午前5時過ぎ、JNNのカメラマンが撮影した早朝の神奈川県箱根山の大涌谷。
あと数時間もすれば、大勢の観光客で賑わいを見せるはずだった。
しかし、このわずか1時間後…午前6時、気象庁が箱根山に火口周辺警報を発表。
噴火警戒レベルを平常を示す1から火口周辺規制の2に引き上げた。
この警報をもって大涌谷の周辺は立ち入りが制限された。
先月26日から火山性地震が増加している神奈川県の箱根山。
地震の回数は今月3日に98回、4日に140回、昨日は196回と増えていたが、今日になり、いったん収束。
午後3時過ぎの時点で35回だった。
一方で、体で揺れを感じる有感地震は昨日一日だけで3回観測。
その中でも、昨日午後9時13分に起きた地震はこれまでとは異なり、震源がおよそ5kmと深く、気象庁が警報の発表に踏み切った。
今回の警報により、気象庁では今後、大涌谷付近に影響を及ぼすような小規模な噴火が起きるおそれがあるとして警戒を呼びかけている。
また、地下で熱せられている水が今より不安定になる可能性があるとのこと。
箱根山に火口周辺警報が発表されたのは今回が初めてだが、箱根山以外にも日本列島では10の活火山で噴火警戒レベルが2以上となっている。
箱根山と同じレベル2。
2011年に噴火した鹿児島県の新燃岳では1〜3cmほどの噴石が火口から16km離れた場所でも確認された。
箱根山については直ちに噴火する危険性はないとされているが、箱根町は安全を考慮して火口周辺の半径300mの範囲で避難指示を出し、火口に向かう登山道や道路の立ち入りを制限した。
気象庁は今後、上空からの監視や赤外線を使っての熱観測を行い、経過を見ながら、今後、警戒レベルの妥当性について検討するとしている。
連日お伝えしております箱根・大涌谷の火山活動ですが、今朝早く気象庁は噴火警戒レベルを引き上げました。
こちらをご覧ください。
5段階で言いますと下から2番目、こちらですね。
火口周辺の立ち入り規制がかけられています。
これは三宅島や阿蘇山と同じレベルとなるわけです。
箱根山といいますのは、東西8kmそして南北が12kmのカルデラ火山の総称です。
50万年も前から活動を始めた古い火山なんですね。
神山というのは標高1438m、その周囲には噴火でできた外輪山があります。
その噴火で崩れた土砂が川をせき止めてつくられたのがこちらの芦ノ湖ということなんですね。
大涌谷は神山の北側にあります。
今、半径300mが避難指示というのが出ている区域になっておりまして、黄色の線、ロープウェイが全線で運転見合せ。
さらに青のハイキングコース、赤の県道が現在通行が規制されている状況になっています。
ここで中継です。
小林悠キャスターが観光名所のガラスの森美術館に、社会部の永田記者が仙石原にいます。
まず永田さん、大涌谷の蒸気の様子ですが、今どんな状況でしょうか?私は今、箱根町仙石原に来ていますがちょうど大涌谷が真正面に見える位置にいます。
ご覧のとおり蒸気が噴き出しているのが見えます。
その左下に名物の黒たまごなどを販売していた土産店があります。
普段のGWでしたらたくさんの観光客がいますが、立入禁止で1人の観光客も見ることができません。
あの土産店の近くからも断続的に蒸気が噴き出しているのが見えました。
また、気象庁によると、今日、ヘリコプターで上空から大涌谷周辺を確認したところ、勢いよく蒸気が噴き出しているのが確認されたとのことです。
気象庁は箱根山について直ちに噴火する危険性はないとしているが、箱根町は大涌谷周辺半径300mの範囲で避難指示を出している。
周辺に住宅はなく、人の立ち入りを制限するための措置だとのことです。
スタジオには地震や火山噴火の取材を続けているTBSの桶田解説員です。
こちらのフリップをもう一度ご覧いただきたいんですが気象庁は午前6時に噴火警戒レベルを2に引き上げたということですが、これはなぜなんですか?まず発生が26日ぐらいから、火山性の地震が増えてきています。
昨日は急激に増えておよそ200回近い火山性地震があったということになります。
昨日までは気象庁、まだすぐに出すということは言っていなかったんですが、実は昨日の夜の9時過ぎに、ちょうど箱根周辺の火山の、この赤い点が上から見た地震が起きている場所、右側が地下の様子なんですね。
