きょうの健康 心筋梗塞を防ぐ「薬を使う」 2015.05.06


「きょうの健康」今週は「心筋梗塞を防ぐ」と題してお伝えしています。
心筋梗塞を予防するために時に治療が必要になる事もあるんです。
ラインナップご覧頂きます。
こちらです。
今日は3日目ですので「薬を使う」という事でどんな場合に薬が使われるのか見てまいります。
今日と明日ご一緒下さいますのはタレントの松村邦洋さんです。
どうぞよろしくお願い致します。
お世話になります。
松村さんは以前心筋梗塞で倒れられた事があるんだそうですね。
東京マラソンで倒れましたね。
2009年の3月22日ですね。
という事は6年前ですよね。
そうですよ。
亡くなってたら七回忌ですからね。
何をおっしゃって…。
助かってよかったですよ。
てっきり僕ね自分で完走したと思ってるんですよマラソンを。
じゃあその間どういう事があったのかその後の事も含めていろいろ今日はお話を伺いたいと思います。
ご紹介致します。
今日はですね国立循環器病研究センター心臓血管内科部門長の安田聡さんに今日もお話を頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
お願いします!6年前に急性心筋梗塞…。
そうなんですね。
社会復帰されてご活躍ですけれどもやはりそのあとああいう思いを二度としないように再発予防という観点から今日はお薬のお話をしていきたいと思います。
ではよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
もう「ご心配停止」とねいきたいところですから気を付けます。
ではまずどんな方が心筋梗塞予防のための治療をした方がいいのかどうかある患者さんの例を見て頂きたいと思います。
BMIこれが肥満の指標でありますけども33です。
25以上が肥満というふうにいわれてますので33というのは相当という事ですね。
25以上が肥満であるという事になります。
このBさんですけども以前からコレステロールが高い事それから血圧が高い事。
精密検査を勧められていましたが自覚症状がなかったためにそのままになっていたというような状況でした。
ところがある日通勤の途中階段を上っている最中に激しい胸の痛みを感じられた。
5分ぐらいで治まったんですけどもその翌日にもやはり通勤途中で同じ症状を繰り返すという事で心配になって翌日受診をした時にBさんは狭心症というふうに最終的に診断されたという事になります。
松村さんこの狭心症とより重症な心筋梗塞という病気があるんですけどもその違いはお分かりになりますか?う〜ん何て言うんですかね狭心症というのは何か心筋梗塞の手前というか…。
おっしゃるとおり狭心症というのは心筋梗塞の前触れの症状であるんですけどじゃあ実際患者さんの血管の写真を見てみたいと思います。
大きな血管があってこの黄色の部分が本来血液が流れる部分という事になりますね。
血液の通り道。
それから下の部分が動脈硬化の巣であるプラークという事になります。
実はこの患者さんですけどもここで何か膜が破れたようになってるのが残ってると思いますけども実はここの部分にここで皮膜が破れてしまってこのプラークの内容物に反応して大きな血栓ができてしまってます。
本来十分あった血液の流れがこの血栓が更に加わったために滞ってしまって心筋梗塞で命を落とされた患者さんの血管の特徴的な写真という事になります。
とにかく太ってる人っていうのはさっきのBさんですかやっぱり太ってる人っていうのはよくないですからね。
狭心症と診断された場合どんな治療をしていったらよろしいんでしょうかしら?まず何と言っても生活習慣の乱れというものが根本にありますのでこれをやはり見直すという事。
それでも是正しきれなかったような場合に関してお薬の治療法というものが動脈硬化の予防という点で必要になってきます。
そのお薬の治療法でもなかなか太刀打ちできないような病状の場合はカテーテル治療やバイパス手術とより上の段階に進んでいくという事になります。
Bさんの場合は狭心症と診断されたという事でしたがどんな治療をされたんでしょうかしら?Bさんの場合はやはり高血圧脂質異常症を指摘されていたにもかかわらず治療もせずに同じ生活を続けていたというところがやはり動脈硬化を進めて狭心症に進んでしまったという事だと思うんですね。
ですから何よりBさんの場合にまず一番最初に必要だったのは生活習慣の見直しこれをもう少し早めにできればもっとよかったと思います。
既に狭心症という形で動脈硬化が一段進んで発病してしまいましたからそうなった時点でお薬の役割が大きくなってくるという事ですね。
