生字幕放送でお伝えします≫今日は地球にたった1つだけの味をご紹介。
≫それは、焼き物で知られる栃木県益子町の小さな小さな一角にあるんです。
世帯数、僅か80ほどの田町地区。
≫この地で生まれ70年にもわたって脈々と受け継がれてきた謎の汁。
≫果たして、どんな汁なのか。
≫私は温かいのが好きなのでアツアツで。
義理の母は冷たいスープにしたりとか。
≫みんなに愛され続ける謎の汁。
その正体とは、一体なんなの?≫ということで、謎の汁を求めて我々益子の田町地区にやってまいりましたよ。
田町に伝わる謎の汁。
安田さん、これなんです。
ビルマ汁。
≫なんですか、それ初めて聞きました。
謎すぎます。
≫安田さん、ビルマっていうのは東南アジアの今はミャンマーという国の昔の呼び名なんですけどそのビルマの名前がついた汁なんです。
それが、この益子町の中の田町という、さらに小さな世帯数80の地域に伝わっているんですね。
≫いまや田町の家庭の味になっているわけですね。
ということで、早速正体を明かしたいと思います。
カメラさん、ついてきな!ここがビルマ汁発祥の地なんですね。
つまり、ビルマ汁の元祖と…。
こちら飯塚家なんです。
飯塚さん家なんです。
ちょっと、行きましょう。
≫お店でもなくて、おうち?≫そうなんです。
それでは、お邪魔します。
どうも、こんにちは。
よろしくお願いします。
こちらが、70年の味を引き継ぐ飯塚フミさんです。
よろしくお願いします。
今、まさに調理中ということでこれ、具だくさんなんですよとにかく。
ちょっと見せていただいていいですかね。
ほら、分かりますか?ジャガイモ、インゲン、ナスとか。
夏野菜を中心に入ってるんですよね。
≫野菜が大きいですよね。
≫味付けは和風だし、塩、タカノツメカレー粉ですとかシンプルに作られているんですね。
まだ調理途中で完成ではないんですけどね。
これ、なぜ、そもそもビルマ汁というのか。
伝えたのがこちらの方になるんですよ。
飯塚家の先代潤一さんになるんです。
戦時中、潤一さんがビルマに出征されていたんですがそこで現地で食べた汁に感動いたしまして日本に戻ってきて益子の食材で再現したのがビルマ汁ということなんですよ。
≫そこから広まっていったんですねその地域に。
≫結構歴史があるんです。
そしてビルマ汁の決め手がございます。
こちら、こたつなんですね。
ちょっと私、休憩します。
あ、安田さん!ちょっとトマトが入ってますよこたつの中に!安田さん、ビルマ汁にはこの完熟トマトが大事なんですね。
こたつで温めて熟成させるわけですよ。
結構、分かりますかね。
指でぐっと押せるぐらい熟したトマトを使うということなんですね。
これを実際仕上げに使ってください。
これを手でちぎって皮ごと入れちゃいますよ。
酸味と真っ赤な色、いいですね。
フミさん潤一さんはトマトが大事っておっしゃってたんですか?≫トマトは完熟でたくさん入れなさいっていわれたんです。
≫教えがあったわけですね。
≫夏バテしないようにね。
おいしく。
≫たくさん入っていますよ。
そして、ここにカレー粉を入れます。
完成間近ですよ。
これでフミさんひと煮立ちさせたら完成ですね。
≫そうです。
≫暑い時期にぴったりでございます。
フミさん、早速私、澤部ペコペコでございます。
1杯いただいてよろしいですかね。
≫はい、どうぞ。
≫ありがとうございます。
よそっていただいて…。
あら、おいしそう!ビルマ汁、完成!いっぱい、具だくさんですからね。
それがいいところです。
≫トマト好きにはたまらないですね。
≫ありがとうございます。
それでは、いただきます。
うまい!ちょっとカレー粉がピリッとくるんですけど野菜の甘み、うまみそしてトマトの酸味がきますよ。
夏場にいいですよ。
≫元気出る味ですか?≫元気出る味でございます。
そして、潤一さんが残したビルマ汁3か条というのがこちら、あるんですよね。
それがこちら、ババン!暑くなったら食べるべし。
味付けはシンプルに。
塩、カレー粉。
そして、トマトは完熟にするべしということなんですね。
≫これが、お父さんの教えです。
≫これを70年かけてしっかり作り上げて田町のおふくろの味として広まったわけですね。
≫安田さん藤崎のほうは、今、元祖飯塚家からおよそ120m地点に来ております。
ここはお肉屋さんなんですね。
田口さん家のお肉屋さんなんですがビルマ汁が最初に飯塚家から伝わったとされている家なんです。
しかも、このビルマ汁なんと、どんどん家庭によって進化をしていることが明らかになりました。
お邪魔いたします。
こちらが今の味を引き継ぐ田口映子さんでございます。
おしゅうとめさんと飯塚さんのおばあちゃんが仲よしで、ビルマ汁が伝わったそうなんですが田口家のビルマ汁見せてください。
こちらですね。
きみかずさんに出していただきます。
