NHK高校講座 地学基礎「銀河」 2015.05.06


速度vに時間tを掛けて求める事ができます。
…というのが等速直線運動なのだ。
(関口)光で行くっていうとどれくらいかかるのかな?ほかに方法ない訳だし。
あれっ光の時速って何キロだったっけ?
(垣内)隊長こんにちは。
どうも。
今日もいいお天気ですよ。
ん?隊長新幹線でお出かけですか?ひかりで行くとしたら名古屋か大阪?いやあの…。
一緒に行きたい?はい。
あっしが行きたいっつってんのは名古屋とか大阪じゃないよ。
あっしが行きたいのは宇宙の銀河。
宇宙の銀河?だってひかりで行くんじゃないんですか?それ新幹線のひかりでしょ?のぞみとかこだまじゃなくてあっしが言ってる光っつうのはシュワ!光線の方の光の事。
その光の速さでどのぐらいの時間で銀河まで行けるのかなって考えてたの。
隊長が行きたいのはあの宇宙の銀河ですか?そう。
今日は銀河へ行こう!垣内隊員宇宙の誕生はいつでしたっけ?およそ140億年前にバ〜ンっと!そうそう。
ビッグバンのバ〜ンね。
そして今回取り上げる銀河ですけれども最初に誕生したのは…よく出てきますねこの図。
この辺。
銀河が出来たのはビッグバンから少したってからなんですね?うん。
ところでこの銀河についてはどうやって調べたらいいんですか?いつものようにキーワードご用意してございますよ。
1つ目こちら。
そして2つ目が…。
そしてもう一つこちら。
う〜ん。
今回も難しそうなキーワードが出てきましたね。
そんな事ないですから。
食わず嫌いは駄目ですよ。
何でも食べなくちゃ。
ん?隊長今日食べ物の事じゃないですよ。
宇宙の事を勉強するんです。
あっあの…。
垣内隊員だったら大丈夫ですから。
一つずつ調べていきましょう。
まず最初はこちらですね。
じゃあ私は早速調べに行ってきます。
ちょっちょっと待ちなさいって。
垣内隊員はホントにせっかちだね。
星空ってのは夜にならないと見れない訳でしょうに。
しかも見てごらんなさい雲行きまで怪しくなってきてさ。
いやいや隊長今の時代いつでも宇宙を観察できる所があるんです。
そんなとこある?フォールインラブウィズユー…何それ。
あとで説明するんでとりあえず私は行ってきます。
じゃあ。
誰にフォールインラブなの?ちょっと…。
垣内隊員が向かったのは国立天文台にある4D2Uシアター。
こんにちは。
こんにちは。
ところで早速なんですけど4D2Uっていうのはどういう意味なんですか?4D2Uとは日本語では「4次元デジタル宇宙」という意味です。
宇宙というのは4次元で空間が3次元。
縦横高さ。
それで時間が1次元。
足して4次元です。
でその宇宙をデジタルつまりコンピューターを使って描き出した。
その宇宙という意味で4D2Uです。
見る方法は専用の眼鏡を掛けるんです。
するとそこはもう宇宙〜!銀河は星の小さな集団が合体して形づくられます。
では数千万年の時間を1秒に縮めてその様子を見てみましょう。
大きな星の集団があるとその強い重力に小さな星の集団が引き寄せられます。
衝突と合体を繰り返しながら銀河は成長していきます。
もともと広がっていたたくさんの星の集団が集まって銀河になると回転が速くなりだんだんと渦を巻くようになっていきます。
ビッグバンのあとおよそ数十億年をかけて銀河はこうやって形づくられたと考えられているんです。
隊長4D2Uシアターすごかったですよ。
自分が宇宙空間にいるような感じで私は宇宙に吸い込まれるかと思いました。
いいなぁ。
あっしもちょっと見たかったけど。
まあいいや。
ではここからは私の出番でございますね。
銀河っちゅうものをですね更に調べていったらあるとてつもなく不思議な事にぶつかっちゃったんですね。
ん?不思議な事…何ですか?見えない物質。
見えない物質?そう。
見えないのに物質。
これが宇宙に大量にないと銀河も宇宙も何もかんも説明がつかないっちゅう事が分かってきちゃったんだね。
いやでも物質なのに見えないなんてあるんですか?あるんだこれが。
それが先ほどのキーワード。
暗黒物質。
英語でいうとダークマターですか。
暗黒物質…。
暗黒がダークで物質がマター。
何しろこれ正体がさっぱり分からなかったんでこんな呼び方しかできなかったっちゅう事なんだけどもね。
だから暗黒物質は…ごもっともですねぇ。
それを分かるためにまずですね私たちがこの目で見える見えないっちゅう事がどういう事なのかという事を勉強しましょうか。
はい。
