思いもかけず…
(並木)いいね。
めっちゃいい。
道なき道を歩きだし…
(一子)P?AP?
右も左も分からぬままに猪突猛進
ちゃんと見て頂けませんか?
(石野)オーディションの情報あげるからチャレンジしてみたら?オーディション…。
足取りもおぼつかない二人三脚
いいわねちゃんとやんのよ。
人の事言えるの?
やっとの思いで芸能界の山裾にたどりついた沢渡一子と向坂遼
この人できます。
(吉村)一つ二つ!
山の頂ははるかに遠く雲の上…
スターねやっぱり。
(飯塚)よ〜いスタート!心の声
(遼)あっ…やべっ!うわっ…うわっ!カット!カット!おいこら!
(飯塚)なに生き返ってんだよ!芝居が台なしだよ!あなたが今何考えてるか当ててみましょうか。
死ぬほど悔しい。
やっとやる気になったかもしれない男とその男を売り出すのに躍起になっている女の物語
・「足りないモノなら」・「とっくにあるから」・「失う事なんて何にもこわくない」・「小さな夢ならば」・「叶わないだろう」・「大きな夢だから」・「今まだ走ってるんだろう」・「もう一歩って」・「例えばそれが最後の」・「一歩になっても」・「悔やまないように」・「もう一歩って」・「踏み出す僕らの勇気は」・「100歩分以上の意味を持つから」・「あと一歩って」・「どれだけカッコ悪くって」・「笑われてたって諦めない」・「あと一歩って」・「踏ん張る僕らの心が」・「世界を動かすチカラになる」まゆ!てつやくん!まゆ!
(監督)はいカット!OK!はいOK!チェックしま〜す!はいチェック!ちょっとどいて!暑いね〜今日は。
何度あるの?今日もう…。
(スタッフ)はい次カット23!こっちから撮りま〜す!悔しいわね。
別に。
いつまでもエキストラはやらせないから。
私取ってくるわよ大きい役。
あなたのためにあなたにふさわしい役。
絶対にね。
(並木)えっ?今後?「向坂遼をどうやって売り出すか」です。
ああ…それはやっぱ営業あるのみでしょうねぇ。
どうやって?うん…。
ほらこの間名刺で紹介した佐山プロデューサー!亡くなってました肝硬変で。
さやちんが…?あっじゃ猪俣さん!胃ガンで。
胃…。
はぁ〜時の流れというのは残酷だなぁ。
もういいです。
自分で考えます!ほんとに上着なしでも汗ばむくらいの陽気で外を歩く人…。
(三島)あっ…。
せんだってはエキストラでお世話になった「大塩の乱」ですけどプロデューサーの方のお名前は?えっと…村木です。
今どちらに?会議中です。
会議中。
あっすいませんちょっと。
すいませんあの…。
せんだってはお世話になりました沢渡と申します。
これよろしくお願いします。
(村木)困るよこんな所で。
止まれよ!プロデューサー。
プロデューサー。
プロデューサー。
吉田…。
吉田努。
吉田…。
(一臣)お休みなさい。
(敬吾)うんお休み。
まだやってるの?会議のあとの一服はたまりませんねぇ。
あっ…すいません火を貸して頂けます?
