいじゃないか?
(摂子)いいえ。
そちらには真瀬部長が根回しをされていると思ったので運送会社のエドヤ通運に問い合わせをしました。
エドヤ通運?
(摂子)配送記録が残ってました。
4月7日。
カリタ印刷からうちへ製品カタログ4万部が配送されていました。
でも営業用小冊子はたったの100部だけでした。
つまり小冊子は100部しか印刷されていなかったということです。
ハハハ。
まさか運送会社まで調べてたとはな。
恐ろしい女だ。
味方にしておいてホントによかった。
でいつどこでこれを暴くんだ?次の営業報告会議です。
(真瀬)あちゃー。
ああ。
じゃあそれまでに君のその明晰な頭脳でうまい言い訳を考えといてよ。
おい。
ボーイ。
(従業員)はい。
(真瀬)会計。
(従業員)かしこまりました。
(真瀬)もちろん俺に情報を漏らしたことは倉田のおっさんには内緒だよ。
(真瀬)自分の立場分かってるよね?シルビアちゃん。
(真瀬)素晴らしい言い訳を期待してるよ。

(従業員)失礼します。
お待たせしました。
(真瀬)領収書ちょうだい。
(従業員)はい。
(真瀬)前株でナカノ電子部品。
(従業員)はい。
(真瀬)ナカノは片仮名でよろしく。
(従業員)片仮名で。
かしこまりました。

(ドアの開く音)・
(明日香)おはようございます。
おはようございます。
(明日香)どうですか?また音沙汰なしです。
(明日香)うん。
何してんだろ?名無しさん。
何か最近やる気ないみたいですね。
何ですか?その言い方。
あっ。
失礼。
もうこれで終わりだったらそれが一番いいんですけど。
妹さんの携帯は?特に新しい嫌がらせはないみたいです。
(明日香)ふーん。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
(七菜)「乳牛買ってきて」牛乳だろ。
ハァー。

(バイブレーターの音)
(太一)営業報告会議に行ってくる。
(摂子)倉田部長。
あのう。
(太一)心配しなくても大丈夫だよ。
必ずうまくいく。
(高橋)いってらっしゃい。
(若葉)いってらっしゃい。
(真瀬)オルガ電器さんのSIMカード用コネクタ受注に成功したことで中間の売り上げ目標はすでに達成いたしました。
(一同)すごい。
おおー。
(真瀬)今後は前期比20%アップを目指します。
(持川)素晴らしい。
期待してますよ。
真瀬部長。
(真瀬)お任せください。
(拍手)
(真瀬)ありがとうございます。
ありがとうございます。
(持川)えー。
では本日の営業報告会議は終了させていただきます。
(太一)ちょっとよろしいでしょうか?
(真瀬)チッ。
(持川)どうしました?倉田部長。
営業部が発行している宣伝用の小冊子について真瀬部長にお伺いしたいことがあるんですが。
小冊子?
(太一)資料をお配りします。
小冊子は毎年4万部発行しその印刷代として200万円が発注先のカリタ印刷に支払われております。
(真瀬)おっしゃるとおりですが。
2ページ目をご覧ください。
配送を担当するエドヤ通運の記録では小冊子は100部しかわが社に運ばれておりません。
つまり小冊子は本当は100部しか印刷されていなかった。
真瀬部長は水増し発注をし余分に支払っていた印刷代をキックバックさせていたんじゃありませんか?
(持川)真瀬部長。
どうですか?
(真瀬)フフフ。
その件につきましては総務部さんから事前に指摘を受けてちゃんと調べてもらったはずなんですけどね。
えっ?
(真瀬)今資料を持ってきてもらってますから。