上のほうの線、大体これが地下1kmぐらいのところと、4〜5kmぐらいのところでよく地震が起きていると。
それが震源だということですね。
昨日の夜9時ぐらいには4kmぐらいのところで割と大きなというか、マグニチュード2.7の地震が起きました。
ここがちょうどマグマだまりの上限ぐらいに当たるところでここで割と大きな地震が起きたので、火山活動が変化をしたんではないかと、マグマが動いたんじゃないかということをある程度考えてレベル2を出したというふうに考えていいんだろうと思います。
気になるのは噴火なんですけれども、今回は水蒸気噴火のおそれがあるということなんですよね。
このほかにマグマ水蒸気噴火ですとかマグマ噴火、いろいろな種類があるわけですよね。
これはどう違うのでしょうか?去年の御嶽山の噴火は水蒸気噴火と言われていますね。
マグマ噴火というのは、大島の三原山とかそういうところで起きるような噴火です。
それの中間で、これはどうして起きるかといいますと、下から上がってきたマグマの熱が直接触れるわけではなくて、熱の影響で山体のところがボーンと飛んでしまう。
マグマ噴火というのは、マグマそのものが出て、溶岩として流れていく。
ここが中間みたいな感じですね。
今回の場合は恐らく、今まで考えられているのは、途中までマグマが上がってきて、熱せられた水によって、噴火をする水蒸気噴火のおそれがあると、今のところ言われています。
ヘリコプターの映像をご覧いただきたいんですがご覧いただいているのは、現在の大涌谷の様子ですが、煙の量、水蒸気の量はこれはいつもより多いんでしょうか?気象庁や県の発表では、やはり普段よりは多いというふうに言っていますね。
これはちょうど、ここは温泉を掘っているところなのでその温泉を掘ったところからこの水蒸気が出ているんですが、噴気の状態が今までに比べて強いということだと思います。
水蒸気噴火が起きた場合にどの範囲でどういう被害が予想されるんでしょうか?あらかじめ県や箱根町がある程度被害が出たときを想定したマップをつくっています。
いわゆるハザードマップですね。
それによりますと、大涌谷を中心として、火砕サージというのが周辺にあるだろうと。
火砕サージというのは実は去年の御嶽のときにもあったんですが、火山灰と空気が混じり合って、硫化してくるんです。
今、映像が出ていますけれども、ちょうど上に火山灰が噴き上がって、重たいものが下に行く。
あとは御岳でも被害が出た噴石というのが大体、1km前後のところに降る可能性があるというのと、火山灰は風向きを考慮していないので円になっていますが、そのときの風向きによって、火山灰がその方向に流れると。
そういったことが最悪の場合に想定されるということです。
気になっしまうのは、箱根と距離が近い富士山への影響はあるんですか?これは何とも言えないと思います。
2011年以降、地下でのマグマの動きというのがわからなくなってきているので、何が起きても不思議ではないと思います。
直接箱根のこういった状況が富士山に影響しているかどうかについては恐らく研究者の皆さんも回答がないと思います。
今回の噴火警戒レベルの引き上げといいますのは、箱根の基幹産業である観光に大きな影を落とすことになりました。
観光業界はこの事態にどう対処しようとしているのでしょうか。
今日午後、避難指示地域から2kmの場所にあるキャンプ場では若者たちがバーベキューを楽しんでいた。
しかし…GW中にもかかわらず、キャンプ場はガラガラ。
突然の噴火警戒レベル引き上げに、担当者は…朝からキャンセルの問い合わせが20件以上相次いでいると言う。
土産物店も…書き入れ時の観光地にとっては大きな痛手となる今回の事態。
観光客の反応は様々。
人気の観光スポット、大涌谷へとつながる箱根ロープウェイでは全線で運転の見合わせを決定。
これには外国人観光客も落胆を隠せない。
さらに、箱根の観光業の要、温泉宿にも影響が出ている。
温泉の町、箱根を直撃した警戒レベルの引き上げ。
箱根町にある濁り湯が人気の温泉宿では既にキャンセルが出始めていると言う。