(吉田)ああはいはい。
あの〜プロデューサーの吉田さんですよね?ああそうだけど。
先日のドラマ「みんなの太陽」拝見しました。
すばらしかったです。
あっそう見てくれたんだ。
次の作品はあの…うちの新人俳優をぜひ。
ああ…なるほど。
(せきこみ)大丈夫?お願いします。
(たどころ)沢渡。
お前何しとんねん?あのプロデューサータバコ好きって聞いたんで。
はぁ?こっちも吸えば親しみ持ってもらえるかなと思って。
それ向坂遼の仕事か?ええ。
俺の仕事もせえ!帰りました。
(2人)お帰りなさい。
由実ちゃん由実ちゃん。
はぁ〜。
一人前にはぁはぁ言うなお前。
一子ちゃん。
沢渡です。
いい知らせですよ〜。
えっ?遼くん!オーディションですよスペシャルドラマの。
何ですか?それ!すごいですよ〜。
映画界の巨匠加納洋輔初のテレビドラマ作品!ヤマトテレビ開局50周年記念ドラマ「カショクの女美しき殺意」。
でね相手役の男優さんをオーディションで選ぶんだって。
チャンスでしょう?これどこから届いたんですか?まだね1人生き残ってるプロデューサーがいたの。
はぁ?「あのサスペンスの女王が帰ってくる」。
主役中里麗子。
中里麗子…。
まあ彼女もねサスペンスで一時代を築いた女優さんだからね。
この仕事必ず取ります!これが原作よ。
読みなさい。
それと…オーディションのシミュレーション。
仮想質問。
加納洋輔監督の過去の作品やインタビューからどんな質問をされるか予想してみたの。
これも読んでおいて。
よくここまでやるわ。
当然でしょ。
あのさ前に言ってたよね見返してやるとかなんとか。
あれどういう意味?男を見返してやりたいって事?男は男だけど…。
飛ばされたのよ私。
飛ばされた?左遷されたって事。
だから社長に宣言したの。
ひのでプロモーションを立て直します。
5年…いえ3年以内に業界トップの座に引き上げてみせます。
(晴彦)業界トップ。
それさえ果たせば晴れて本社に復帰できる訳本部長として。
何よ?じゃあやってる事って全部自分のためかよ。
ひのでプロのためでもあるわよ。
弱小プロダクションを助ける訳でしょ。
でも要はあんたのためって事じゃないか。
だから何?いや何って…。
誰だって自分のためにやってるの。
でしょ?あんたもほら自分のためにやんなさい!…ったくもう何やってんのよ!
(石野)やあ。
(右京)おはようございます。
あっどうも。
やっぱり来てたね。
彼は?ちょっと待ち合わせしてて。
そう。
じゃあお互いに頑張ろう。
ねっ。
失礼します。
何やってたのよ!?バイトなんてもうやめなさい!俺の勝手だろ。
何よ!そ…その言い方は!走って!走ってるよ!すいません!すいません32番の向坂遼です。
ひのでプロの。
32?じゃあ急いで下さい。
(ドアが閉まる音)どうだった?最悪。
私の作った質問は?何の役にも立たなかったよ。
すぐ発表だってさ。
えっ?
(森本)オーディションのあとすぐに記者発表なんて普通あるか?
(加藤)まあな。
一体どういう魂胆なんだよ?主演の中里麗子さん監督の加納洋輔さんにご入場頂きます。
(拍手とカメラのシャッター音)中里麗子…。
(山本)では発表します。
相手役の長谷部仁役に決まったのは鷲見右京くん!鷲見くん前へどうぞ。
あの子…。
ありがとうございます。
やられたな。
こっちはあて馬かよ。
(竹居)モリスエージェンシーの出来レース。
ああ…。
そういう事?あんた悔しくないの?別に。
お疲れさま。
おめでとうございます。
ありがとう。
君が期待の新人か。
ああ…向坂遼です。
モリスエージェンーの石野です。
よろしく。
あの…この刑事役もう決まってたんですか?いやそういう訳でもないんだけどね。
(麗子)石野ちゃ〜ん。
よかったじゃな〜い。
よろしくお願いします。
あっ。
モリスエージェンシー。
中里麗子。
こちらひのでプロの…。
ひのでプロ?まだ役者なんていたの?沢渡です。
あなた女優さん?マネージャーです。
じゃあ女優志望だったの?マネージャーです。
中里さんもうちょっとお話聞かせてもらっていいですかね?は〜い。
行きましょう。
はいはい。
そうだ。
ねえ並木さんお元気?ああ…はい。
じゃあ。
きったないわね!あの女優のコネよ。
裏で糸引いてたのよ。
だからあの子相手役取れたのよ!もう信じらんない!32番の方いらっしゃいますか?32番の方いらっしゃいますか?32番…。
あなた今度は何やったの?