≫何が違うんだろう…。
≫田口家のビルマ汁でございます。
見てください。
やっぱり、お肉屋さんですから肉が多め。
豚肉でございます。
ナスもいっぱい。
ここジャガイモが入っていないんですよ。
いただきます。
肉々しいですね。
うまい!≫ありがとうございます。
≫酸味はあまりないですね田口さんのところは。
それで、しかもアジア風というよりは洋風のスープの具が多い感じの味がしますね。
つまり安田さん田口家好みの味になっちゃっているビルマ汁なんです。
≫本当に家庭の味になってるんですね。
≫なってます。
なぜ、洋風の味がしたかといいますと田口家は和風だしじゃなくてこれが入っています。
コンソメスープのもと。
田口映子さん、その理由とは?≫お肉なので、コンソメのほうが合うかと思って始まりました。
≫お肉屋さんなんでだしといったらコンソメスープのもとになっちゃうんです。
それがまず、理由。
そして、一番の田口家好みになったのはもう1回見てください。
鍋の中トマトが目立ちません。
これ、トマトを煮込んで実は存在感を薄くしております。
その理由とは…。
≫母と子どもたちがトマトが苦手でした。
≫そんな理由で?≫それが家庭の味じゃないですか。
≫さっきの3か条にはトマトって書いてあったのに…。
≫入っているんですが薄いんです、存在感がね。
お孫さんのきみかずさんですがトマト苦手?≫苦手ですね。
今でも、野菜全体的に…。
≫それで肉たっぷりなんですね。
これが家庭の味、肉の味。
でも、30年この味で今、映子さんが受け継いでいるんです。
今、我が家の味で育った娘さんもう外に出ていらっしゃるんですがその娘さんのために作ったものがあります。
それが、今お店の中にも商品になっているものなんです。
安田さん、なんと冷凍ビルマ汁でございます。
生まれたのが大学で家を出た娘さんがビルマ汁が食べたいといわれて映子さんたちに作ったんです。
それがいまやお客さんにも大人気になっているんです。
これがビルマ汁が田町の食文化として広がっている証しでございます。
≫広がった経緯が分かりましたね。
≫安田さん、なんとビルマ汁専用の器まで生まれてるんですよ。
益子といえば益子焼なんですけど。
今まさに益子は陶器市の真っ最中でたくさんお客さんが来ています。
こちらが益子焼の陶芸家のお店になってますね。
ちょっとお邪魔しまして。
益子焼はやっぱり、素朴な色合いと温かみのある手触りが特徴となってますけども。
ビルマ汁専用の器、こちら。
これなんですよ。
注目していただきたいのは厚みなんですけどもアツアツのビルマ汁が入っても熱くないしっかり持てるんですね。
そして、へりの形をご覧ください。
ちょっとこのカーブがあるんですけどこのやわらかい感じ。
これが汁が飲みやすいようになっているんですね、非常に。
そしてさらに、内側の色。
これも具の色を引き立てる素朴な白ちょっとクリーム色といいますか優しい色。
これが益子焼特有の色となっているんですね。
さらには、ビルマ汁専用の器はサイズが決まっています。
直径が、14cmぐらいですね。
そして、深さが5.5〜5.6ぐらいですね。
これ、決まってるんです。
そして、この器を作った添谷修一さんにもお越しいただきましたけども。
こんにちは。
やっぱりこのサイズがいいわけですか?≫そうですね。
これは一般的な丼とおわんの中間ぐらいの大きさで量もそこそこ入りますし冷める前に全部、食べ切れるぐらいのちょうどいいサイズなんです。
≫ちょうど食べきれるということなんですね。
ちょうどいいサイズですからお代わりしたくなっちゃいますね。
ガンガン飲んじゃうということですね。
非常にいいですね。
ビルマ汁のためにここまでやっちゃうわけなんですね。
≫かわいいです、ビルマ汁専用。
≫安田さん。
今度、藤崎は元祖の飯塚家から北へやってまいりました。
150mぐらいのところにおります。
こちらのお宅にビルマ汁専用のあるものを作った方がいらっしゃいます。
またビルマ汁専用です。
こんにちは。
こちら、飯塚フミさんの義理の妹さんになりますえり子さんです。
≫こんにちはよろしくお願いします。
≫安田さん、そのえり子さんが作っちゃったビルマ汁専用のものがこのスプーンです。
木彫りのスプーンでございます。
左から初代、2代目、3代目。
今年春の新作でございます。
しかもちゃんと進化してるんですね。
例えば初代と2代目の違いですね、見てください。
柄の部分違いませんか?≫曲がってますね、だいぶ。
≫曲がってるでしょ?これ、なぜかというと持ちやすい。
つまりビルマ汁専用の器でも深いところも、とりやすい。
≫サイズがぴったりですね。
≫実は、えり子さんはこちら、本格的に木工作品を趣味にするという方でございまして。
やっぱり、ビルマ汁の専用で作っちゃったと。
≫そうです。