まず生活習慣病の治療薬という事ですけども血圧を下げて血圧を十分コントロールしてあげるという事が一番。
次にコレステロールが高い状況ですのでコレステロールを下げるお薬。
この2つが生活習慣病の治療薬としては必要になってくるというふうに思います。
次に狭心症の治療薬として重要なお薬の一つが血液を固まりにくくしてサラサラにしてくれるような血栓予防薬。
具体的にはアスピリンというお薬です。
これは先ほど心筋梗塞で亡くなった患者さんの写真断面像をお見せしましたけど非常に大きな血栓があっという間に育ってましたよね。
血栓というものが血流遮断という事につながっていくのでこれを予防するお薬というものが必要だったという事ですね。
流れをよくするって事ですよね。
流れをよくするという事です。
動脈硬化があると流れがせき止められてると。
ですから流れをよくするアスピリンというお薬はやはり必要になってくるという事になります。
いろんな薬をのむという事になってきますよね。
この中でも特にポイントになってくる重要なお薬がコレステロールを下げるお薬であるスタチンというお薬になってきます。
もともとはコレステロールを下げるための作用があるお薬なんですけども動脈硬化自体を抑制してくれるような作用もあるという事が分かってきたお薬なんですね。
ですからコレステロールを下げる効果以上の効果というものがこのスタチンには最近あるというふうにいわれています。
具体的な写真を見て頂こうと思いますけどもこれは64歳の男性で狭心症の治療のためにスタチンが使われた患者さんです。
左側が服用する前。
右側が服用後という事になります。
この血管全体の断面像なんですけれども黄色の部分がプラークの分布を示しています。
それから真ん中の黒い部分が血液の流れる道内腔という事になります。
松村さん服用前と服用後とどこが変わってるかお気付きの点はありますか?プラークが小さくなりましたね。
そうですねおっしゃるとおりでこの黄色のプラークの体積が減ってるという事が分かると思います。
数字で見ると明らかですね。
服用前が84.6ですけども服用後は70台に下がってます。
71.8です。
薬でここまで効果が変わってくる訳ですか。
そうですね血管の内腔も84.2が90を超えるぐらいに血液の流れる部分が大きくなったという事です。
もう一点実はこのプラークの体積が減ってる訳ですけども実はこのプラークというものも破れにくくしてくれるという作用がスタチンにはあるという事ですね。
この効果を得るまでにこの患者さんは9か月ですね長い期間を要します。
ですから基本的には数年にわたってこのスタチンをはじめとしたお薬の治療法はきちんと継続する事が動脈硬化を予防していくと心筋梗塞の予防につながっていくというふうに考えて頂ければというふうに思います。
いやでもここまで効果があるんですね。
スタチンをのみ続けるとプラークが消えてしまうとかそんな事は…という事を効果は期待できるんですか?この一回できてしまったプラークが全く無くなってしまうと。
この黄色の部分が無くなって全部黒に変わってしまうという事は非常に難しいんですけどもやはり長くのみ続ける事によってこの動脈硬化の進み方をゆっくりにしてくれると。
プラークの成長をゆっくりにするという効果があります。
ですから治療の継続というのは何よりも大事なんですね。
お薬の場合。
継続っていってもどれぐらいのみ続けなきゃいけないんですか?一生のみ続けるんですかね?よほどいい状態でない限りは一度病気を起こされた患者さんの場合はのみ続けるという事のメリットが恐らくあるだろうと思います。
副作用どうです?ちょっと気になりません?そうですね。
狭心症の治療において大事なお薬アスピリンという血栓を予防するお薬ですね。
それからスタチンというお薬。
これは動脈硬化を予防するお薬ですけども。
まずアスピリンというお薬。
これは胃の粘膜を少し障害して胃潰瘍あるいはその結果として胃からの出血という事を起こす事があります。
ですから胸やけの症状とかあるいは便の色ですね便の色がコーヒーの色のように黒ずんでこないかどうかという事はやはり気を付ける必要性があると思います。
それからスタチン。
先ほどたくさんいい効果があるというお話をしましたけれども動脈硬化を抑えるいい効果がある反面筋肉痛筋肉が痛むというような症状だるい痛いというような症状だったりあるいは肝臓の機能に影響が出てくる事がありますので特に肝臓の方はなかなか症状としては出にくいところがあります。
