年金受給者が死亡したのに、遺族らが年金をもらい続ける不正が続発している。倫理観が欠如した不正受給の衝撃度は大きい。
公的扶助の適正化を図る個人情報の管理は日進月歩の整備が進む。新旧が交錯する制度の不備を突く形で半世紀にわたる巨額の年金不正受給が明るみに出た。
亡くなった両親が生存していると偽り、年金を不正に得ていたとして、岐阜県警が詐欺容疑で86歳の元公務員の女性を逮捕した。さらに、青森県警も死亡した母親の年金を不正受給したとして、男性を逮捕した。
約50年間にわたる前者の不正受給総額は約5千万円、後者も約1千万円に上るとみられる。なぜ、長きにわたり、巨額の年金が不正受給される事態が発覚しなかったのか。原因の解明と厳密なチェック体制の構築が急務だ。
東京都で2010年、生存していれば111歳になる男性が白骨化した遺体で見つかった。だが長女と孫が男性を妻の遺族共済年金の受取人として不正受給していたことが判明。一気に年金不正受給が全国的な社会問題となった。
厚生労働省は約34万人を調査した。75歳以上の後期高齢者医療制度で1年間未受診の受給者などを調べたところ、約1700人の年金が差し止められた。
年金受給者の生死は住民基本台帳ネットか、遺族が年1回提出する「年金受給権者死亡届」で確認される。戸籍や住民票などの公的記録上は生存していても行方が分からないケースや、遺族が死亡届を提出せずに生存が確認できないケースが問題となっていた。
今回逮捕された女性は元岐阜県恵那市職員だった。母は1965年、父は68年に亡くなり、同市に死亡届が出された。女性は両親が生きていると偽った現況届を出し続けた疑いが持たれている。
両親は生きていれば110歳を超える。日本年金機構が高齢受給に疑問を抱き、恵那市に問い合わせて不正が発覚した。
厚生労働省は現況届を提出済みの受給者のうち、75歳以上で介護保険料が天引きされていない約8千人について、生存確認を急ぐよう年金機構に指示を出した。
不正受給続発の要因には、死亡した受給者確認の不備がある。住民票などの定期確認や個別訪問など抜本的な対策の確立に向け、関係機関を挙げて取り組むべきだ。
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