(並木)やったじゃな〜い!すばらしい!でもセリフ1つだけですけど。
セリフ1つありゃ立派な俳優さんですよ。
それも加納監督の作品だよ〜。
でそのセリフいうんは?ほら。
「ちわ福々軒です」。
(4人)はっ?「ちわ福々軒で〜す」。
(由実)福々軒?中華の出前持ちの役よ。
(もなみ亜依)出前持ち!?という訳で巨匠加納洋輔監督のドラマにうちの若い役者が出る事になりました。
ほう。
ヤマトテレビの開局50周年記念ドラマです。
でその役者は有望なのかね?もちろんです。
スターにしてみせます。
3年後に戻ると申しましたけれどもっと早くなるかもしれません。
ほう。
今日はそのご報告に参りました。
今後の報告楽しみにしてるよ。
ありがとうございます。
(柳田)それでは「カショクの女美しき殺意」の全体顔合わせを始めさせて頂きます。
まずご紹介します。
主演の長倉葉子役中里麗子さんです。
中里です。
どうぞよろしく。
(拍手)
(柳田)そして刑事長谷部仁役の鷲見右京さん。
よろしくお願い致します。
(拍手)では監督からひと言お願いします。
(加納)今回は「カショクの女美しき殺意」に参加してくれてありがとう。
この作品の原作はベストセラーのミステリー「飢えた罠」ですが主人公の大学教授をあえて女性に設定しました。
彼女は綿密な計画のもと連続殺人を行う。
しかし若い刑事の執ような追求によるストレスから過食症に陥り結局は自ら罪を認める。
まあそういう筋立てだが…。
「カショク」ってこっちの過食?「あなたのアリバイは完璧でした」。
「言われるまでもないわ。
私は何もやってないんですから」。
「ただ少しばかり完璧すぎましたね」。
「えっ?」。
(笠谷)「長谷部立ち上がって一礼し出ていく。
葉子イライラと電話を手にする。
そこに出前持ちが入ってきて」。
「ちわ福々軒で〜す」。
「葉子の前に皿や丼を次々に置いて出ていくと」。
「葉子がつがつと食べ始め」。
あ〜ちょっと待って。
う〜んこのままラストはないな。
よしちょっと本変えよう。
(2人)えっ?君出前持ちの。
はぁ。
(加納)これ言って。
丼置いて皿置いてる間に葉子は立つ。
彼に近づいて「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
そのあとに「あんたおかしいよ」と入れる。
うんこれでいってみよう。
麗子ちゃんいいよね。
監督の希望に添うのが女優よ。
先生それでいいよね。
いいか?君のひと言がヒロインの気持ちを変えるんだ。
大事なセリフだよ。
となると長谷部のとどめのセリフ「完璧すぎましたね」はなし。
カットね。
(並木)すごいじゃない!それまさにげ…下克上じゃない!ねっ!はぁ…。
起きるもんやな!芸能界のダイナミズム。
まさかのミラクルや!頑張んのよ。
ねっ!ああ…。
用意スタート。
「ちわ福々軒です」。
「そこ置いてくれる?」。
「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
ダメダメダメ。
セリフに気持ちが入ってない。
もう一回。
あっ戻さなくていい。
そこから。
はい用意スタート。
「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
違うんだよ。
それじゃ全然愛がない。
愛?自分を心配してくれる出前持ちの言葉に愛を感じてヒロインは自首を決意するんだよ。
ねえいつまでここに引っ掛かってんの?はい用意スタート!「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
カット。
やり直し。
ちょっともう休憩にして。
何よあの子。
すいません。
すいませんじゃ済まないわよ!あの…じゃどうすればいいんですか?何よその態度!まあまあまあまあまあ。
だって私の稽古が全然進まないじゃない。
分かります。
(加納)よ〜いスタート。
「あんたおかしいよ」。
もういい。
撮影日までに稽古しろ。
じゃ次のシーンいくよ。
はい。
それじゃ読みに戻りま〜す。
やっとだ。
よ〜いはい!「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
カット!ダメ。
全然愛がない。
あんたに愛が分かんのかよ?そらもっともな意見やな。
いい?このひと言でヒロインの気持ちは変わるの。
自分を心配してくれる出前持ちの言葉に愛を感じたからよ愛を。
台本読み込んでますねぇ。
受け売りじゃねえか。
しかしこの過食の大学教授が殺人犯やてムチャクチャやなぁこれ。
あなたはね日頃から人と接してないからそういう事になるのよ。
愛が分かんないのよ。
彼女いてへんのか?別に。
友達は…いそうにないわね。
家族は?