(ノック)
(摂子)失礼いたします。
(真瀬)カリタ印刷さんにはきちんと4万部刷ってもらってそのうちの100部は本社の倉庫。
残りは所沢にある配送センターにストックとして置いてもらってるだけです。
そんな。
(真瀬)所沢の吉岡センター長に聞いてもらえば分かることです。
倉田さんにも西沢さんからてっきり報告がいってると思ったんですけどね。
(摂子)申し訳ございませんでした。
(太一)西沢さん。
(真瀬)倉田さん。
あなたも毎度毎度私の揚げ足を取ることばかり考えてないでまずは部署内のホウレンソウからきっちり整理した方がよろしいんじゃないですか?
(社員)ハハハ。
(持川)いやー。
では本日の営業報告会議は終了させていただきます。
(太一)待ってください。
(持川)何ですか!?倉田部長。
ここに真瀬部長から提出された領収書があります。
(真瀬)しつこいな!カリタ印刷の件はもう終了したはずだ!
(太一)この領収書はカリタ印刷とは関係ありません。
(太一)これは高円寺にある熟女パブマダム・ジョセフィーヌのものです。
真瀬部長はこの店を立川電装の佐々木社長の接待に使ってますよね?それは先方に確認してもらえば分かるはずです。
(太一)また根回し済みですか?
(真瀬)バカなこと言うな!
(太一)いや。
真瀬部長はこの店で佐々木社長と会っていません。
どこにそんな証拠があるんだ?
(太一)これです。
(一同)えっ?あっ。
これって。
西沢さんじゃないの?
(太一)実はこの店で西沢さんがアルバイトをしています。
真瀬部長は佐々木社長を接待していたのではなくこの店を使って西沢さんと2人でホントは会ってたんですよね?就業規則を破ってアルバイトをしていた西沢さんを脅しカリタ印刷の件を事前に聞きだしていたんじゃありませんか?
(真瀬)何を言ってるんだ?私は佐々木社長の接待で。
(太一)でも佐々木社長はいないじゃありませんか?
(摂子)いいえ。
佐々木社長はいらっしゃいました。
(一同)えっ?
(摂子)本当に申し訳ありませんでした。
私は母の介護医療費のためにアルバイトをしていました。
真瀬部長は佐々木社長とたまたま店を訪れたときに私と会って社長がお帰りになられた後に私の話を親身になって聞いてくださったんです。
(持川)では真瀬部長は本当に接待でその店を使っていたってことですか?はい。
(太一)いやいやいや。
そうでしたか。
いやー。
真瀬部長。
いや。
それは大変失礼いたしました。
えっ?で真瀬部長は?君はわが社にどうしても必要な人材だ。
持川社長には私から説明する。
理由も理由だし人情家の社長ならきっと分かってくださるはずだとおっしゃってくださいました。
(太一)うん。
本来なら直属の上司である私が相談に乗るべきところを。
すみませんでした。
いやー。
しかし真瀬部長。
さすがですね。
おっしゃるとおりだと思います。
西沢さん。
(摂子)はい。
(太一)それでアルバイトの方は?
(摂子)もう辞めました。
(太一)そうですか。
持川社長。
ここは真瀬部長と私に免じてどうか温情あふれるご裁量を頂けないでしょうか?ねえ?真瀬部長。
(真瀬)うーん。
(持川)分かりました。
お二人がそうまでおっしゃるなら仕方ありませんね。
(持川)就業規定違反ではありますが今回は特別に西沢さんの一件は不問といたしましょう。
(太一)ありがとうございます。

(真瀬)最初からこういう筋書きだったのか?
(太一)筋書き?
(真瀬)何でもいいから疑惑を見つけて俺が西沢を脅してくるのを待ってたんだろう?
(太一)さあ。
何のことでしょう?
(摂子)真瀬部長。
私をかばっていただきありがとうございました。
これからは思う存分働かせていただきますので。
(真瀬)おい。
あの写真どこで手に入れた?
(太一)真瀬部長。
あなたは社内に多くのスパイを抱えていらっしゃる。
でもね私にもいるんですよ。
取って置きのスパイが。
(太一)何とか乗り切ったね。
(摂子)すみませんでした。
(太一)えっ?
(摂子)結局倉田部長は間違った報告をしたことになってしまいました。
それにカリタ印刷の不正も見逃すことになってしまって。
(太一)西沢さんを取り戻すことができたんだ。
ハハハ。
安いもんだよ。
あっ。
お母さんの介護医療費大丈夫なの?できるとこまで貯金を切り崩します。
その間に真瀬部長に必ず頭を下げさせます。
ずいぶん恨んでるんだね。
(摂子)あの屈辱の謝罪だけは許せません。
絶対。
できるかなぁ?
(摂子)えっ?私も今までいろんなサラリーマンと出会ってきたけど彼ほど金に執着している人間を見たことがない。
しかも狡猾で悪びれてない。
(摂子)倉田部長がいらっしゃる間ならやれると思いますよ。
言ってくれたじゃないですか。
2人で知恵を絞って乗り切ろうって。