実はですね宇宙からはいろんな種類の光が来てるんだけれどもこの我々の目で見える光と見えない光っちゅうものがあるんですね。
これらを全部をまとめて「電磁波」と呼んでおります。
でねこの中で私たちがこの目で見れるのはなんとこの虹みたいな所。
見える光ってこれだけしかないんですか?そうなのよ。
たったこれっぽっちの範囲なんですね。
見る事が「可」と書いてありますけど。
見える光って事ですが。
それがたったこれしかない。
宇宙の事が知りたかったらこんなとこしか見えないんじゃ分かんないでしょ。
分かんないです。
ですからこのいろんな電磁波を調べなきゃいけないんですけれども。
電磁波には波長っちゅうものがございます。
短い方から紹介しますと。
まずこの一番短いのガンマ線。
放射線の一種ですね。
そして次のX線は…。
X線は分かります。
レントゲン写真を撮る時に使うものですよね。
で次の紫外線はお肌が焼けるので女の子の私には大敵!説明を続けますね。
そして我々の目に見える可視光があってまた見えなくなって赤外線電波と。
だんだん波長が長くなる訳ですね。
で人間我々はこれらの電磁波を使って宇宙についていろいろと調べてる訳ですね。
それが例えばこちらですな。
可視光っていうぐらいですから私たちの目に見える訳ですので可視光は私たちの地上から調べられますが赤外線とかX線とか私たちの目に見えない光はしょうがないから宇宙まで望遠鏡飛ばしてそこから観測をしたりしております。
つまり物質が出すと考えられている…我々人間だって波長合う人としか恋愛できないでしょ?で頑張って波長の合わない人ともおつきあいをしてまで宇宙の事を調べてる方々がいらっしゃるという事な訳ですが。
その努力も報われず…えっだからですよ観測できないのにどうして暗黒物質がある事が分かったんですかね?だってあるんだもん。
ん?どういう事ですか?隊長なんだからしっかり説明して下さいよ。
う〜ん。
ギブ!こういう時は地球調べ隊の顧問に聞いてみましょう。
先生「見えないのにある」っていうのはどういう事なんですか。
例えば私たちの身の回りにある空気これは目には見えないですけどもあるっていうのが分かりますね。
はい窒素とか酸素ですよね。
はいそうです。
これは確かに可視光では透明で見えないんですけどもほかの波長の電磁波だと見る事ができるんです。
それに対して…重力?重力を周りの普通の目に見える物質に及ぼすのでその物質を調べてやるとそこに重さを持ったものがあるっていうのが分かる訳です。
実際に宇宙にたくさんある星の運動とか銀河の分布を調べてみると目には見えない電磁波では見えないんだけどもそこにたくさんの質量を持ったものがあるという事が分かってきたんですね。
なるほど。
じゃあそれが暗黒物質なんですかね?はいそうなんです。
でその量を見積もってみると…暗黒物質って5倍もあるんですか?じゃあ宇宙は暗黒物質なしじゃ語れないって事になってきますよね。
そのとおりです。
いや〜隊長宇宙はまだまだ分からない事いっぱいありますね。
ねぇ。
だって電磁波をあれこれもってしても捉えられない暗黒物質が宇宙全体の構造に関わっちゃってるからね。
じゃあ…うん。
いい質問ですね。
それがこの3つ目のキーワード。
宇宙全体はどういう姿をしているか。
こんな観測結果があるんですね。
今から30年ほど前に観測したものなんだけども。
6,000個の銀河を私たちの観測点をここにしてこちら側から見てみたらこんな結果が出た。
これ実際に観察したんですかね?そうなのよ。
でねちょっとこの辺り何か銀河多くね?多いですこの辺に比べて。
ねっ。
ここすかすかで全然分布してないのにここに帯状に銀河がいっぱいありますね。
そういう事が見えてきちゃった。
でも何でこういう特徴が出るんですかね?その特徴に深く関わってるのが暗黒物質なんですね。
これは今からおよそ140億年前の誕生したばかりの宇宙です。
誕生してから間もないころ宇宙にはほぼ同じような密度で物質が存在していました。
でも密度が完全に一定だった訳ではなくてごく僅かに差がありました。
密度が高い所には物質がたくさんあります。
そして主に暗黒物質の働きで更に重力が大きくなりますますたくさんの物質が集まります。
やがて密度の高い所が網の目のように見えてきました。
多くの物質が集まった所では星の集まりである銀河が生まれます。
小さな銀河はよりたくさんの星が集まっている大きな銀河に引き寄せられやがて大集団を形づくっていきました。
こうしてたくさんの銀河が集まって出来たのが「銀河団」。