ビルマ汁が大好きなものですからこのスプーン作っちゃいまして家族にも、とても喜ばれています。
しかも今年の春の新作。
3代目、これは今えり子さんがはまっているビルマ汁の食べ方用なんです。
それを出していただきましょう。
この料理です。
名付けて、「ダブルトマトチーズのせドリア風ビルマ汁」でございます。
≫おいしそう!ごはんにも合うんですね。
≫ビルマ汁にトマトありますけどごはんにもトマトでダブルトマトですね。
さらに、ごはんとチーズでドリア風ということなんですね。
≫絶対おいしいじゃないですか、これ。
≫それでは、私、澤部が無事、間に合いました。
ということで「ダブルトマトチーズのせドリア風ビルマ汁」をいただきたいと思います。
この新作を使っていただきたいと思います。
≫ごはんの部分をちょっと混ぜてくださいね。
≫あるんですね、食べ方が。
ちょっと混ぜて…。
いただきます。
おいしい!≫よかったです。
≫チーズが入ってよりまろやかになるし。
また、スプーンが非常にいい角度で口に入ってくるんですよ。
計算されてますよ、やっぱり。
≫えり子さん、器までドリア風で食べるために買ってきたぐらい。
これもビルマ汁愛ゆえにということでございますが。
安田さん、益子ではこのビルマ汁が爆発的に広まっています。
≫ビルマ汁は今ではすっかり地域のソウルフード。
≫町じゅうのお店ではこだわりいっぱいの新しいビルマ汁が次々に生まれています。
こちらは豚骨、鶏がら、煮干しなどをじっくり煮込んだ本格派。
≫野菜の甘みが溶け込んだ深い味に仕上がりました。
うーん、おいしそう!≫一方、こちらのお店のビルマ汁は…。
≫なんとエビを使っちゃうんです。
というのもご主人は大のエビ好き。
そこで考えたのが海鮮風味のビルマ汁。
≫こだわりはほかにも。
エビの殻をじっくり揚げて作った特製のエビ油。
これを仕上げにひとかけ。
このエビのダブル使いが深いコクになるんです。
≫もはやビルマ汁を超えた新感覚の味ですよ。
≫そんなビルマ汁がついに益子町の学校給食にも登場しました。
≫いただきます。
≫食べやすいようにと辛さは少し控えめ。
みんな大好きビルマ汁。
この先もずっと受け継がれていくんでしょうね。
≫今、ビルマ汁が食べられるお店あるいは給食で出している小中学校、田町ではこんなに広がっております。
≫すごいですね。
ということで安田さん、今日はビルマ汁パーティーです。
≫イエーイ!≫こどもの日ということもあって皆さん、集まってくださいました。
ありがとうございます。
安田さん、とりわけこのピンクのかわいいTシャツの皆さん後世にビルマ汁を残したいと集まった、田町なでしこ会!そして、もちろんボスはフミ姉でございます。
≫よろしくお願いします。
≫皆さん、ボスに関係なくビルマ汁にこだわっています。
明石さんはこちらのビルマ汁でも洋風ビルマ汁ということで豚肉をベーコンにしましてオリーブオイル仕立て。
そして、何よりカレー粉が入っていません。
≫何味だろう、じゃあ…。
≫ちょっといじり倒しましたね明石家は。
これ、おすすめの食べ方はあるんですか?≫チーズをかけてナンをちぎって…。
≫いただきたいと思います。
いただきます。
おいしい!カレー粉入ってないからより優しいお味になっていますよ。
≫ボス、これ、OKなんですね?≫OKです。
お友達だからOK。
≫今度は村田さん。
村田さんのビルマ汁はつけめん風なんですね。
≫まず、ビルマ汁の具を普通に食べていただいて。
中に残ったお汁におうどんを入れてもらって少しおしょうゆをかけます。
そうすると、味が締まって最後のおつゆまでしっかり食べられますので。
≫いただきたいと思います。
うまい!おしょうゆはいるからぎゅっと味が締まって和風な感じになりますね。
おいしい!≫ごはんを入れる方がいらっしゃったり皆さん楽しんでいらっしゃいます。
これだけ安田さん広まっていますが始まりはやっぱりこれですよね。
潤一さんの舌がね。
≫潤一さんのおかげですね。
≫お父さん喜んでると思います。
≫安田さん、ビルマ汁の作り方「ひるブラ」の2015/05/05(火) 12:15〜12:40
NHK総合1・神戸
ひるブラ「地域限定!なぞの“ビルマ汁”〜栃木県・益子町〜」[字]
焼き物の里・栃木県益子町の限られた地区だけに伝わるうまくて不思議な家庭の味。その名もビルマ汁。各家々の微妙なこだわりや味の違いを楽しみながら伝統の汁を満喫する!
詳細情報
番組内容
【ゲスト】澤部佑,【コメンテーター】安田美沙子,【司会】藤崎弘士 〜栃木県・益子町から中継〜
出演者
【ゲスト】澤部佑,【コメンテーター】安田美沙子,【司会】藤崎弘士
ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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