一方、箱根ガラスの森美術館では万が一に備えて用意している防災対策グッズの一部を増やすことにしている。
VTRにもありました箱根ガラスの森美術館からお伝えします。
午前中は多くの観光客で賑わっていたんですけれども、担当の方のお話を聞いてみますと、やはり通常のGWと比較してみますと1割ほどお客さんが少ない印象があったという話がありました。
そして、この位置から直線距離にしておよそ2.5km離れています大涌谷の様子を確認してみますと、うっすらと白煙が上っている様子が確認できます。
こちらのスタッフの方々、この位置から安全確認も含めていつも白煙の様子を見ているそうですが、通常と比べてみますと、いつもより量が多いですとか、そういった印象はこれまでのところないという話がありました。
またにおいなども、ここにいる限りは感じません。
観光業への影響についてなんですけれども、皆さん、声をそろえますのは、やはり制限区域外については問題ないということを知ってほしいということなんです。
例えば、こちらの美術館の場合ですと、万が一の場合に備えまして、このようなヘルメットですとかまたマスク類なども用意しているということなんですね。
近年の箱根といいますのは、特に外国からの観光客の数が増えています。
国内向けのみならず、外国に向けてこういった安全対策もしっかりしているんだということを訴えていきたいと、そのように話されていました。
桶田さん、箱根がこんな状況になったことって、過去にあるんですか?2001年のときに今回よりももっと長い期間、4カ月ぐらいずっとこういう状態が続いたということがありました。
ただ、そのときにはなかなか情報が出ていなかったので、今回みたいにしっかりとこういうふうに情報を出してくださっていることが観光客にとってもありがたいですし、地元の人にとってもは重要なことだと思いますね。
そういう意味では情報をきちっと把握してもらうということが大事なんだと思います。
今年だけでもおよそ1800人が死亡、危険な密航の新たな映像が入ってきました。
沈みかけたすし詰め状態のゴムボートから助けを求める人々。
これは北アフリカ・リビア沖合の地中海で3日、撮影された映像。
およそ100人の不法移民が乗っていて、シャーロット王女の誕生に沸くイギリスですが、実は政権を選択する選挙が明日に迫っています。
キャメロン首相率いる保守党は、トップを保っていますが、移民受け入れを制限すべきと主張する右派政党が勢力を伸ばしています。
今、イギリスでは安い賃金で働く移民への不満が強まり始めています。
ロンドンから車で3時間の町、ボストンは急激な変化に直面している。
町の中心部の商店街にポーランドのパンを売っている店があります。
そしてこちら、食料品店ですが、東ヨーロッパ各国の旗が掲げられています。
EUは、自由な移動が原則で、2004年以降に加盟した東欧諸国からイギリスへの移民の数が急増。
今やこの町の住民のおよそ3分の1が移民だと言う。
こうした不満を背景に、地方を中心に勢力を急拡大させている右派政党がある。
イギリス独立党。
EUから離脱し、移民の受け入れを制限すべきだと主張する。
しかしこの姿勢には、人種差別的との批判も。
私たちは党首を直撃した。
こう言うのには理由がある。
それは…ボストンで特に顕著なのが雇用環境の変化。
まだ多くのイギリス人が眠っている時間に移民を専門に仕事をあっせんする業者の迎えを待つ人々が。
郊外での仕事は、より安い賃金で移民が担うようになった。
賃金は最低レベルだが、東欧には最低賃金が時給140円という国もある。
これは、移民が集団生活を送る家の1つ。
地面に穴が開いただけのトイレ。
洗面所はカビだらけでこうした家に10人、15人で暮らす人たちもいる。
イギリス人が安い野菜を食べられるのは移民が安い賃金で働くから。
しかし、地元の人の間には不満が渦巻いている。
今回の選挙戦、キャメロン首相はイギリス独立党の勢いに押される形でEUからの離脱の是非を問う国民投票の実施を公約した。
EU加盟で大きく変わった2015/05/06(水) 17:50〜18:15
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