(珪子)この間5万円下ろして引き出しに入れてたのにさっき見たらなくなってたの。
(太一)鍵替えたばかりなのにな。
家には誰もいなかったの?2時間ぐらい買い物に出てたから。
じゃあその間にまた名無しさんが?もしもし?明日香さん?今日も残業ですか?
(明日香)今帰るとこですけど?どうしたんですか?こんな時間に。
さみしくなっちゃいました?違いますよ。
またうちでお金が盗まれました。
(明日香)リビングの防犯カメラは?今チェックしてます。
(明日香)えー!私も見たいな。
あっ。
今から行きましょうか?いや。
いいですよ。
あしたちゃんと持っていきますから。
(明日香)じゃあ何か映ってたらすぐに電話してくださいね。
分かりました。
失礼します。
嘘だろ?2015/05/04(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
ようこそ、わが家へ #04[字][デ]【ストーカー最接近!!遂に家族の反撃が始まる!!】

「ストーカー最接近!遂に家族の反撃が始まる!」
原作・池井戸潤 相葉雅紀 沢尻エリカ 有村架純 佐藤二朗 竹中直人 南果歩 寺尾聰 ほか

詳細情報
番組内容
 相次ぐストーカーからの嫌がらせに悩む倉田家。ついに何者かが家の中に忍び込んだ。飼い猫、ガスの首輪に「おじゃましました」というメモが巻かれていたのだ。健太(相葉雅紀)は、防犯カメラの映像を確認するも、忍び込む姿はどこにも写っていない…。
 その夜、健太は太一(寺尾聰)と就寝前に自宅の周辺を見回りに行く。太一は珪子(南果歩)と七菜(有村架純)には、これ以上怖い思いをさせたくないと話す。そんな太一に
番組内容2
健太はスマートフォンで撮影した、ある画像を見せた。
 翌日、『ナカノ電子部品』に出社した太一は、西沢摂子(山口紗弥加)を会議室に呼ぶ。太一は『アサヒ電子』の件で、なぜ不正の疑惑のある真瀬博樹(竹中直人)をかばったのかを尋ねる。答えようとしない摂子に、太一は健太が撮った画像を見せた。それは、熟女パブで摂子が働き、さらに真瀬を接待している姿だった。摂子は母親の介護医療費を捻出するために副業として
番組内容3
働いているのだが、『ナカノ電子部品』ではアルバイトは禁止されている。そのため、真瀬に脅されていたのだ。太一は摂子に、このピンチを乗り切る方法を探そうと提案。すると摂子はアイデアを思いつく。
 健太は神取明日香(沢尻エリカ)に、昨日の出来事を話す。そしてあることに気づく。ストーカーは、家に誰もいないことを知っていたのではないだろうか。つまり、家の中に盗聴器が仕掛けられているのではないだろうか、と…。
出演者
相葉雅紀 
沢尻エリカ 
有村架純 
佐藤二朗 
山口紗弥加 
眞島秀和 
堀内敬子 
足立梨花 
藤井流星(ジャニーズWEST) 
高田純次
 ・ 
竹中直人
 ・ 
近藤芳正 
南果歩 
寺尾聰 


スタッフ
【原作】
池井戸潤「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫) 

【脚本】
黒岩勉
(『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』『ストロベリーナイト』『謎解きはディナーのあとで』など) 

【プロデュース】
羽鳥健一
(『信長協奏曲』『東京にオリンピックを呼んだ男』『高校入試』など) 

【演出】
中江功
(『若者たち2014』『海の上の診療所』『Dr.コト—診療所』シリーズなど)
スタッフ2
谷村正樹
(『ラストホープ』『最後から二番目の恋』『全開ガール』など) 

【主題歌】
嵐『青空の下、キミのとなり』(ジェイ・ストーム) 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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