(樫村)お母さんとか。
子供のころ別れたんで。
う〜んやっぱ愛ある家庭というのを見せなきゃいけないのかもしれませんねぇ。
そう…ですね。
私?痛いんだけど。
だったら早く歩きなさいよ。
ただいま。
(俊子)いらっしゃ〜い。
お待ちしてましたのよ。
どうも。
あれが父。
ちょっとねボケちゃったみたいなの。
元新聞社の編集主幹。
お偉いさん。
定年退職してねがっくり来たみたいなのよね。
はぁ…。
(梨花)ただいま〜。
(俊子)お帰り〜。
今日すっごい疲れた。
えっ…彼役者の?どうも。
ちょっと…。
何?何?痛い痛い痛い。
何よ?いい?今日は彼に愛を教えるのよ愛を。
(2人)愛?どうぞ。
ああどうも。
どうしたの?な〜に言ってんのあなた。
じゃあみんな頂きま〜す。
(一同)頂きま〜す。
どう?おいしいです。
よかった。
ふだんちゃんと食べてるの?1人暮らしなんでしょ?はいまあ。
ドレッシングは?ああ…ほい。
はいたっくさん食べてね〜。
お母さん今日変。
う〜んおいしいわ。
ああ…。
でもすごいよね。
いきなり加納監督の作品だなんて。
出演するだけでも大変なんでしょ?そりゃそうよ。
最後の大物監督だもの。
ねえおとうさん。
で梨花ちゃん仕事は?銀行の方はどうなの?ああ…まあまあかな。
そう。
僕は家具の輸入会社で調達やってるんだ。
主にヨーロッパからで出張が多くてね。
そうなんですか。
ねえ芸能事務所なんでしょ。
他にはどんな人がいるの?え〜と…。
だからいろいろよいろいろ。
秘密だって言って教えてくれないのよ。
でも大きな事務所なんでしょう?「ショービジネスに打って出る」だもんねぇ。
あっおしょうゆ切れてるわね。
ああはいはい。
何やってんの!私がやるわよ。
どうしたの?いいから!やだもう〜割れちゃったじゃない!ごめん。
ごめんね。
ちょっと危ない。
危ない危ない。
(篤史)われ鍋にとじ蓋!ふつつかな娘ですがよろしくお願いします。
駅そっちよ。
分かってるよ。
「分かってます」でしょ。
ねえちょっとは愛が分かったかしら?ひどい芝居見せられたよ。
何の事かしら?旦那さんありゃ相当無理してるな。
無理?我慢してるって事あんたに。
そんな訳ないじゃない。
無礼ね。
「ありがとうございました」でしょ!セリフ稽古すんのよ!おう。
うん?あなた無理してるの?えっ?私に我慢してる?そんな事ないよ。
そうよね。
(加納)よ〜しじゃあ本番いこう。
(ブザー)はいVTR回った!よ〜いはい!「あなたのアリバイは完璧でした」。
「言われるまでもないわ。
私は何もやってないんですから」。
「それじゃあこれで」。
「ご苦労さま」。
「あっ福…福々軒さん?出前お願いします。
ラーメンとチャーハンと八宝菜。
それからギョーザ4人前。
城北大の長倉です。
なるべく早くお願いね」。
カット!はいOKで〜す!
(拍手)さあいよいよね。
「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
(笠谷)カット!もう一本いきま〜す!「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
「あんた…おかしいよ」。
「あんたおかしいよ」。
「あんたおかしいよ」。
バカか!「あんた」。
(笠谷)カット!
(ため息)
(ざわめき)君は相手を軽蔑しきってる。
愛がないんだよ愛が!今日はやめだ。
やめ!監督困りますよ。
(加納)無理なもんは無理だ。
監督!
(並木)大変だよ。
とんでもない事だよ撮影飛ばすなんて…。
こうなったら分かった!すぐ謝りに行くよ菓子折持って。
文晴堂開いてますか?はい。
調べて調べて。
俺もういいわ。
えっ?何それ?降りるよ。
ちょっと…甘い事言うんじゃないわよ。
受けた仕事は死ぬ気でやりなさい!誰のための仕事だよ。
自分のためだろ?あんたのために俺は使われてるだけなんだろ?えっ?ちょっ…それ何の話ですか?とにかく投げ出すなんて許さない!わぁ〜!一子さん一子さん。
沢渡です。
はいはいはい。
すっごい熱い!熱あるよ。
熱?由実さん氷!氷!
(並木)遼くん。
一子ちゃんうちまで送っていってあげてくれませんか?たどころちゃんの現場は一子ちゃんの代わりに私が行くから。
私謝りに行かなくちゃいけなかった。
いや困った…。
お前が来い。
沢渡の代理や。
・「Helloまいどショッピング」
(ユキコ)ご覧下さい。
ほら!
(たどころ)勝手に伸びてるわ。
何これ!何これ!すごい!しかも長さは最大3メートル!
(たどころ)3メートル!