集まっている銀河の数は数千個にもなります。
こうした銀河団が連なっている網の目のような構造を「宇宙の大規模構造」と呼びます。
大規模構造が出来る様子ももう分かってきてるんですね。
今のところはそういうふうに考えられてるっちゅう事です。
じゃあ宇宙の大規模構造の中で私たちの地球はどこにあるんですかね?そういう事聞く?はい。
じゃあ説明してみますが分かるかなぁ。
私たちの地球は私たちのこの太陽系という太陽のすぐそばのこの辺に私らの地球がいますね。
でこの太陽系は天の川銀河に所属してます。
天の川銀河はどこに所属してんのかっていうと銀河の集団に所属してます。
で銀河の集団はどこに所属してるかというと宇宙の大規模構造に所属してるって事になります。
という事はですよ私たちもこの大規模構造の中のどこかにいるって事ですよね?そうなのよ。
この明るいとこのどこか。
ここがそこなんです。
なるほど。
訳分かんないよね。
先生どうもよろしくお願いします。
関口さんこんにちは。
今日私が宇宙の大規模構造淡々とは話しましたけどこの網の目みたいになってるこれね。
私は初めて見た時にびっくりしましたけれども。
白い所は銀河の分布を表してる訳なんですが。
実は暗黒物質もそういう所にあるんですね。
えっ明るい方に?
(青木)明るい方にあるんです。
暗黒物質が重力を及ぼしますのでそこに銀河が集まってくるんですね。
それによって網の目の構造が出来てきますので暗黒物質と銀河は同じような所にあるという事になるんです。
要は暗黒物質は何をしたくてこんな事してるんですかね?そうですね。
暗黒物質は割と素直な性格で重力だけ静かに及ぼす…。
素直とかあるんですか?ええ。
私たちをつくってる物質はよっぽど素直じゃなくて。
重力も及ぼしますけど電気の力を働かせたり光を出したりといろいろ起こるんですね。
これをきちんと計算してどういう振る舞いをするかって調べるのは難しいんですけど暗黒物質は今のところ割と静かに重力だけを及ぼしてくれるそういう物質だと。
暗黒というのは半未知というか。
つまりその時に付く英名のダークじゃないけれどもブラックホールのブラックじゃないけども半未知みたいな意味でしょ?そうです。
暗黒物質に関していえば今まさにその正体は何なのかというのを実験で作り出して正体を暴こうという研究がされるようになってきてるんですがそれに至るまでは…それは大きい進歩ですね。
その性質もだんだん絞り込まれてきている。
今のところそういう段階にありますね。
分からない事に気付けたというすごさでもある。
隊長今日はどうでしたか?何かさぁ先生と話しててもそうだったんだけど昔の頭のいい人が言った事を思い出してたんだよね。
その人の名言っていうのは「人間は知らない事を知らない」っていうのが名言なの。
子供の時は何これ日本語?みたいなよく分かんなかったんだけども。
今日の話ってそれに近いと思わない?そうですね。
「分からない事が分かった」みたいなさ。
私は今日宇宙の大規模構造を勉強したじゃないですか。
ああいうふうに網の目になっててあの中にですよ今私たちがいるって思ったらすごいですよね。
ここがそうだからね。
私は全くその実感が湧いてないですけど…。
スケールが大きすぎて。
逆に言えばあの中に私たちがいるって思ったら今までより宇宙を身近に感じられたかなって思いました。
そうだね。
いるんだ〜って思ったら。
2015/05/06(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「銀河」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
星がつくる大集団を「銀河」と呼ぶ。私たちの太陽系も銀河の一つである銀河系(天の川銀河)に属する。銀河はより小さな星の集団が衝突・合体を繰り返して誕生し、成長すると考えられている。宇宙には多くの銀河が存在し、その分布は泡のような濃淡を示している。これは宇宙の大規模構造と呼ばれ、このような銀河の形成や分布には、電磁波でとらえることのできない暗黒物質の重力が大きく影響している。【出演】関口知宏、垣内彩未
出演者
【出演】国立天文台准教授…青木和光,【司会】関口知宏,垣内彩未,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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