ですからコレステロールあるいは中性脂肪を測ると同時に肝臓の機能も定期的にチェックするという事が大事になってくると思いますね。
基本的にはお薬は継続する事が一番大事になってくる訳ですが副作用の程度あるいはそれを繰り返すというような状況であれば当然副作用の問題点という事は考えないといけませんからお薬の減量中止という事も出てきます。
ただ是非お願いしておきたい事は自己判断で患者さんの判断でやめないで頂きたいという事です。
必ずお医者さんに相談して頂くという事をお願いしたいというふうに思います。
もう一つ大事な事は胸が苦しくなった時に救急で対応するためのニトログリセリンという即効性の特効薬があります。
ニトログリセリンですけどもこれを必ず携帯して頂くという事ももう一つ大事な点です。
このニトログリセリンというのは非常に血管を広げる作用があって冠動脈の血管を広げて十分血液を心臓に送ってくれるという作用を持ったお薬なんです。
症状があった時にはなめて頂いて2回ぐらいまでは使って頂いていいと思います。
5分置きぐらいですね。
それでも治まらない症状がどんどん強くなってくる一方だという事であればこれはもうすぐに医師に相談するあるいは救急の対応をして頂くという事が必要になってくるだろうと思います。
それにしても松村さんは東京マラソンの時に救急車で運ばれたんですよね。
そうですね。
それはどなたかからお聞きになったんだと思うんですけども救急車を呼ぶという事自体がちゅうちょする場合もあると思うんですよね。
自分で呼ぶ時とかね。
そうですね狭心症というのは一般的に3分から10分以内です。
でその間に大体5分置きぐらいにニトログリセリンを使って頂きたいと思いますけども15分たっても症状が治まらないどんどんどんどん強くなる一方だという事でしたらまさに狭心症から心筋梗塞に移行しつつある悪い可能性があります。
ですのでそこはやはり「15分以上症状が続いているんです。
ニトログリセリンを使っても治まりません」という事を周りの人ご家族に伝えてもらって救急の方にも伝えて頂くというようにしてもらったらいいんじゃないかなと思います。
今日いろいろお話伺ってもらいましたけどもいかがでいらっしゃいました?びっくりしたのはプラークですかねあれがあんなに小さくなっていくというやっぱり薬の効果がここまでいいって事にびっくりしましたね。
やっぱり少しずつこうやって自分でできる範囲の事をしっかりやっていきたいですね。
そうですね。
やはり生活習慣病をお持ちの方っていうのは常日頃からそれを是正すると気を遣っていく事が大事ですし一旦狭心症という病名がついた場合はやはりできるだけきちんとお薬を継続していくという事が必要です。
副作用のような症状が気になる時には必ず医師に相談をして続けるべきかあるいはやめるべきかという判断をしてもらった方がいいと思います。
そのぐらいお薬というのは狭心症の予防のため心筋梗塞の予防のためには必要なものであるという事で考えておいて頂ければと思います。
どうもありがとうございます。
明日もまたよろしくお願い致します。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/05/06(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 心筋梗塞を防ぐ「薬を使う」[解][字]

狭心症の人は、生活習慣の見直しをすると同時に、動脈硬化抑制・血栓予防の薬などでの治療を続けることが大切。狭心症発作を起こしたときのために発作を鎮める薬の携帯も。

詳細情報
番組内容
心筋梗塞予防のために、狭心症の人は、生活習慣の見直しと同時に、動脈硬化を防ぐ薬・血液をサラサラにして血管が詰まらないようにする薬を使うことが大切。高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病があればそれらを治療するための薬も必要。コレステロール値を下げるために使われてきたスタチンは、動脈硬化の血管状態を改善する心筋梗塞予防には重要な薬となっている。さらに、狭心症の発作を鎮めるための薬の携帯も大切。
出演者
【ゲスト】松村邦洋,【講師】国立循環器病研究センター部門長…安田聡,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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日本語(解説)
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