(ユキコ)アルミフレームでとっても軽いんです。
お疲れさまで〜す。
おう。
どうも。
お前俺の事一発屋思うてるやろ。
はい。
少しは気ぃ遣え。
けどな何百人何千人はい上がろ思うてる中一発当てるだけでも大変な事なんやで。
本人の努力も運も要る。
けど一番必要なんは人の助けや。
人の…助け?ああ。
俺の場合は社長。
いつも助けてくれた並木のおっさんのおかげや思うてる。
お前も沢渡大事にしいや。
アホな売り込みに走り回って吸えへんタバコも吸うとったんや。
お前をなんとかしたい思うて必死なんや。
全部自分のためですよ。
あの人は本社に帰りたいだけです。
ひのでプロで業績を上げてそれを手柄に本社に帰る事しか考えてませんよ。
ほうそら初耳やな。
復帰したあとは取締役か何かになるらしいです。
勝手ですよ。
理由なんかどうでもええやないか。
この世の中で誰が自分のために動いてくれる?本気になってくれる?ありがたいこっちゃないか。
じゃいってみようか。
(笠谷)よ〜いスタート!「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
全然ダメ。
「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
ダメ。
カット。
「あんたおかしいよ」。
違う違う違う!じゃちょっと休憩入ります。
休憩入りま〜す!休憩入ります。
いいですか?休憩入りますよ〜。
ありがとう。
(物音)回想
(たどころ)この世の中で誰が自分のために動いてくれる?本気になってくれる?ちょっと!勝手に持っていかないで下さいよ!もうちょっとだけ!ダメです!
(笠谷)それじゃ再開しま〜す。
再開しますよ〜。
(ブザー)
(笠谷)はいVTR回った!
(笠谷)10秒前。
5秒前。
よ〜いスタート!「今日もねこれひとりで全部食べるの」。
「あんたおかしいよ」。
(麗子の泣き声)カット!
(笠谷)カット!
(笠谷)OK!いや〜麗子ちゃんすばらしい!最高の演技だよ。
歴史に残る名演だよ!いやあねえ涙が欲しかったらもっと早く言ってくれればいいのに。
(加納)すまんすまん。
ありがとう。
お疲れさん。
(拍手)芝居は1人でやるものじゃない。
相手あってのものなんだよ。
相手あっての…?つまりおたくの役者。
あの涙を引き出すために監督は彼に厳しく当たった。
それに応えたんだな彼は。
(拍手)最高でした。
大丈夫?ええ。
イェ〜イ!初めてのセリフ大成功おめでとう!
(一同)おめでとう!おめでとさ〜ん!とりあえず乾杯ですよ乾杯。
あっチョ・ミンソク?韓流スターの?よく分かったね〜。
ありがとう!
(たどころ)シャンパンはないんかい。
え〜!
(ノック)大丈夫?大丈夫じゃないから寝てんでしょう。
だよね…。
ごめん。
うん?面白いって書きなさいよ。
「芝居は面白い」って。
素直じゃないわね。
(一同)乾杯!あ〜おいしい!あ〜!遼くんおめでとうほんとに。
緊張したやろ。
別に。
おぉ〜!大物やな。
すてき!よし!じゃあさ写真撮ろうか写真。
いいですね!ちょっと私…!愛よ…愛。
名言をひとつ。
「愛とは互いを見つめる事ではなく共に同じ方向を見る事だ」。
サン・テグジュペリ。
こよいは星の王子様の夢でも見るとしましょうか
この世でもなくあの世でもないどこか。
2015/05/05(火) 00:10〜01:00
NHK総合1・神戸
ドラマ10 美女と男子(3)「そのセリフに、愛を。」[解][字][再]
一子(仲間由紀恵)の必死の売り込みのかいあって、遼(町田啓太)は、大女優・中里麗子(真野響子)が主演するドラマで、セリフがたったひとつだけの役を演じることに…
詳細情報
番組内容
通行人エキストラの仕事をつづける遼(町田啓太)にセリフのある役を演じさせたいと願う一子(仲間由紀恵)は、あの手この手を使って各テレビ局のプロデューサーに売り込みをしかけるが、うまく行かない。そんな折り、あるスペシャルドラマの話が舞い込む。それは大女優・中里麗子(真野響子)が久々に主演するドラマだった。準主役のオーディションを受けた遼は落ちてしまうが、セリフがたったひとつだけある役を手に入れる…
出演者
【出演】仲間由紀恵,町田啓太,瀬川亮,中原丈雄,田島令子,徳永えり,前川泰之,高橋ジョージ,中山麻聖,森本レオ,真野響子,草刈正雄,高橋長英,【語り】ジョン・カビラ
原作・脚本
【作】田渕久美子
音楽
【主題歌】浜崎あゆみ,【音楽】河野伸
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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