生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうはこちらの話題です。
担当は今井純子解説委員です。
この電話勧誘販売に関しては私もよく投資しませんかという電話がかかってきたりして迷惑しているんですよね。
本当に迷惑に感じること多くありますよね。
今の政府の検討会でこうした突然の電話や訪問による勧誘について、もっと厳しく規制できないかという検討が始まっているんです。
といいますのもこうした突然の勧誘は迷惑なだけではなくてそれがきっかけとなってトラブルになったりあるいは深刻な被害につながるケースが後を絶たないからなんです。
実際にどういう被害が起きているんですか?例えば訪問販売について見てみますと高齢の母親が使いきれないほどの羽根布団やかばんなど次々に買わされてしまったという被害ですとか事業者に危険だと言われて屋根の工事をした。
そうしたら今度は床下さらに台所と次々と結果的に必要でない工事までさせられたという被害があります。
ひどいですね。
電話勧誘のほうはどうですか。
例えば最近、多いのは健康食品を電話で勧誘されて飲みきれないと断っても次々と代金引き換えという形で商品を送りつけてくる。
住所が知られているので怖いのでそのたびにお金を払ってしまっているというケースですとかあるいは投資を勧められてお金を払ってしまった。
だけどそのあと事業者と連絡が取れなくなってしまった。
こういう被害が寄せられています。
いろいろありますね。
全国の消費生活センターに寄せられた相談の推移です。
赤が家庭訪問販売で緑が電話勧誘販売への相談ですね。
増えていますね。
これまでたびたび対策や規制が強化されてきたんですが減るどころかかえって増えているんです。
特に被害が深刻なのは認知症などで十分に判断ができなくなった高齢者の被害なんです。
被害額が膨れ上がっているのにまったく気づかない。
そういうケースも数多くあるということです。
するともっと被害は多いかもしれないんですね。
これは氷山の一角にすぎないという指摘もあるんです。
そういう弱い立場の人につけこんで買わせるような悪質な事業者に関しては、ぜひ勧誘を禁止してほしいですね。
悪質な事業者による勧誘を禁止しようということについて、異論を唱える人ほとんどいないと思うんです。
ただ難しいのは一口で事業者といっても布団や健康食品を扱う事業者から新聞や車、日用品を宅配で届ける事業者が荷物を届けるついでに近所の人を勧誘して回るというケースもあるんです。
さまざまなんです。
そうすると何が悪質で何が悪質でないのか人によっても受け止めがさまざまで一般的に線引きするのは非常に難しいんです。
一方こちらを見てください。
突然の訪問や、電話による勧誘についてどう思うかということを聞いたアンケートの結果です。
訪問販売、電話勧誘販売それぞれについて96%を超える人が勧誘にきてほしくないと答えているんです。
便利だ、どのような商品、サービスか場合によると答えた人は合わせても4%に達していないという結果です。
悪質かどうかにかかわらずとにかく嫌だという人が圧倒的に多いわけですね。
このため政府の検討会では悪質かどうかにかかわらず消費者側が要請していない勧誘自体について勧誘という行為自体をもっと厳しく規制すべきではないかという意見が出て先週開かれた検討会では海外の例を参考に、いくつかの制度が紹介されたんです。
まず電話勧誘についてです。
原則禁止という制度です。
消費者側があらかじめ自分は勧誘を受けてもいいですよと、店や事業者に伝えていないかぎり介入してはいけないという制度です。
ドイツや、オーストリア、デンマークで実際に導入されています。
お断り制度というものは?せめて勧誘を受けたくないとあらかじめ意思表示をしている人には勧誘してはいけないという制度でアメリカやヨーロッパ、アジアなど、世界の多くの国々で導入されているんです。
どうしたら勧誘は嫌だという意思を示すことができるんですか。
勧誘してほしくないという電話番号をあらかじめ政府などの登録機関に登録しておくそうすると登録してあるにもかかわらずそこに電話をした事業者は罰せられる、という制度電話勧誘お断り制度というのがあるんです。
例えばパソコンや携帯端末からこの電話番号には勧誘の電話をしないでほしいという番号を登録機関に登録します。
そうすると登録したところでは電話番号が集まってきて拒否リストができます。
事業者はそれを見ることができてリストに載っているにもかかわらず電話をかけてしまうと罰金がかかるという仕組みなんです。
事業者が拒否リストを見られるとなるとかえってこの人は断りにくい人なのかもしれないと思ってリストが悪用される心配がありますよね。
そういう心配ありますよね。
そのために別の制度をとっているのが、韓国やシンガポールなどです。
電話しないでほしいという番号を登録機関に登録するというところまでは同じなんですけど今度は事業者側がこれから勧誘をしたいという人の電話番号リストを登録機関側に送るんです。
そうすると登録機関の側で拒否リストに載っている番号を削除する。
そうすると今度は電話をしてもいい人のリストとなって事業者側に戻ってくる仕組みもあるんです。
そうすると勧誘を受けたくないという人には、もう電話ができない仕組みですね。
このリストを見るかぎり電話ができないということです。
また保険や新聞など特定の商品やサービスを規制の対象から外している国ですとか消費者の側が電話番号を登録するときに、この分野の勧誘は受けたくないけれどもこの分野ならいいかなという選択できる仕組みをとっているという国もあるんです。
電話勧誘販売に対しては多くの国が対策をとっているようですが訪問販売はどうですか。
訪問販売については原則禁止という制度をとっているところは今のところ見当たらないんです。
実際に取られているのが訪問販売お断り制度です。
オーストラリアやルクセンブルクさらにアメリカなどの自治体などでとられています。
これはどうやって嫌だという意思を表すんですか。
電話勧誘と同じように訪問販売には来てほしくないという人があらかじめ住所を登録機関に登録するという仕組みのほかに訪問販売お断りというステッカーを自宅の玄関や門のところに貼っておくそれを無視して訪問販売をした事業者は罰金が科せられる仕組みもあるんです。
いい制度だと思いますが実際に日本での導入の見通しはどうですか。
なかなか簡単にはいかないと思います。
というのも業者側は健全な事業者までこうした規制が強化されるとビジネスに非常に差し支えがある。
制約になりかねない。
あるいは日用品の宅配をする事業者が近所の人を勧誘して回るというところまで禁止されると消費者側でかえって困る人が出るのではないか。
そういう理由を挙げて規制の強化に強く反対しているからです。
どう考えたらいいですか。
地域で本当に必要とされている商品やサービスがあればそれは別の勧誘のしかたがあると思いますし、例外を設けている国もあると言いましたが別途いろんな対応を検討することができると思うんです。
実際には少なくとも悪質かどうかにかかわらずこれだけ多くの人が勧誘を受けたくないと言っている。
その声にはこたえる対策をとっていくことが必要だと思います。
政府はぜひ消費者目線で対策を検討してほしいと思います。
今井純子解説委員でした。
2015/05/07(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「迷惑な訪問・電話勧誘販売への対策は?」[字]
NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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